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「俺は生まれた時からずっと縛られていた」
「俺は全て楽しければなんでもよかった」
「俺は金さえあればなんでもいい」
「アタイはぺん子と一緒ならなんでもいい」
「俺はみんなで仲良く過ごしていたいと思う」
「俺は兄貴さえいれば正直なんでもいい」
「俺は自由に生きてきた」
「独り言続けて早12年か……」
「ぽまえらと」
「これからもずっと一緒だからな」
彼らの運命はどこで別れてしまったのだろうか
俺は猿山らだ男
年齢はいわないが20代後半とでも思っていてくれ
俺は両親に生まれた時から教育という名の枷をつけられ生きてきた
将来の夢は警察官、人の役に立ちたいそう思っていた
だけど俺は両親から権力者になれと言われ続けて来た
政治家になれ。
支配者になれ。
当時の幼かった俺はただ聞き流していた
その日々は俺にとって苦痛でしかなかった
テストは一点でも落としたらご飯をもらえず叩かれる、罵声を浴びせられる、死に際を彷徨っても蔑まれる
俺は生きることを諦めかけていた
だけどそんな俺にも唯一の光があった
天乃絵斗
あだ名はぺいんと
俺の親友だったやつだ
ぺいんとは無口な俺とは正反対で明るく活発で誰とでもすぐに打ち解けるような…太陽のような存在だった
小学校時代クラスで浮いていた俺にも関わってくれた
いいやつだった
人の変化にはすぐ気がつくし何かあった時頼りになる
本当に
いいやつだった…
お前は俺のヒーローだよ
あの事件が起きるまでは
その時小学生だった俺たちはぺいんとが聞いたという七不思議について話しながら下校していたんだ
絵斗 ねぇお前ってこの学校の七不思議知ってる?
らだ男 七不思議?
絵斗 そう
絵斗 この学校って神社あるじゃん?
絵斗 その神社……なんでも願いを叶えてくれるんだってさ
らだ男 へえ…
絵斗 おい!なんか興味なさそうだな!
らだ男 いや普通考えてもありえないじゃん
絵斗 それはそうだけどさぁ…
絵斗 でも…もし……本当だったら…?
俺だってこの七不思議について最初は信じてなかった
でもこのあと信じざるおえない状況になってしまった
らだ男 はぁ… もうぺいんとさそういう時は最初から行きたいって言いなよ
絵斗 え…それって………もしかそれOKってこと!?
らだ男 まぁいいよ
らだ男 面白そうだし
絵斗 よっしゃ!じゃあ今日の夜学校の正門前集合な
そう言って走るぺいんとの姿を俺はしばらくの間眺めていた気がする
そしてその日の夜俺たち2人はこっそり学校に侵入した
雑談しながら一階を歩いている時だった
絵斗 ねぇ屋上行こうよ!
唐突にぺいんとがそう言い始めた
らだ男 えぇー?
絵斗 いやなの…?
らだ男 だって神社ここにもあるじゃん
絵斗 じゃあらっだぁはそこの神社で俺は屋上の神社行ってるからね
らだ男 そんな屋上行きたいの?
絵斗 うんなんか楽しそうじゃん…?
らだ男 はぁ…まぁなら行ってきたらいいんじゃね?
そう俺が答えるとぺいんとは笑顔になり廊下を走った米粒サイズになったところでぺいんとが叫んだ
絵斗 俺なんかあったら叫ぶからその時は駆けつけてくれよー!
らだ男 はいよー
数分…数十分……数時間だっただろうか
ぺいんとの叫び声が聞こえた
俺は走った
呼吸の仕方も忘れて
ひたすら走った
ぺいんとの元へ
屋上前の廊下でぺいんとは倒れていた
黄色くて明るい彼は赤く染まって動かなかった
らだ男 ぺ…いん…と………?
俺は考えたくもない事が何回も頭をよぎった
ぺいんとを持ち上げ揺さぶる
声が枯れるまで彼の名前を呼んだ
? おや
背後から声が聞こえて俺は振り返った
そこには血まみれになった執事のような服を着た男性、その手には赤く鈍く光る刀が握られていた
らだ男 ぺいんとがっ…ぺいんとがっ!!助けてくださいっ!!!
俺は藁にも縋る思いで声をかけた
? その人はもう死んでいますよ
? 医者に連れて行ってももう遅いです
らだ男 お願いだ!なんでもする!!!
らだ男 だからっぺいんとだけはっ………!
らだ男 救ってください……俺はどうなってもいい………だからっ
? ……
? そうですか
? ならば一つだけ助かる方法があります
? この学校の屋上に神社があるでしょう?
