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仔 虎 姐 さ ん 、カ ッ ケ ェ よ ッ ッ
ずっと昔から姉さんは私の隣りにいた
小さな手をしっかりと握っている姉さんはどこか悲しそうだ
二度と離さないと念をかけるかのように
いつも強くて守ってくれる優しい姉さん
白虎のごとく鋭い目と白い肌
鉄鉱石と互角の美しい髪
この世で一番愛してやまない姉さん
盗みをしても人を殺しても
たとえ世界を姉さんが破滅へ導いてしまおうとも…
それが姉さんの願いなら
仔虎「……」
gr「……随分と不機嫌なようだな?白虎」
仔虎「逆に俺が快くマフィアに入りたがるとでも?」
仔虎「はッ!相変わらずのめでたい頭の連中だ…ジトッ…」
gr「…どうしてお前は逆にそこまでして嫌う?パタン…」
仔虎「お前の右腕が言っていただろう…そのままのとおりだ…」
仔虎「俺はお前らマフィアという存在が嫌いだ…」
仔虎「大切なものを奪って…傷つけて…」
仔虎「なのにそれでものうのうと生きてる…ビリッ」
gr「……」
仔虎「それが俺にとっては許せない…許されないッ!ゴンッ!」
仔虎「マフィアだけじゃないッ!あのクソッタレの研究者共もだッ!」
gr「なら…他のマフィアもそのクズ野郎共と一緒と言いたいのか?」
仔虎「あぁ゙!そうさッ!」
仔虎「お前らはなぁ゙!」
仔虎「都合の良いことしか目にないんだッ!」
仔虎「あいつだってッ!((((((」
gr「お前の今までの苦しみは知っている」
gr「きっと他者にはわからないくらいの苦痛だということも」
gr「いや…そもそも誰かの奥底の闇を分かるやつなんてこの世にいない」
gr「それを分かるのは自分だけだ…分かったふうにしか周りは言わない」
gr「別に…私はお前にここを気に入ってほしいだけだ…」
仔虎「気にいるなんて…きっと今後一生ないだろうさ…」
gr「墓場までそうでいられるか?」
仔虎「さぁな…俺はそろそろ自室に戻る…」
仔虎「ボスも良い夢を…バタン…」
そこに残るのは沈黙だけ
男は溜息を窓の外に向ける
夜空は一段と輝いている
誰にも盗めないほど美しいほどに
でもついつい手を伸ばしてしまう
あぁ…
仔虎「……」
いつも自分の中で”何か”に問う
『今日の自分は何者だ?』と…
そう問うと
不思議なことに返事が返ってくる
可愛らしい声に、水色の髪が薄っすらと見える
そして少女はこういう
仔虎「…はッ…馬鹿らしい…ボソ」
仔虎「もう…あっちの世界には戻れないんだぞ…ギュッ…」
そうやって、また”キララ”を殺す
けど彼女は死なない
きっと俺が諦めるまでその答えを返し続ける
sya「ガチャ…」
仔虎「……なんだ…任務の報告以外の出入りは禁ずると言ったはずだが…?」
sya「なんでお前の言うことなんか聞かなアカンねん…ジトッ…」
仔虎「…これはボス様とも話がついてることだ…そこくらいは守れ…餓鬼」
sya「キララの話について聞かせろ…」
仔虎「何故…俺がお前にそんな話をしないといけない…ギロッ」
sya「俺は別にお前には微塵も興味はない…」
sya「俺はただ…その”キララ”を救いたいだけや…」
仔虎「…お前にできることはない…黙って部屋を出ていけ…」
sya「お前がッ…ギリッ…!」
仔虎「……だったらなんだ…お前には関係ない話だ…」
sya「じゃあッ…カチャッ…」
sya「変われよッ…!」
仔虎「……やめとけ…年下をいたぶる趣味なんてない…モゾッ…」
仔虎「どーせ…キララも諦めが付く頃だろう…」
仔虎「そもそも…他者と分かり合おうなんて…」
sya「ッ!!バッ!」
仔虎「…いいのか?」
仔虎「別に俺はいいが…そのトリガーを引いても」
仔虎「だが…それは…Familiaにとっては都合の良いことだ…」
仔虎「訴えられる事ができる」
仔虎「創造主…またの名は…」
sya「神…やろッ?w」
sya「そいつらぶっ倒すためにキララのまず情報が必要やねんッ…!」
仔虎「……お前たちは安直すぎる…騙されているとか思わないのか?」
仔虎「これがもし…俺の演技だったら?」
仔虎「もう少しマフィアなら頭を使え…」
sya「お前は…ビビってるんやろうッ?w」
sya「だから妹よりも怖さが勝つッ…」
sya「ただの負け犬やなッw」
仔虎「ガッ!」
sya「カハッ?!」
仔虎「…俺が妹を捨てる……?」
仔虎「ふざけるな…ボソ」
仔虎「救えるんだったら…グッ!」
sya「じゃぁ゙ッ…!今がその時だろッ…フラッ…」
仔虎「!!」
__「やっぱり彼は私を救い出そうとしている…」
__「後は2人…あの子達と彼を会わせないと…」
__「仔虎が私を忘れたい気持ちは分かる…けど…」
__「最後でいいの…彼女にあったら後はもう好きにしてくれていい…だから…もう一度だけ…」
__「晶を抱きしめたいだけなのッ…グッ…」
豹寿「ゲホッ!ゴホッ!」
ガロウ「ガルルルッ!」
姉さんがいなくなってからガロウは言うことをなかなか聞いてくれなくなった
命令を下そうとしても噛みついたり引っ掻いたりしてくる
ガロウは元々姉さんに懐いているのかも
どこで拾われたのかも不明な生き物
ただ分かるのは幻獣ということだけ…
眼の前にいる虎の瞳は鋭く、怒りで溢れている
豹寿「ガロウッ…貴方が怒る気持ちは良く分かるッ…ヨロッ…」
豹寿「私の不甲斐なさがこの事態を招いたッ…ギュッ…」
豹寿「…こんな上から目線で悪いとも思ってるッ…」
豹寿「だけどッ…私は仔虎様を救いたいッ…!」
ガロウ「ガルルルッッ…!」
瑞希「言ったでしょ…?ガロウは姐さんがいないと言うこと聞かないって…カツカツ」
豹寿「お姉ちゃんッ…」
瑞希「それくらい…主が大切なんだよ…」
瑞希「私達が例え姐さんの大切なものだとしても、ガロウにとっては姐さんが大切…」
瑞希「仕方のないことでしょ?」
豹寿「諦めちゃダメッッ!!今ここで諦めたらッ…!」
豹寿「後でッ…絶対に後悔するからッ…!」
瑞希「……」
瑞希「分かったよ…ヘラw」
瑞希「んじゃ頑張ろうか…ノビ-…」
ガロウ「ググッ…!」
次回➳幻 獣 と 白 虎
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