そんな悲しそうな目で僕を見ないで
ただ自分は……
『…おれは、…俺はッ!!』
『…お前を!!!…彼奴を…救いたかったんや…、』
「…俺を、救いたかった…?」
『…お前と彼奴は違うッ!!!…、天野呂戊太ッ!』
「…俺は、…ロボロやッ!!、」
『…ちゃうッ!!』
『…天野呂戊太…、お前はロボロとは違うんやッ!!』
「…俺は、ロボロ。…天野呂戊太やッ!!!」
『…やから、…記憶の無いお前はッ!!!!』
『…ロボロとしての記憶が無いお前は!!』
『…お前はッ!!天野呂戊太やッ!!…ロボロやないッ!!!』
「…は、…?…俺はッ!!!…やって、…俺は…、」
『…お前らやって違うッ!!…お前らはッ!!彼奴らとはちゃうんやッ!!!』
「鬱ッ!!!やめろッ!!」
『……俺は、……鬱として、…生きていたかったッ!!…ただ、それだけなんや…、』
『…5年前の事件で、…死んだのは、…俺だけやない。』
『…ここに居る全員が…あの事件で死んだんや』
「…はぁ、…何言って…、」
『……我々国。あの国で生きて笑っていた俺たちとは…違うんや。』
『…せっかく、皆記憶持ってこの世に転生できたのに…、ロボロが死んじゃいそうやったから…、…庇っただけやったのに…、』
『…皆、…死んじゃった…。』
「…なに、…言ってんの……?」
『……、彼奴らはさ、…俺に優しくしてくれたんよ。…ずーっとね、…。』
『…こんなろくでもない僕に…優しくしてくれたのよ。……、僕はさ、…単純な人間やから。その事だけでみんなの事好きになっちゃったんよ』
『…とっても、綺麗な瞳で俺を見てくれた。』
『……、でも、…国はとある事件をきっかけに壊れてしまった。』
『……幹部と総統であった僕たちは、…全員死んでしまった。』
『…、僕たちは記憶を持ったまま、転生する事に成功した。』
『……、みんなで、…わいわいしながら、…国…は、作れんかったけれど…YouTubeチャンネルで、…わちゃわちゃ実況者として活動した。』
『……、僕さ、…ロボロと喧嘩してしもたんよ』
『…そんときにトントンがその喧嘩の仲裁として僕たちで東京の方まで言って車で色んなどこ行ったんよ…』
『…凄い楽しかったんよ。』
『…トントンに運転任してな…、後ろに僕、…隣にロボロ座らせてな。』
『…仲直り…まだ出来てなかったんや。…すこし、まだ距離があったんよ。…僕、その時ごめんって謝ろうとした時、…ロボロの隣ににあった窓から見える高速道路からバスが突っ込んで来るのが見えたんや。』
『…僕らに向かって迫ってきてた。…、僕は、ロボロの体を抱き抱えてそのまま僕の方の扉から転がり落ちていった。』
『…トントンも、ギリギリ助かったんや。』
『……でも、バスはこっちに向かってきてた。』
『…乗客が、凄い泣きそうな驚いた顔してたなぁ…、』
『…高速道路から落ちたバスは…、前側が完全に潰れてた。バスは落ちた勢いで僕たち…僕とロボロがいる方へと迫ってきた。』
『……僕は、…彼奴を救いたかったんや。…僕はどうなっても良かった…やから、…僕は…、』
『……彼奴の事…強く抱き締めてん。』
『…彼奴辞めろッ!って…そう叫んだんよ。…まぁ、…辞めへんかったけどねぇ…』
『……バスは、そのまま僕たちの事を跳ねた』
『…跳ねられた僕たちは宙を舞った。…僕はロボロを抱きしめた。』
『…幸い、ロボロは無傷だったみたいやけど…、僕は、…、そのまま死んじゃったみたいやね…、…でも、…僕は、…ロボロを身を呈して…守った。』
『彼奴を救うために、…僕は死んだ。』
『……それが僕にとって、幸せな死に方…、…だと思ったんやけど…でも、やっぱりだめやった』
『…どうしても、ロボロの傍に居たかった。』
