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「手遅れになる前に切除できてよかったと思う事にしたのよ」



ブラックは泣きながら言った



「もちろんよ!早めに発見できてよかったのよ!」



私もビールをぐいっと飲みながら言った、先ほどから彼があんまり泣くものだから、私はずっと彼の背中を優しく撫でていた



「ただの精上皮腫かもしれない、精上皮腫なら、生存率はほぼ100%だし、再発率もかなり低いでしょ 」



ブラックがオイオイ泣きながらビールを仰ぐ



彼が泣くのは半年前睾丸を切除したせいだった、その後ホルモン治療を受けて、彼に大きな盛り上がった乳房が出来た


ホルモンの中のテストステロンを増やし過ぎると、体はホルモンバランスを保とうとするらしい


彼は数か月前に精巣ガンの手術を受けて、そのショックから今だに立ち直れないらしい



「コイツ玉が片方だけになってから、酒を飲むと泣くんだ」



「それでも防衛戦で勝ったんだろ、よかったじゃないか 」



「ホルモン療法はダメだな、ビッチのおっぱいが出現する」



周りの格闘家の仲間もブラックを見ながらケラケラ笑っていた


柚彦君の試合の打ち上げに集まった居酒屋は、2階の一面フロアを貸し切りにして


関係者他、図体の大きな格闘家が一斉に集まり、みんな陽気に今日の試合の感想を言いながら、楽しく食べて飲んでいた



私のテーブルだけを除けば



さらにブラックがヘラ鹿のような巨体を揺らして泣く



「アタシは薬漬けだった、ボディービルダーだった頃、若くて無知だったアタシは筋肉強壮剤を打ちまくったわ、プロテインなんて一日3リットルお茶がわりに飲んでいたものよ、エクササイズ商品のCMのキャラクターも務めたことがるのよ、テレビで見たことない?あらやだ知らないの?今では珍しくもないけど胸の筋肉を鍛えるマシーンを最初に企画したのはあたしよ」



彼は初対面とは思えないほど、あけっぴろげにガンという病気になった経緯を泣きながら訴えた



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