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ワンピース未来

2 - 第2話

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2025年08月04日

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ワンピース未来・第二話「子供の友情」
バギー海賊団の朝は、今日もにぎやかだった。

波の音とカモメの鳴き声、そして──パリの元気な泣き声が船内に響きわたる。


「うぉぉぉぉ……パリ、泣くなってばぁ! 今、ミルクの準備してんだろーが!」

バギーは慌ててお湯を沸かしながら、オロオロと赤ん坊を抱えていた。


部下たちは呆れ顔だ。

「船長、最近のあんた、完全にパパじゃないっスか」

「前はお宝お宝って言ってたのに、今はオムツオムツですもんね……」


「うるせぇ! 海賊だって子育てぐらいできんだよ!」

バギーは胸を張りながらも、片手で器用にオムツを替える。


そのとき、船に小型ボートが接近してきた。

甲板の部下が叫ぶ。

「船長ー! お客さんです! ……って、あれは──」


ゆっくりと上がってきたのは、髪をオールバックに固めた男、ギャルディーノ、通称Mr.3だった。

彼は眉をひそめ、オムツ姿のパリを抱えるバギーを見て、言葉を失った。


「……お前、何をやってるんだ、バギー」

「見りゃわかんだろ! 子育てだよ、子育て!」


Mr.3は額を押さえ、深いため息をつく。

「信じられん……お前が子育て……? 海賊王にでもなるつもりかと思えば……パパかね……」


バギーはムッとしつつも、ふと名案を思いついたように笑った。

「おお、ちょうどいいところに来たな! お前さ、自分のガキもいるだろ? ほら、遊ばせてみようぜ。子供同士、友達になれるかもしれねぇ!」


だがMr.3は冷たく言い放った。

「……お前の娘とは遊ばせないガネ」


「なんだとぉぉぉぉぉっ!?」

バギーは顔を真っ赤にして飛び跳ねる。




そのやり取りを聞いていたのは、Mr.3の息子、Mr.4(仮名)だった。

まだ小さな少年で、父親の背中に隠れるように立っている。

彼はパリをじっと見つめていた。


パリは好奇心いっぱいの瞳で近寄り、赤い首飾りを揺らしながら笑う。

「……あそぶ?」


Mr.4は少し戸惑ったが、やがて小さくうなずく。

「……うん」


その瞬間、バギーは勝ち誇った顔をした。

「ほぉら見ろ! ガキは正直だ! お前が何言おうが、友情は生まれるんだよ!」




こうして、半ば強引に「子供の交流会」が始まった。


最初はお互い警戒していたが、パリが拾った貝殻や小さな木の船をMr.4に渡すと、彼も少しずつ笑顔を見せた。

二人は甲板をよちよち歩きながら、カモメを追いかけたり、樽の上によじ登ったりして遊ぶ。


「おーい、パリ! 落ちんなよ!」

「おいMr.4! 変なとこ触るな、そこは大砲だぞ!」


船長たちはハラハラしながら見守ったが、子供たちはすぐに打ち解けていった。

やがて、パリはお気に入りの赤い首飾りを外して、Mr.4に差し出した。


「これ、あげる!」


「えっ……いいの?」

Mr.4は驚いたが、パリはにっこり笑った。

「ともだち、だから!」




その光景に、Mr.3は思わず腕を組みながら目を細めた。

「……子供ってのは、不思議なもんだガネ」


バギーは勝ち誇った顔で鼻を鳴らす。

「だろー? 俺の育て方がいいんだよ! さぁ言え、『バギーは最高のパパだ』ってな!」


「言うか、そんなもん……」と呆れながらも、Mr.3の口元はわずかに緩んでいた。


こうして、パリとMr.4の小さな友情が芽生えた。

海賊の世界の真ん中で育つ、子供たちの笑い声は、青い空に響きわたっていくのだった。


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