「きんとき……その…あの…さ……。」
快晴の空のような瞳の彼は言葉に詰まりながら言った。言いづらそうに。ただその言い方は、余計俺を苦しめるだけだった。彼に、俺が護らなければいけない彼に、苦しい表情をさせてしまった。
その自責の念を隠すように言葉を発する。
「…どうされましたか?Nakamu王子。」
彼は顔を曇らせる。ただ俺はその顔を晴れさせてあげる事は…俺には出来なかった。
「っ……きんとき………。」
やめてくれ。そんな悲しそうな声をしないでくれ。仕方無いんだ。ただ、ここに俺が入れるだけで“奇跡”なんだ。だから、だから…
「…俺は…Nakamu王子の護衛です。Nakamu王子。失礼ですが…態度を、改め下さい。」
あぁ…川を連想させるような瞳の彼に…言ってしまった……。ただもう昔のように戻る事は出来ないのだ。
「…そうだね。ごめん、きんときは流石だね。ちゃんと気持ち入れ直さなきゃ。」
これほど顔に感情が現れにくいタイプで良かったと思ったことは…いや出たほうが……。これからこの生活なのだからこんなことを考えてはいけない。
主様の瞳は氷のように透き通っていた。
コメント
7件
主従の関係....届きそうで届かないってもどかしいですね(歓喜)←!?
なるほど〜主従関係になってしまったわけですね😭 2人を隔てる壁が、、( ;ᯅ; ) 私がぶち壊しまース((やめてください