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「…えっと、落ち着きましたか?」
10分程涙を流していたみぞれであったが、次第に鼻をすする音も落ち着く
そうしてしばらくして、、めめんともりがそう聞く。
普段あんなにも騒がしかったのに、この夢が始まってからは、皆がみぞれを気遣うようになった。
「…はい、すみません…。」
「…嫌だったら良いんだけど、なんでみぞれさんはずっとこんな調子なの?」
そう切り出したのは、Latteだった。
光に照らされた皆が、闇に覆われたみぞれを見る。
陽光はみぞれを照らしてはくれない。
目は相変わらず笑ってはくれない
「……」
みぞれはひどく答えづらそうにしていた。
「…隠し事はしてもいいと思うけどさ、こういう…辛いことは話しちゃった方がいいんじゃない? 」
そう言って見つめる八幡宮の黄色い目は、まるで太陽のように見えた
「…ね?」
そう言う八幡宮はいつもはメンバーにあまり関心を示さない彼女らしくないな、だなんて考えてみる。
「…そう、ですね。」
「…話したい、話したいんです…」
「…でも、明日になったら、皆忘れてしまうんです。」
「…忘れるわけないですよ_」
茶子がそう言う、だがみぞれの表情は、愛想笑いのようになる
「…誰も、それを許してくれないんです。」
「……世界そのものが、ですよ。」
___
そう話すみぞれを、ぼうっとウパパロンは見ていた。
ウパパロンは一瞬、自身の両手を見て、軽く拳を握ってみる。
(…おかしい。)
(…冷たすぎる)
ウパパロンには、1つの違和感があった。
無意識にみぞれを抱きしめた時だった。
(………感覚、無かったよね…?)
(…みぞれさんは生きてるよね…?そう、だよね…?)
(…でも、でも……あれは、人の体温じゃない…)
再度、みぞれを見る。
みぞれは目を閉じて笑っている
(…あれ…)
みぞれの声が一瞬ぼやけて聞こえる。
ノイズが混じったかのようだ。
おかしい。
彼女は、本当に”あの”みぞれなのだろうか?
何かが食い違っている?
姿形はみぞれで間違いない、着ている服も、髪も、声も_たまに開くタヒんだ目を除き、みぞれそのものだ。
_何故彼女の目はタヒんでいる?
ウパパロンは、隣に座るLatteの肩を叩く
「Latte、ちょっと来て」
「何?いいけど」
2人はこっそりと、リビングを抜け出した。
ウパパロンの部屋に二人で入ると、カーペットの上に座り込んだ。
「…なんで呼び出した?」
「…ちょっと気になることがあって。 」
「…推理したいから、ちょっと付き合って。」
「は?」
「…まぁいいけど」
Latteは少し怪訝そうな表情をするが、ウパパロンの”推理”を聞くことにする。
「…さっき無意識にみぞれさんに触れたんだけど…なんか、明らかに人の体温じゃなかった。」
「…人の体温じゃなかった?」
「…そう、…それが引っかかってみぞれさんの話あんま聞いてなかったんだけど。」
「…ふーん」
Latteは話を聞いていたらしく、みぞれの発言について気になるところを挙げる。
「それを言うなら、”明日になったら忘れる”…ってのは気になったかな。」
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「…あー…ゲームじゃないとあんまこういう推理は出来ないんだけどさ…」
「安直に考えるなら…私たちかみぞれさんのどっちかは…”偽物”なんじゃないの?
Latteはそういうとふう、とひと息つく。
「…偽物ねぇ。」
「…そう思う理由はあるの?」
ウパパロンは何となく分かっていた。だが、そう思う理由も同時に知りたく思いそう聞いてみる。
「まず、今日のみぞれさんが明らかにおかしい。」
「明日になったら忘れるとか…言い忘れてたけど、”世界が許してくれない”とか…フィクションみたいなことばっか言ってた。」
「…うーん、所謂ループものみたいな感じなんじゃないの?」
「それか、私たちが知らないだけで…みぞれさん以外の私達がみーんな記憶喪失…とか?」
「…あと、推理じゃないけど気になるのは…誰か消えた…みたいなこと言ってなかった?」
Latteは言い切るとため息をつき、
「ウパパロンはどう思うのさ。」
「…本当に直球だけど、”私達が知ってるみぞれさんではない” 気がするんだよね。」
「ふーん、根拠は?」
Latteも先程のウパパロンと同じように、理由を聞いてくる。
「…さっきも言ったけど体温が冷たすぎる」
「それと…目がいつものみぞれさんみたいじゃない。 」
「…そして、みぞれさんの光の当たり方が…変な感じがする。」
Latteは光の当たり方に反応してダルそうにして下げていた顔を上げ、驚いた目でウパパロンを見る。
「…おかしいと思わないの?」
「…みぞれさんの席は、1番日が当たる席だよ」
「なのに、みぞれさんは明るく見えてる訳じゃない 。 」
「…なんか…そこにいるのに、気づかれてないみたいだな って。」
「…どうしても思っちゃうんだよね」
「…”アレ”って、本当のみぞれさんなのかな…って。」
2人は、うーんと考えてみる
だが答えは…一向に出ることはなかった。
しばらくの無言ののち、Latteはため息をつく
「……もう考えてもわかんないし、一旦終わりにしない?」
Latteはそう言うと、ゆっくりと立ち上がる。
「…心配かけるし」
「みぞれさんに勘づかれたらやばそう。 」
「…そうだね。」
ウパパロンもそう言って立ち上がると、部屋を出てリビングに向かった。