テラーノベル
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あてんしょん・rzso
・学パロ
・rz視点
・幼なじみ設定
・切ない系(そうなってたら嬉しい)
次の日、俺たちは昨日約束した通り、スーパーで買ったプリンと、らぴすが選んだ暇つぶしのパズルを持って、心音がいるはずの病室を訪れた。
mk「……え?」
みかさが、持っていたビニール袋をカサリと鳴らした。
病室のドアを開けた先にあったのは、整えられすぎて冷たい、主のいないベッドだった。
昨日まで、確かにそこに心音がいた。シーツにはまだ微かに彼の体温が残っているのではないかと錯覚するほど、空気が止まっていた。
rz「すみません、ここにいた患者さんは……」
通りかかった看護師を呼び止めたが、困ったように眉を下げて「個人情報ですので、お教えできないんです……」と繰り返すばかり 。
縋るような思いで、心音の母親に電話をかけた。
『ごめんなさいね、ロゼくん……。本当に、ごめんなさい』
電話越しに聞こえる声は、ひどく掠れて、泣き疲れたように震えていた。
それ以上は何も聞けなかった。聞いてはいけないような、取り返しのつかない境界線がそこには引かれていた。
それから、世界から「心音」の色が消えた。
一週間、二週間。
どれだけメッセージを送っても、既読はつかない。
電話をかけても、機械的なアナウンスが流れるだけ。
いつの間にか、秋の爽やかな風は、肌を刺すような冬の気配へと変わっていた。
そして、ある日のホームルーム。
教卓に立った担任が、どこか落ち着かない様子で、手に持った名簿を見つめてから口を開いた。
「ーー心音だが。家庭の事情により、本日付で自主退学することになった」
教室のざわめきが、一瞬で消えた。
心臓が、冷たい水の中に突き落とされたみたいに、一気に冷え切る。
li「……は、退学?」
らいとの声が、掠れて響いた。
いつも不謹慎なことばかり言っているあいつが、今は真っ青な顔をして、震える手で机を掴んでいる。
「待ってください、先生!どういうことなんですか?! 理由は…!」
俺は椅子を蹴るようにして立ち上がっていた。
担任は俺と視線を合わせようとはせず、ただ申し訳なさそうに首を振った。
「……本人の強い希望…としか言えない。彼にとっても、苦渋の決断だったはずだ」
本人の希望?
あの日、あんなに綺麗に笑って話していたあいつが、自分からこの場所を捨てるはずがない。
放課後の教室には、言葉にできない重苦しい空気が漂っていた。
いつもなら誰かがボケて、誰かがツッコむはずの日常。けれど今は、誰も口を開こうとしなかった。
らぴすは窓の外をじっと見つめたまま、手を握りしめている。
メルトは、机に突っ伏して微動だにしない。
みかさは今にも泣き出しそうに唇を噛んでいた。
li「……意味わからん。なんなん、これ。あいつ、俺たちに何も言わんで……」
rz「…………」
俺は、自分の隣の空席を見つめた。
あの日、体調が良くなったらまたいつもの日常が戻ってくると信じて疑わなかった。
そこには、主のいない机の上に、冬の薄暗い光が差し込んでいるだけだった。
思い返せば、あの病室での抱擁。
あれは、戻ってくるための約束なんかじゃなかったんだ。
叶わないことを知りながら、最後に一度だけ、一番欲しかった未来を口にした。
あれは、心音が俺に残した、最初で最後の、あまりに残酷な『嘘』だったんだ。
心音 …
お前は今、どこで、どんな顔をして、独りで戦っているんだ。
俺に「支えさせて」と言わせてくれないまま、お前はどこへ消えてしまったんだ。
外では、冷たい雨が降り始めていた。
心音のいない冬が、音もなく俺たちを飲み込んでいく。
#mlmk
🥯🧈🌿𓈒𓏸
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コメント
2件
続けて更新ありがとうございます! 切ないですねぇぇ😭そんなロゼしおが大好きです..!! またお話待ってます!
うわ……これ、心臓にくる展開ですね。 あの病室の抱擁が「戻るための約束」じゃなくて「最後の嘘」だったっていう伏線の回収、本当にずるい。優しくて残酷なバランスが絶妙すぎる。 それに「主のいないベッド」の描写だけでここまで読者を突き落とせるのはすごい。 心音が何に独りで向き合ってるのか、気になって仕方ない……でもまだ6話、この先に救いがほしいなあ。続きでどう転ぶか、ちゃんと見届けたいです。