実際 これは俺のせいじゃないと思う こんなにも窓が開いてしまうのが悪い そうだ、そうなんだ こんなに開いてしまったらどうしたって筆箱は投げたくなってしまう 開いてなければ投げなかった 窓の外は教室と違って静かで暗くて人が見えなくて どこか別の世界に繋がってるんじゃないかと思うほどで 何か怖かった そんな中机に置いてあった筆箱 この教室の中にある筆箱 俺のいる世界にある筆箱 これを窓の外の世界に投げ込めば何か変わる 気がしていたが投げ込んでみて、そんなことはなかった 4階の教室から窓に向かって投げられた筆箱は勢いよく吸い込まれていった 何も起きない 教室が騒がしいから落ちた音さえも聞こえなかった よく考えてみれば 窓ひとつで世界が変わるはずがない こんなこと誰にも知られて欲しくない 恥ずかしくなってしまった ふと周りを見渡すが誰も自分には注目していなかった 誰にも気づかれていなかった。
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