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でも、誰に言えばよかったのか。医療機関にも相談した。
高層ビルの影にある施設は、「未成年のあなたには」と、入り口で彼女を切り離した。
冷たい手すり。無機質な受付。
その日、彼女は、誰からも名前を呼ばれなかった。
その間、彼は焼肉を食べていたらしい。
網の上で肉を焼きながら、笑っていたらしい。
彼女は、2時間ずっと外に独りで立っていた。
もう、自分の中から生えてきた感情たちが、カビのように体に張り付いて離れなかった。