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ずっと優しかった彼。でも、ふとした瞬間に「……あれ?」って引っかかる違和感。
だけど、彼は変わらず笑っている。
そのズレが怖くて、でも目が離せない―
⸻
🎧「それ、なんで知ってるの……?」
――気づいたときには、遅かった
放課後、カフェで待ち合わせしてた彼。
君が座るなり、にこっと笑って言った。
「そういえば、昨日の夜中、YouTubeで猫の動画、ずっと見てたでしょ?」
……え?
そんな話、誰にもしてない。
夜、布団の中でイヤホンつけて、ひとりでこっそり笑ってただけ。
「へ? ……なんで知ってるの?」
君が笑って聞くと、彼はスマホをいじりながら、
さらっと答える。
「え、見てたんでしょ? “たぶん”って思っただけ」
「最近、夜ふかし気味だったし……勘かな?」
笑ってる。いつもと同じ、優しい笑顔。
でも――違和感が消えない。
この前だって、スマホに保存してた写真を「見せた覚えないのに」彼が知っていた。
「○○って、あの駅のパン屋、好きだよね?最近また行ったでしょ?」
(……言ってない。SNSにも載せてない……)
怖くなって、
「スマホ、見てないよね?」って聞いてみた。
冗談っぽく、でも少しだけ震える声で。
そしたら彼は――
「……うん。見てないよ。“直接は”ね」
一瞬だけ、笑みの裏に、何かがのぞいた。