『…サイレンの音が鳴り響く道路で…、僕は一言だけ…最後に言ったんよ』
『…まだロボロと一緒に居たいって…。』
『…そしたら、みんなに会ってんな…、』
『……みんな、僕のお願い聞くためならなんだってするってそう言ってくれたんや。』
『…、…みんなって言うんはな、…前世のみんなね。…本当は前世のみんなは、皆の中におってん。…やから、記憶が受け継げられてた。』
『…でも、僕のお願い叶える為だけに、…みんな皆の体から出たんや。』
『…みんな、…僕の為だけに…死んじゃったんや』
『………2人だけ、…2人だけみんながどうにかして…記憶持ったまま…にしたかったらしくてね。…みんなが頑張ったから2人だけの記憶もった奴ら居るけど…、…』
『…それがとんちとグルちゃんね。』
『……でも、それ以外…みんな死んじゃった。』
『…ロボロの記憶を持ったままだと思っていた…お前は、…ロボロの記憶を持ってなかった…、』
『…ただの、…天野呂戊太になっちゃったんや…』
『…あの世の世界にも、お前は居なかった。』
『天野呂戊太、お前の中にロボロは留まってしまった。もう、一生表に出ることはない。』
『………、おれは、…』
『…彼奴を…アイツらを救えなかった…、』
『……ただの天野呂戊太…でも、…それでも、…僕は…、君の傍に居ようと思った』
『…けれど、…やっぱ僕には…、』
『……辛かったみたい……それに…、』
『………僕という異例の存在がいることで、世界は狂い始めてしまった…、』
『……、夏なのに雪が降ったりね…、』
『………その時から…僕には、憎悪の思いが強くなっちゃった』
『…本当はこんなこと言いたくないのに…、』
『…僕が僕みたいじゃ無くなっちゃった…』
『………僕は、…”悪霊”になっちゃったんだ。』
今は、御札の力でこの思いも収まっているけれど、…もう長くは持たない。それなら、…ぼくは
『…だから、…だからね、…天野呂戊太』
「…ッ………、」
『…僕は君とは一緒に居れない』
もう、消えた方が良い。
『…とんちゃんも、グルちゃんも…ありがとう』
『……僕の我儘を聞いてくれて…、本当に』
『…みんな、待ってるからさ…、』
「……なんでッ…なんで、…そんな…自分勝手なんッ!?」
『…天野…、』
「…嫌やッ!!…おれ、…お前と一緒におりたい」
「…俺がロボロやなくても、…天野呂戊太として一緒に居てくれへんか!?」
「…なんだってするッ!…やから一緒にッ!!」
『………ごめん、…』
『…僕がここに居る事で、君にも…みんなにも迷惑かけちゃう。』
『……チーノもショッピも…1回記憶飛んでた事あるやろ?』
「…え、…?…あぁ、…はい。」
「……おん。」
『…それはね、…前世の2人が…僕が上にくるのを急かしてたから、…現れた症状。』
『…そんときに天野に2人会ってるはず。』
『……もうね、…だめなんや。…僕がここにいることで…ゾムさんとかが、こっちに降りてきて…天野呂戊太…お前を危険にさせようとしちゃうから…、』
「…そんなんッ…、危険だろうとなんだってええッ!!」
『…僕は、…鬱は…消えなきなきゃいけない。』
『……今世の僕、…鬱島大は、…きっと、…何処かで、意識不明の重体になってしまっている』
『………、それだったら、…僕は死んだ方がええ』
「…いや、ッ…、おれは、ッ!」
『……ロボロぉ…、許してぇや…、』
『…僕やって、…君と一緒に居たい…けれど、…僕は、…上のみんなとも一緒におりたい…』
『……本当に迷惑かけたね、…、皆。』
『…トントンも、グルッペンも、…もう帰ろう。……僕たちが居たこの記憶、…最後に全部消してあげるから。』
『…こんな夢はもう、おしまい。』
そう言うと僕たちの体は一気に崩壊し始めた。
