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_リビングのドアノブに手をかけた瞬間、Latteはその手を止めてしまう。
ウパパロンもつられて止まり、びっくりしたような顔でキョロキョロと周りを見渡す
「…待って。」
Latteは冷たくそう言う。
「…どうした?」
ウパパロンは焦った様子でそう聞く。
「…危ないかも」
Latteのそう言う声は微かに震えている。
「危ないって、何が?」
「…って…」
「…え…?」
リビングの扉に少し近づくと、焦げたかのような臭いが鼻を潰してしまいそうになる。
扉越しに声が聞こえる。
「_嘘、でしょ…?」
「やだ、やだ…」
「み__さん…!!」
Latteはここから逃げようと、振り返った。
そこにウパパロンもいると、そう思っていた
だが、ウパパロンは忽然と、姿を消していた。
「…は? 」
「は?……っ何…これ…?」
そこで、リビングの悲鳴にかき消されていた息の音が1つしかないことに、ようやく気がつく。
いつからだったのか、Latteは心当たりすらもなかった。
Latteは酷く動揺し、リビングのドアノブから手を離して引き返す。
ウパパロンの部屋に行っても、玄関に行っても、彼女はどこにもいない。
Latteはリビングに続く扉に戻り、強く叩く。
「何が起こってるんですか!!?」
「みぞれさん!!みぞれさん!!」
だが、本人の声は全く聞こえない
悲鳴が、広がる火花のパチパチとした音が、それらを全て隠してしまう
次第に悲鳴は止み、炎がリビングの扉に引火する。
「…え?…あ、あ…」
Latteは玄関に行き、外に出ようとする
だが、外も炎に包まれ、臭いが鼻を潰してしまいそうなほどこちらに届く
___
みぞれは、微かな声で言う。
「…また、やり直すんですか?」
_完全に摩耗していた。
もう、自分が自分ではないような、そんな感覚のみが、今は残っていた。
「…なにか変わるって、何度信じても_」
「_なにも…」
彼女の声に、彼女の絶望に、もう生気など存在しない。
漠然と、思い続けている。
時間は、もう残されていない
何度思っても、何度受け入れようとしても_
それだけは_信じたくなかった。
だが、信じざるを得ないほどに、繰り返した
嫌になってしまいそうなほど
___
「…何が起きてんの…?何が…!!!」
Latteは倒れ込む
「ウパパロン…!ウパパロン…!!」
煙が身体に入り込み、思わずげほ、げほと咳を何度もしてしまう
視界が揺らぐ、強く回り明滅する
カチ、カチ、カチ、カチ___
最後に見たものは、灰色の煙と_心臓にまで響く、大きな時計の音
Latteはまるで走馬灯でも見ているかのような感覚に陥る。
後ろから、ぼやけた声が聞こえる
「これ、_渡し▋▋った▋です…」
(…レイ、マリ?)
「…な▋に……なんで…?」
「▋▋▋さん…!!なん▋▋▋か…!!!」
「ひ▋いよ……ひど▋よ…。」
「▋けて…▋▋て…」
ぼやけた声は、肝心な場所が途切れたかのような声は、そこで途切れた。
_そして、その後Latteの意識すらも、真っ暗に染まってしまった。
___
「……分かってるんですよね?」
_冷たい女の声。
冷たいくせして、もうモヤすらかかっていない声
「_やり直したって、もう変わらないこと」
「…”あの子”はもう、帰ってこないってこと」
(…あの子…?)
_そこで、みぞれは気がつく。
これは、自分自身に向けられた言葉ではないと。
(…あの子って、誰?)
(…あの子が…私は、誰…?)
みぞれは動揺して、分からなくなる__
____
みぞれは、ハッと目が覚める
_そこに焦りはない
前とは違う_まるで本当にいつも通りの朝だけが、来たかのように。
みぞれは同じように鏡と自分の両手を確認した。
もう笑えない目
それだけだと_そう思っていた。
だが、鏡に映る自分の顔は、なんだかぼやけていた。
「…これ、私…?」
顔に霧でもかかったかのようだ_自分を認識することが、一瞬_ほんの一瞬だけ出来なくなる。
みぞれは鏡に思いっきり背を向けて、リビングに向かう。
リビングの扉を開け、おはようございます、と言う。
だが、リビングにいためめんともりとiemonが驚いた顔をして辺りを見渡し、みぞれを見たと思うと、驚いた顔をする。
「…え?どうしたんですか…」
(…あぁ、そっか)
「みぞれさん、なんですよね…?」
「か、顔…!どうしたんですか!?」
iemonは驚いた様子でそう聞く。
(…あぁ、そっか…)
(…もう、自分の顔は、醜くて_)
みぞれは震え声で答えた。
「…ごめん、なさい…」
「ごめんなさい!!」
みぞれは後ろを振り返り、ダッダッダッと階段を駆け上がり、自分の部屋へと戻って行った。
そんな会話を、メテヲはふぅんと言った様子で聞いていた。
「…めめさん、iemonさん」
メテヲはゆっくりと立ち上がる
「_メテヲが行ってくるから、2人はリビングで…ルカさんとか、菓子さんとか、レイマリさんを待ってて?」
「わ、分かりました…。」
iemonはそう答える。
めめんともりは聞く。
「…どうして行くんです?」
「そんなに平然と_」
「…ずっと違和感があったんだ。」
「_まるで、別の記憶があるみたいに…」
「…別の記憶!?」
めめんともりが驚いた目でこちらを見つめた
「…でも、ようやくわかった。」
「…だから、みぞれさんに会いに行くの。」
めめんともりが止める隙は、今のメテヲにはなかった。
_____
メテヲは、みぞれの部屋に向かった。
なんだか長く思える廊下を歩き、白い扉の前に着くと、それをトントンと叩く。
もう、メテヲは分かっていた。
彼女は___
「はーい?」
みぞれの部屋の扉が開かれ、メテヲは中に入る
メテオの別の記憶__それには、こんなものがある。
「ごめん、急に」
「どうしたんですか…?も、もしかして、私が気持ち悪い、とか_」
「_違う。」
「え…?」
「_ね、みぞれさん。 」
「_メテヲは、全部思い出した。」
メテヲの言葉に、みぞれは明らかな困惑を見せる
今まで、何もかも隠し通してきた…
それなのに メテヲは…何を知っている?
「…なんで、ですか?」
みぞれは震え声でそう聞く、だがメテヲの答えは_思っていたよりあっさりとしていた
「___ずっと、変な違和感があったんだ。」
「…それが、やっと分かった。」
「みぞれさんはさ_もう 」
「___そうでしょ?」
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