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高校入学から今までを語っていこうと思う。

入学式の日から恋が始まったからな。

最初は俺の一方的な想いからだったな。



俺の高校デビューは、散々だった。

まず入学式は遅刻。うん、まぁ、まだマシだろ笑

けれども自己紹介がひどかった。

なんでウケなんか狙ったんだろう、バカだよマジで。その時の俺は羞恥心とやらが欠けすぎていたのかもしれない。

そう、一発ギャグをやった。

滑ると分かってたはずなのに何故か体が動いたんだよ。突発的な思いつきとはなんと恐ろしいものか。

まず一発ギャグというものでウケを取れる可能性は限りなく0に近い。ましてや自己紹介でなんてもってのほか。100%滑る。いや1000%はくだらん。





「どーも美波中から来たシミズでーす」

(シミズ=自分)


「好きな食べ物はバナナとトッポギでーす」



「得意な教科は学活で、苦手なのはそれ以外でーす」



「特技はオタ芸でーす」



「一発ギャグいっきまーふ!!」





「毎日いろいろ〜あーるーけーれどー」


「微笑みひーとつーでー元気になーれる」


「いつも、あーーめのちハゲ〜」


「オーマィガッ!」











………











悪寒が走る。

多分、この10秒は、この地球上で1番ながい10秒だと思った。








走馬灯が見えた気がした。

死ぬってこんな感覚かぁ、、あっけないなぁ。

脳内で母の顔が浮かび上がった。

いろんなところに連れていってくれたなぁ。

実家とか、、、あと、スーパーぐらい?あれ?

そんなもんか。ああ。

最新型のスマホ買ってくれたし、あのボタンがついててパカパカするやつ。あれ友達と被らないのがいいんだよなぁ。

そしてあの冷奴もまた食べたいなぁ。お袋の味ってやつだよ。










現実に戻ってきた。

冷や汗が出て来て、呼吸もあらくなってきた。

例えるならば、徹夜した次の日の持久走って感じ。

走り終わったあとの心拍数、軽いめまい。

そして瀕死の状態。今の俺とそっくりだ。




言っておくが俺は決して陽キャだった訳では無い。

中学の時は、友達はいなかった訳では無いが少なかった。ペアワークで余ることも度々。なので今の俺は、

「2人1組つくってー」という言葉が世界一嫌いだ。

ぼっちをあぶりだすなクソ教師!














そしてあの世界一長い10秒がすぎた。

体感だと1時間ぐらいたったと思う。真剣に。

教室を見渡した。息を飲んだ。

綺麗に真顔が並んでいるではありませんか。すごい絶景。(絶望的な景色)



俺はやっぱり目立つのが苦手だったっぽい。

あの時、咄嗟にできた行動が先生の顔を見て、助けてって、遠回しに伝えることだったのが本当に情けない。

そりゃ先生も苦笑いで精一杯だもんな、お気持ちお察しします。チッ




俺は結局何も出来ずに、クラスの空気を悪くしただけだった。穴があったら入りたいとはこういうことか。

黒歴史に即認定。あんな悲劇稀に見ない。

俯いて席に戻った。

もうそこからの記憶は全くない。

帰りのホームルームが終わった瞬間、逃げ帰るように廊下を全力疾走したのは覚えている。

そして案の定人にぶつかる。しかも女子に。

恋愛としては完璧なシナリオなんだが、あの時の俺からしたら、泣きっ面に蜂が100匹ぐらい飛んできたのと同じ感じ。


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でも、結論から言えばぶつかって良かったと思っている。出会い方をもう少しどうにかして欲しいものだったが。笑


これが俺の高校デビューだった。

本当にろくなことがなかったけれど、今では話の種になっていいんだけどね笑

次の日から、そのことでいじられ続けるのは避けられなかったが笑




彼女と出会ったのも、あの一発ギャグがあったおかげなので、ある意味幸運だったと思う。


運命の人と出会う時って、なぜか突然訪れるんだよ。それも最初はありえないって思っていても、その人が人生を変えてくれるキーパーソンだったりもする。


楽しかったなぁ。あの頃は。




















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