「…ッ…、、鬱ッ!!!!」
君は、僕に抱きついてくる。
『…ごめんね、…”ロボロ”』
「ッ…!?…、ッ……ッ…うつ、ッ」
驚いた表情をして、…綺麗な瞳いっぱいに涙を溜める。…その瞳を見て、優しく僕は頭を撫でた。
『………またね。』
僕たちの姿は、消えていった。僕たちが居なくなったことによって、存在全て、僕たちが行ったことも全て元通りになった。
前世のない僕たちは出会うこともなかった。僕らがあのバスに跳ねられる事も、何も無かった世界線に戻るんだ。
これで、…もう元通り。
我々国という国に居た15人が前世で転生したのも、…鬱という人間が、…彼を救ったのも…、
全て無かった事になった。
全て……元通りだ。
天野呂戊太は、…鬱という幽霊と半年共に過ごした事を忘れてしまう。
…それで良かった。…それがいいんだ。
おかしくしてしまった世界を、元通りに直せた。
それでええの、…、それで、…ええから。
でも、…でもね。…一つだけ。……、恋愛的にとか…そういうのやない…ただ僕は…、
『…ごめん、…』
天野呂戊太…彼に会えてよかった。…、
あぁ、でも、…言っとけば良かったなぁ…。
『…ありがとうって、…』
お礼の一言ぐらい、…行ってあげたかったな、…
何年後の世界か、…それは分かりません。
貴方の想像で考えてみてください。おまけ。
大阪駅へとつく。…新幹線で東京からここまで来た為すごく眠い。
ゆっくりと、眠さに耐えながら大阪の街を歩いていく。…、すると、でかい大学につく。
大学の中をろくに前もみず目を擦りながら歩いていく
『…んぁー、…ねむ…、』
すると、男性とぶつかってしまう。
『…あ、ッ…すいません、ッ!!』
「…あ、…すいません……。」
目があった時、綺麗な目だなと思った…、すごく綺麗な目は青色だった。
そのまま男性は走って行ってしまった…。その男性が走っている時にノートを落としてしまっていた…、
『…え”…、ちょ、…これ自分が届けた方がええよな…、…あ””ー、…もう。』
走って、その男性を追いかけて行くとその男性はとある講義の教室に入っていく。
おれも丁度そこにようがあったので、そこに向かう。
『…すみません…、』
先程の男性の前でそう呼ぶと、青瞳がゆったりとこちらを見つめた
「…はい、…どうされました?」
『…あの、…これ落としてませんか?』
「…あ”ー、…落としちゃったっぽいっす…、…すみません。」
「…あ、…あの、…講義の後予定ありますか?」
『…ないですけど、…』
「…少し残ってもらえると嬉しいです。」
そう、ヘラりと笑ってくれる。
講義が終わり、物を片付けていると
青色の瞳の男性が歩いてくる
「…あの、…」
『…あ、…はい。』
「……少しお礼をさせてもらえません?」
『…え?…いや、…ノート届けただけですし…』
そう手を断るように振ると、…それでもと言いたげな表情をしてこういった
「…このノート…なんか、…僕、…すんごい愛着あって、…、なくしちゃわなくて良かったなぁ…って今すごい安心してるんです…。だから、…その」
『……。』
「………お礼させてくれませんか?…」
『………わかりました。』
俺がそう言うと一気にふんわりと笑ってくれる。
「ありがとうございます!」
瞳を見ていると、少しひとつの疑問が出てくる。
『…あ、あのカラコンとかって入れてるんですか?」』
「…カラコン…?…いや、全然入れてませんけど…、」
『…あ、そうなんですか…、凄い瞳が綺麗なもんで、…カラコンとか入れとるんかと思ってましたわ。』
「…いや、あなたも凄い綺麗やないですか。」
『…んふw…そう言って貰えると嬉しいです。』
『……俺、天野呂戊太って言います。…あなたは?
