︎︎「 光の間に生まれたのは 」
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︎︎ ︎︎第 3 話
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︎︎( クラピカの嫉妬 )
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一方、クラピカもまた心の奥で葛藤を抱えていた。彼はキルアの視線を感じながら、平静を装っていたが、内心は穏やかではなかった。
クラピカはゴンと話すことで、復讐の重圧から一時的に解放される瞬間を味わっていた。
ゴンの無垢な笑顔は、クラピカの心に小さな光を灯す。だが、その光は同時に、クラピカの別の感情を刺激していた。
ゴンとキルアの絆。クラピカはそれを知っている。キルアがゴンをどれだけ大切に思っているか、ゴンがキルアをどれだけ信頼しているか。
二人の間には、クラピカには入り込めない特別な何かがある。それを思うたび、クラピカの胸は締め付けられる。
(キルアは…ゴンといる時が一番自然だな)
と、クラピカは心の中で呟く。
キルアの笑顔は、ゴンと一緒にいるときに最も輝く。ゾルディック家の暗い影を背負いながらも、ゴンのそばではキルアがただの少年に戻る瞬間がある。
クラピカはその姿を見るたび、羨望と嫉妬が混じった感情に苛まれる。
「私には、あんな笑顔は向けられない」
と、クラピカは自嘲する。彼は自分の心を閉ざし、復讐の道に縛られている。
キルアのような自由さも、ゴンのような純粋さもない。クラピカは、自分がキルアにとってただの「仲間」でしかないのではないかと恐れていた。
先程、キルアがクラピカに話しかけてきた時、その声にはどこか苛立ちが混じっていた。
クラピカはそれを敏感に感じ取った。
キルアがゴンとの会話を気にする理由はわからないがクラピカにはそれが妙に気にかかった。
(もしかして、キルアは…? )
クラピカは自分の考えを振り払う。いや、まさか。キルアがそんな感情を抱くはずがない。
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