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翌日 12時07分 喫茶ポアロ
カランカラン…
「いらっしゃいませ!あっ、コナン君! 今日は1人?」
「うん、おじさんも蘭姉ちゃんも用事があって出かけてるんだ。」
「そうなんだ…ご注文はいつものアイスコーヒーと、ハムサンドかな?」
「うん!ありがとう梓姉ちゃん!」
ーーーーーー
「お待たせしました〜アイスコーヒーと、ハムサンドになります!」
「ありがとう!」
「ねえねえ、梓姉ちゃん?」
「うん?どうかした?」
「安室さんに何かあったの?いつもより暗い感じがするんだけど…」
「やっぱりコナン君も思う?安室さん、今朝からあんな感じなの…」
(組織で何かあったのか…?)
カランカラン…
「いらっしゃいませ!お好きな席へどうぞ〜」
背の高い1人の男が来店した。
男は、カウンター席の真ん中に座っているコナンから1席開けた席に座った。
「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください!」
「分かりました。」
男が声を発した瞬間、安室の動きが止まった。
(なんだ?安室さん、この男と関係があるのか…?)
横の男はメニュー表を見ている。
「すみません、注文良いですか?」
「はい!承ります!」
「オレンジジュースと、ハムサンドをお願いします。」
「かしこまりました!」
梓は注文を取り、安室に伝えに行く。
「ねえねえ、お兄さん?」
「なんだい?ボク?」
「あの安室の兄ちゃんと、知り合いなの?」
「ああ、そうだよ。そういうボクは、ゼロとはどんな関係なんだい?」
「ゼロ…」
「本当に安室さんは、ゼロって呼ばれてたんだ…。」
「ははっ、カッコイイだろ?」
「うん!すっごくかっこいい!」
「…あ、あの…もう1つ聞きたいことが…」
「どうした?」
「ボクとお兄さん、どこかで会った事ない?」
「え?多分、無いと思うけど…。うーん…」
(いや、オレはこの人を…どこかで見たことがある…!)
(どこだ、思い出せ…!)
『これが4人揃った、最後の日の出来事さ…』
(電話から聞こえる安室さんの声…)
『僕の同僚4人が写った写真を送るよ。』
『左から、諸伏…松田…伊達…。僕を挟んで萩原だ…。』
コナンは、地下シェルターにいる安室から送られてきた、降谷が警察学校の同期と共に写っている写真を思い出す。
(この男の人…あの写真の1番左に写ってた諸伏っていう人だ…!)
『申し訳無いが、それは極秘扱いだ…。』
(極秘?そういえば風見さんが言ってた…)
(諸伏さんの死についての情報が極秘…?この人も公安だったのか…)
(公安だった…?そうだ…安室さんの同期の4人は既に亡くなっているんだ…)
(…じゃあ、今横にいるこの人は誰だ!?)
(この人が声を発した時、安室さんの様子が少し妙だったのは、生きているはずのない人の声が聞こえたから…?)
(まさか、黒ずくめの奴らの仲間…!?)
(このままだと安室さんが危険だ!)
「あー!忘れてた!」
「安室さん!小五郎のおじさんが呼んでたよ!」
「え?毛利さんが?」
「うん!だから早く来て!」
「わ、分かった…」
カランカラン…
コナンは安室の手を引っ張り、急いでポアロを出た。
「ど、どうしたんだい?コナン君…」
「あの人…多分組織の仲間だよ…」
「ああ、知ってるよ。組織に潜入していた僕の幼なじみだ…」
「やっぱり公安の人だったんだね、諸伏さんは…」
「昨日、ジンから彼を紹介されたんだ…。彼は組織にNOCだとバレて殺されたが、本当は生きていたとね。」
「そんなの…絶対組織の罠だよ!」
「わかってるさそんな事…。でも、僕は彼と一緒に居たいんだ…。」
「それがラムからの命令でもあるからね。」
(ラム…)
「それに、アイツが死んだのは僕のせいなんだ…。僕があの時足音を立てなければ…ヒロは…」
「でも…あの人と共に行動するって事は、必然的に公安のことを裏切ることになっちゃうよ…。」
「その通りだよ…」
「じゃあ、早くあの人を警察庁に連れて行こうよ!」
コナンと安室がポアロに戻ろうとした時、プラチナブロンドの髪の女がポアロに入って行った。
(ベルモット!?)
「安室さん!早く!」
コナンと安室は急いでポアロに入る。
「スコッチ…こんな所で何をしているの?ここに行くという命令は無かったはずよ?」
「ベルモット!何故ここに!?」
「スコッチに取り付けた発信機の反応がここにあったから来たのよ。少し嫌な感じがしたから…」
「安心して、梓姉ちゃんならカウンターの裏で寝かせたから。」
「それよりスコッチ…質問に答えてくれない? 」
「バーボンがここでアルバイトしてるって聞いたから来てみたんだ。本当にそれだけだよ…。」
「ったく…命令されてない事を勝手にするのやめなさいよ。」
「貴方が何をしようとしているかは知らないけど、ここは私のテリトリーだから…手は出さないで頂戴ね。」
「じゃあバーボン、よろしくね。スコッチは私が連れて帰るわ。」
「あ…はい…。」
カランカラン…
ベルモットはスコッチの腕を引き、ポアロから出て行った。
「ねえ安室さん?ベルモットは安室さんに何を頼んだの?」
「多分…コナン君の事じゃないかな?コナン君なら心当たりがあると思ったけど…。」
「うーん…。」
(多分、灰原の事だな…。ベルモットはオレが薬で小さくなってることや薬の存在を誰にも教えていないはずだし…。)
「おっと…もう本庁に行かなきゃいけない時間だ。コナン君、梓さんの事頼んでも良いかな?」
「うん、分かった!起こしておくよ!」
安室は、梓に声をかけるコナンを横目に警察庁へ向かった。