〜47日目〜
「リン、見てまふゆがいるよ」
一人でぼーっとしているまふゆ。暇そうだ。
「そうだね」
「からかいに行こうよ」
「待って」
リンがそう言って、左を指した。よく見ると、まふゆから離れたところにメイコがいる。そして、肩を叩かれて、また違うところを指差される。そこにはまふゆに歩いていくルカの姿が。
「大集合ね」
「……リン、絵名」
「わっ、びっくりした……」
「ミクも来たんだ」
「うん。まふゆに会いに来た。みんないるね」
少し笑顔のミク。
ということで、今現在私の周りにはリンとミクがいて、離れたところにメイコ、そしてまふゆに近づいているルカがいるわけだ。
「なんか、偶然みんな揃うと嬉しいわね」
「「……」」
その言葉にリンとミクは顔を見合わせる。偶然じゃないの……?
そうこうしてると、ルカがまふゆに話しかけに行った。しかしまふゆはルカが座ったら距離を置いた。苦手なタイプなんだろうか。何を話してるのかわからないが、首を傾げたり、口を閉ざしていたり、少し嫌な顔をするまふゆ。
「ルカのこと苦手なのね。まあ、ちょっとわかるけど」
「私もルカは苦手。意地悪してくるし」
「あ、ルカ、戻ってくるね。こっちに」
「ほんとだ、こっちに。こっちに……?」
ちょっと嫌な顔をするリン。そういう顔しちゃ駄目だからね。
「あら、絵名じゃない」
「あらって、一直線にこっち来たくせに。まふゆと何話してたの?」
「うーん、ちょっとね。会いに行ってあげたら?」
「あ、でもメイコが行ったみたいだよ」
少し目を話していると、メイコまふゆの隣に座って、話しかけた。ルカの時は離れたまふゆだが、今度は離れずに普通に話してる。
でもそれも一瞬で、何かを話した後すぐにこちらに歩いてくる。そう、こちらに。
「あら、みんな揃ってどうしたの?」
「なんで二人共こっちに来るのよ。私達のこと気づいてたの……」
「まふゆ、暇してたわよ。ってもう暇じゃなさそうだけど」
メイコが戻ってくるタイミングでリンとミクが走ってまふゆの方に向かっていた。まふゆを挟むように座る二人。流石のまふゆもこれには驚きなんだろう。目をパチパチさせていた。
「で、結局二人共何話してたの?」
「私はルカが何を話してたのかを聞いただけよ」
「あ、でももう戻ってきたわよ」
二人してこちらに駆け寄って来る。まふゆに居場所バレてそうなんだけど。
「ええ、リンとミクはもう戻ってきたの?」
「まふゆと話してきた。絵名も行けば?」
「絵名のこと気が付いてたよ。話しかけてあげて?」
「そりゃみんなここに戻ってくるし。隠れる気もなかったし……」
言い訳をしていると、四人の視線が痛く感じたので、仕方なく私もまふゆの元に行く。こちらをじっと見るまふゆ。
「……漸く来た。絵名、なんで四人を送り込んだの?」
「勝手に突入してったのよ。みんなに何聞かれてたのよ」
「最近の様子?」
「ふーん」
私はまふゆの隣に座る。すると隙間を埋めるようにまふゆはこちらに寄った。
「最近は大丈夫なの?」
「うん。特に何にもないかな」
「そっか」
じゃあ私もみんなに習って向こうに行こうかな、そう思った時だった。
まふゆに手を触られ、そのまま綺麗に繋がれた。
「……」
「そういえば、みんな同じこと聞いてきたけど、暇なの?」
「あー、なるほど?」
「何が?」
さっきまで私がいたところに目を向けると、四人が視線を逸らした。そしてそのまま思い思いの方向に歩き出す。
「あんた、私にだけ態度違うのよ」
「そうなんだ」
「はは……」
取り敢えず、瑞希にリンがお洒落したがってたって、言ってやろ。