? その神社で祈りなさい
? そうすれば願いは叶いますよ
その時の俺は涙で顔がぐちゃぐちゃになりながらも嗚咽しながらも走ってすぐさま屋上の神社に行った
俺は祈った
「ぺいんとをどうか______」
「どうか救ってください」
気がつくと俺はぺいんとと共に屋上の神社で寝てしまっていたようだった
今思うと不可解なことばかりだったと思う
ぺいんとは俺の肩に寄りかかりながら小さな寝息を立てていた
彼の首には斬られたような傷跡が鮮明に残っていた
俺はそのあとぺいんとを起こした
そしていつの間にか手に握っていた黄色のスカーフを彼の首に巻いた
絵斗 無茶言ったの俺なのに寝ちゃうなんてごめんならっだぁ
らだ男 いいよ別に
らだ男 まぁぺいんとが生きててよかった
この事件以来俺は変な幻聴が聞こえるようになった
最初は数ヶ月に一度だった
だがだんだんと期間は早まっていき今ではほぼ毎日聴こえている
その幻聴はノイズがかかった男性の声ですこし年老いている気がした
声は聞き取れるに何を言っているかはさっぱりわからなかった
言語がわからなかった訳じゃないんだろうけど俺にはわからなかった
ぺいんとも俺と同じであの事件以来ずっとスカーフを身につけるようになった
本人は首の傷に気がついていないようだ
正確には見えていないらしい
その後俺たちは運命が別れた
ぺいんとは警察官になり俺は教師になった
今でも羨ましいよ
俺だってぺいんとと一緒になりたかったなぁ
でも俺はもう戻れないから
せめてもの償いだ
俺は死んだとしてもぺいんとの幸せを祈り続けるよ
そしてごめんな
お前にそんな呪いをかけてしまって
こんな俺を許して欲しい
俺はラッダァ
見ての通り教師だ
授業を受け持つことは滅多に無いが俺はアスレチックバトラといういわば部活のようなものの顧問を務めている
このバトラで俺は学んだ事がある
人生は楽しんだもん勝ちだ
何があっても最後に笑ってたやつが勝ち
だから俺はこの人生という長い時間を全て楽しみ尽くしたいとそう思うようになっていた
限りある時間の中で何を残すかじゃなくどう生きるか
それが大切なことなのだろうとそう信じている
今日も生徒たちと楽しむ
永遠とも思える限りある時間の中で
俺はね
楽しければなんでもいいんだよ
未来に何をするかじゃなくて今を楽しみたいんだ
この一瞬一瞬が誰かの記憶に残るよりも俺は後悔しない生き方をしたい
それは
君らにも
そうであって欲しいと
俺はそう思ってるよ
後悔して泣くより「やりきった!」って笑った方が目覚めがいいからね
死ぬのは誰だって怖いさ
でも結局誰だって死んでいくんだよ
なら
楽しんだ方が
いいんじゃないかな
俺は楽山大吾
こだわりは特に無い
好きなものは金
嫌いなものは……うーん?なんだろ?
趣味は金稼ぎ
金のためならなんだってするさ
なんでこんなに金への執着が強いかって?
俺だって知らないよ
気がついた時にはこうなってたんだから
話は変わるけど人生ってさ
大きく分けると3つしか生き方がないと思うんだ
1つ目は
悔いなく生きる事
辛かろうがなんだろうがやりきったっていう達成感と後悔がなく楽しかった人生だったなって思える生き方
2つ目は
さだめられた生き方
縛られて、辛くて、希望が見えない
それでも必死に足掻いていた
そんな中の唯一の光さえ絶望の底に叩きつけられる
否定された、確約された運命
そしてついには生きることを諦める
そういう魂が怨霊とか呪いとかになるんだろね
3つ目は
自由な生き方
2つ目とは正反対になににも囚われず好きなように生きる
生きがいを見つけるって言った方がいいのかな?
だれもが望む生き方だと思うね
ちなみに俺は3つ目ね
なんでかって?
だって俺は自由だから
金さえあればなんでもいい
金のために死ねるなら
本望だね
やっほーみんな
アタイはらだ美
この前ズッ友のぺん子と一緒に廃墟行ってきたばっかなんだよね
あっこれ近況報告ね?
でさぁ〜
これも最近の話なんだけどね
なんかぁ夢に変な人たちが出てくんのよ
みんなそれぞれの苦労話をしてたり一緒にゲームして遊んだり
よくわかんない夢なんだけどね
どっかで見たことある気がすんのよ
よく覚えてないけど
今記憶に残ってんのは
青色のニット帽、赤いマフラー……
アタイと同じような服装だった気がするのよね
まぁもしかしたらそこまで考えるようなことじゃないかもなんだけどね
ちょっと気になったから報告しちゃった
アタイはね
ぺん子が居れば他には何もいらないの
高望みはしない
俺は青井らだお
ロスサントスの警察だ
ランクは5
上官と呼ばれる立場の人間だ
まぁそんなことはさておき俺は今日もロスサントスで検挙していたはずだったんだ
なぜそんな風に言うかって?
起きて今日も出勤するかと自分に喝を入れ起き上がった瞬間だったんだよ
真っ白い空間に俺はいた
いつものベッド(植木鉢)じゃなくて固い床で寝ていた
おかげで体全身バキバキだ
一体誰がこんなこととしたんだろうと思考を巡らせた
結局答えは出なかったけど
考えてもしょうがないと思った俺はとりあえず脱出できないか模索した
全部失敗だった
そのときに懐かしい声が聞こえたんだ
気がつくと白い空間に俺は寝ていた
体を起こし目を泳がすと視界の端で兄貴が何かしているのが見えた
俺はまだ眠っている頭を叩き起こし
兄貴に声をかけた
ラディ 何やってんだよクソ兄貴
兄貴は俺の方を見た
次の瞬間突然抱きついてきた
らだお ラディっ〜〜!!
