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高校入学から今までを語っていこうと思う。
入学式の日から恋が始まったからな。
最初は俺の一方的な想いからだったな。
俺の高校デビューは、散々だった。
まず入学式は遅刻。うん、まぁ、まだマシだろ笑
けれども自己紹介がひどかった。
なんでウケなんか狙ったんだろう、バカだよマジで。その時の俺は羞恥心とやらが欠けすぎていたのかもしれない。
そう、一発ギャグをやった。
滑ると分かってたはずなのに何故か体が動いたんだよ。突発的な思いつきとはなんと恐ろしいものか。
まず一発ギャグというものでウケを取れる可能性は限りなく0に近い。ましてや自己紹介でなんてもってのほか。100%滑る。いや1000%はくだらん。
(シミズ=自分)
悪寒が走る。
多分、この10秒は、この地球上で1番ながい10秒だと思った。
走馬灯が見えた気がした。
死ぬってこんな感覚かぁ、、あっけないなぁ。
脳内で母の顔が浮かび上がった。
いろんなところに連れていってくれたなぁ。
実家とか、、、あと、スーパーぐらい?あれ?
そんなもんか。ああ。
最新型のスマホ買ってくれたし、あのボタンがついててパカパカするやつ。あれ友達と被らないのがいいんだよなぁ。
そしてあの冷奴もまた食べたいなぁ。お袋の味ってやつだよ。
現実に戻ってきた。
冷や汗が出て来て、呼吸もあらくなってきた。
例えるならば、徹夜した次の日の持久走って感じ。
走り終わったあとの心拍数、軽いめまい。
そして瀕死の状態。今の俺とそっくりだ。
言っておくが俺は決して陽キャだった訳では無い。
中学の時は、友達はいなかった訳では無いが少なかった。ペアワークで余ることも度々。なので今の俺は、
「2人1組つくってー」という言葉が世界一嫌いだ。
ぼっちをあぶりだすなクソ教師!
そしてあの世界一長い10秒がすぎた。
体感だと1時間ぐらいたったと思う。真剣に。
教室を見渡した。息を飲んだ。
綺麗に真顔が並んでいるではありませんか。すごい絶景。(絶望的な景色)
俺はやっぱり目立つのが苦手だったっぽい。
あの時、咄嗟にできた行動が先生の顔を見て、助けてって、遠回しに伝えることだったのが本当に情けない。
そりゃ先生も苦笑いで精一杯だもんな、お気持ちお察しします。チッ
俺は結局何も出来ずに、クラスの空気を悪くしただけだった。穴があったら入りたいとはこういうことか。
黒歴史に即認定。あんな悲劇稀に見ない。
俯いて席に戻った。
もうそこからの記憶は全くない。
帰りのホームルームが終わった瞬間、逃げ帰るように廊下を全力疾走したのは覚えている。
そして案の定人にぶつかる。しかも女子に。
恋愛としては完璧なシナリオなんだが、あの時の俺からしたら、泣きっ面に蜂が100匹ぐらい飛んできたのと同じ感じ。
でも、結論から言えばぶつかって良かったと思っている。出会い方をもう少しどうにかして欲しいものだったが。笑
これが俺の高校デビューだった。
本当にろくなことがなかったけれど、今では話の種になっていいんだけどね笑
次の日から、そのことでいじられ続けるのは避けられなかったが笑
彼女と出会ったのも、あの一発ギャグがあったおかげなので、ある意味幸運だったと思う。
運命の人と出会う時って、なぜか突然訪れるんだよ。それも最初はありえないって思っていても、その人が人生を変えてくれるキーパーソンだったりもする。
楽しかったなぁ。あの頃は。