テラーノベル
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私は、いつも通り家でダラダラして、スマホを見ていた。
─ピンポーン
チャイムが鳴る。こんな時間に?今は夜中の三時だ。不審者かと思い、インターフォンを見ると、そこには幼なじみのアーサーカークランドが突っ立っていた。…様子がおかしい。血にまみれている。だが、出ることにした。
ドアを開けると、袖を赤黒い液体で湿らせ、裁縫バサミを持って立っているアーサー。
「どうかした…の 、?」
恐る恐る、声を震わせながら聞く。
アーサー「親 、 」
昔から、アーサーが親からの暴力に悩まされていることは知っている。それで耐えきれなくなって殺してしまったのだろう。
「そっか。」
短い返事だが、私の喉から絞り出す声は今はこれが限界だ。
「とりあえず、家あがりなよ。 」
「そんな人がいたら怪しまれるでしょ ?」
これで、私が通報されるのが怖い。
アーサー「嗚呼 。」
血が垂れている。床が汚れるが、そんなことを気にしている場合ではない。
「お風呂、借りて。 」
「服は…最悪ゴミ袋でどうにかするから。」
アーサー「分かった。借りる。」
服は…前お泊まりした時のが残ってる。
置いておこう。
…バスマットが赤黒い。家に入れる時に覚悟はしたものの、見ると心にくるものがある。
アーサー「…、服。」
風呂から声がする。
「前回泊まった時のやつ置いてあるから」
「使って ~ 。 」
アーサー「嗚呼。ありがと。」
アーサーが風呂から上がったようだ。
いつものアーサーで、私は安心している。
アーサー「なぁ 。」
「なぁに?」
アーサー「お前も…どうせ俺のこと、警察に出すんだろ?」
…?ポカーンとしてしまった。
「しない。絶対。」
アーサー「なんでだよ。幼なじみとはいえ、人殺しだぞ。」
「事情わかってるから。アーサーは正当防衛でしょ?」
アーサー「…ふッ…。そうかよ。」
久しぶりに笑顔を見た。独房から解放されたのだろう。それは気分が良くなるか。と自己解決する。
「ねぇ。アーサー。」
アーサー「ん 」
「これから。どうしてくの?」
「アーサーのことだから。家、そのままでしょ。」
アーサーが黙り込む。
言わない方が良かったのでは。そんな考えが頭によぎる。だが、先の話は必ずしなければならないんだ。それが今か後かの違いだろう。
アーサー「特に考えてない。」
予想通りだ。
私は考える。できることであれば、協力したい。
「ねぇアーサー。」
「一緒に…」
言いかける。言えない。言葉が出ない。
アーサーは黙って私を見ている。その目には、冷たさはなく、単純に待ってくれているだけだ。
頑張って言おう。そう決める。
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