「…え?…僕ですか?…僕は、…鬱島大って言います。」
「………これも何かの縁やと思いますし、…仲良くしませんか?」
『…え?良いんですか?』
「凄い偶然やけど、…なんかの縁やと思ったんで…、」
「それに、…同級生やと思うし…、タメでええから」
『…んまぁ、そうやな。…んじゃ、…よろしく。』
そんな話をしながら、鬱島がお礼をしたいそう言ってこっちや…と方向を指す方へと歩いていく。
「…天野はさ、…なんでこの大学きたん?」
『……んー、…何となく。…家が近かったからやな。』
「…そうなんや、…やったら夢無いん?」
『…んまぁ、そう言う訳でもないで、…俺はさ…、霊媒師とかそういう系の人間になりたいねん』
「…霊媒師?」
『そう。…、…ひとの生涯の運命を見れる…そんな力あったら、良くない?』
「ええけどw」
『…笑うなやw…まぁええけど、…そぉやね…まぁ、夢は大きくなきゃな、…あ、鬱島は何になりたいん?』
「あぁ、…教師目指しとる。」
『…教師、…大先生ってことやん!』
「大先生…ええなぁ、w…、子供たちからそう言われたいわァ…、」
『…んふ、…w』
『…あ、大先生。』
「え”?…天野が僕のことそう呼ぶん…?」
『…やって、鬱島よりも呼びやすいんやもん』
「いや、…うーん、…なんか大先生は嫌ややなw」
『…えぇー、?…じゃあ、ええわ。…鬱、』
「……おん、…そっちの方がしっくりくるわw」
なんて言いながら、歩いていくと…そこにはコンビニがあった。
「…これ、食ってくれや。」
『…これ?……バニラアイスやん、俺好きな奴やわ。これ』
よくあいつが買ってこい買ってこい言うから、おれも食べるようになってんなぁ……、
……彼奴って誰や…?まぁ、……ええか。
「…僕、これめっちゃ好きやねんな。」
口に含んで食べていると、あ、そろそろ行かなきゃと鬱島はあるきだそうとする。
……、またねと言葉をこぼした。…でも、でも、…言わなきゃ行けなかったから…聞かなきゃ行けないから…
『…待ってやッ!、……、』
「……ん?」
『…おれたちってさ、…どっかで会ったことあらへんか、…?』
「…んふ、w……どうやろ…、」
『…曖昧な回答やなくて…、なぁ、…俺らッ…』
「…んーん、…ダメやって、それ以上言ったら…、あ、…そろそろ僕、行かなあかんわ。…ノート届けてくれてありがとぉね、」
『…あ、ッ…ちょ、…』
「…それじゃ、ほんとにさよなら。」
歩き出す目の前の人、…とめてはいけないとは分かっているけれど…、…もう会えないと思ったから。
『……鬱ッ!…、』
ポトポトと瞳から、涙が出てくる。
「…ぇ、ッ…、」
鬱島大…、鬱もこちらを向いた。
…あぁ、そうか。…お前は……、
そして、優しく微笑んで…涙を流した。
「……ありがとぉ、…ろぼろ、」
あの時言えなかったこの言葉を大先生は優しく笑って言ってくれた…だからおれも、
『………それは、…こっちのセリフや。鬱…、』
そう、ニカッと笑って言ってやったんや。
風がすごく強くなる。
目が覚める。
『……んぁ、…寝てたんかな、…』
そこは自分の部屋の自室だった。…さっきのは…夢やったんかな…、
なんの…夢やったんやろ…。
『…ふぁ〜、…ねっむ。』
不思議に口に広がるバニラの味
『…あれ、…、なんでやろ。』
好きなアイスのはずなのに、……、その味を絶対に忘れたくなくて…、そのわけも何も分からないけれど…涙が零れ落ちた。
~彼奴を救うために~end。
分からないことなどがあれば、コメ欄で聞いてください。ちょっとした裏話や、ut.rbrの話。最後の話の説明等はコメ欄で。
コメント
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うわー、ついに完結!😭長かったような短かったような… テスト勉強の時も息抜きにすっごく助かってました!有難う御座います!受験生に今年でなるので、心の支えにさせてもらいますね。
タイトルに込めた意味【彼奴を救う為に】彼奴=rbr。天野呂戊太です。最終話の中にあいつを救うために僕は自分を犠牲にしたんだッというセリフがありますがもうタイトルはそのセリフのまんまの意味ですね。この話のタイトル意味は夢はもうおしまい。彼奴を救うためにと頑張ったutがいたのも前世のあるあの子たちも全部夢。おまけの話も夢でしたよね。もうこの世界。この話自体が夢でもう全部おしまいそういう意味を込めました
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