俺は避けようとしたが避けきれず……
ラディ なんだよ急に!?
らだお ラディがいてよかったぁ
ラディ は…はぁ…?
その後兄貴から事情を聞いた
どうやら俺たちはこの謎の空間に迷い込んだらしい
ラディ はぁ…なんでこんな面倒ごとに毎回巻き込まれるんだよ……
らだお それは俺も同感
……
ラディ つーか!
ラディ そろそろ離れろ!!
俺は兄貴を無理やり剥がし出口があるのかわからないが歩き始めた
後ろから兄貴が「待って〜」っと言いながら追いかけてくる
俺は兄貴をクソ兄貴と呼んでいるが別に嫌ってはない
ただ兄貴がブラコンすぎて困っているだけだ
全くいつになったらこいつは後輩の前で見せるような
かっこいいらだおを俺に見せてくれるんだか
ラディに置いていかれそうになったラディの横まで走っていき隣を歩いた
ラディと俺が話すことはなかったが
昔からなんだかんだ言って俺を信じて俺を心配してくれるラディは優しかった
そのせいか俺も安心して何かあった時は背中を預けられる
ラディは俺にとって唯一無二の存在なんだろう
俺はロスサントスでいろんな関わりを持ち成長した
でもやっぱりまだ未熟なとこもある
だから俺はこれからも
もっと成長したい
観測者達には俺の成長を最期まで見届けて欲しい
はいどうもみなさんこんにちは
らっ………だぁ……………ですっ⭐︎ピコンッ
俺は今日も今日とてマイクラ青鬼ごっこ配信をしていた
配信中だった急にpcの画面にノイズが走ったと思ったら画面が暗くなって俺の視界が暗転した
目が覚めると真っ白い空間に倒れていた
俺は体を起こし立ちあがろうとする
ん…?
自分の服を見て俺は驚いた
青色のニット帽にカーディガン、赤いマフラー……完全にマイクラのスキンの服装をしていた
なんかの夢かな?
なんて思いながら歩きだした
途中何故か姿見が置いてあったので俺は自分の体を確認した
髪と瞳が青く、青色のニット帽とカーディガン、赤色のマフラーを身につけた童顔のイケメン男性
やっぱ俺はイケメンなんだな
なんて自惚れをしていたら「おーい」と声が聞こえてきた
周囲を見渡すが誰もいない
一体どこから聞こえているんだ?
その時俺の視界が瞬転した
体を揺さぶられ俺は目を開けた
ぼやけた視界の中見えたのはラッダァの姿だった
俺は驚いた
ラッダァ おっ目が覚めたか
らっだぁ な…んで…?
ラッダァ ん?
体を起こし自分の頬をつねる
うん痛い
夢ではなさそうだ
猿山 らっだぁ…だっけ?
背後から声をかけられる振り返るとそこには猿山が俺を見て立っていた
らっだぁ 猿山っ!?
ラッダァ あぁ知り合い?
猿山 いや?
おいおいおいおい?
どうなってんだよ
どうして魔主役のラッダァと呪鬼の猿山がいんの!?
? 2人ともその人起きたー?
遠くから聞こえてきた声にラッダァと猿山は反応して答える
ラッダァ 起きたー
猿山 早くこっちにこいお前ら
? はーい
俺は立ち上がりこっちに向かってきている人影を確認した
3人……いや4人いる
セーラー服の少女と警察官、警備員に闇医者……
らだ美、青井らだお、楽山大吾、青井ラディ
全部俺の派生だ
猿山 よし全員集まったな
らだ美 わー!ちょーイケメンじゃんー
棒読みすぎないか?
猿山 じゃあらっだぁ
ラッダァ なに?
猿山 あぁ…そっちじゃない
猿山 これじゃあ言い方が混ざるのか
猿山 えーっとじゃあオリジナルって呼ぶぞ
らっだぁ …
猿山 おい?
ラッダァ おーい!
らだお あれ…?
ラッダァ おーーい!!
俺は目の前で起こったことの状況が理解しきれず頭がパンクしていた
猿山 生きてるか?
一回深呼吸をして俺は息を吐き出した
らっだぁ あのさ…
ラッダァ ?
らっだぁ なんでお前らがここにいんの!?
ラディ それはこっちが聞きたい
猿山 それをこれから考えるんだろうが
そうなんだ?
猿山 まず俺たちがここに来た時の事を互いに話し合って状況確認するぞ
猿山 俺はーーーーーー
ラッダァ ーーー?ー
猿山 ーーーーーー
らだ美 ーーー?ーーー!ー
らだお ーーーーーー!!
ラディ ーー
らだお ーーーー?ーー
楽山 ー?ーーーーー
楽山 ーーー!ーーーー?ーー
らだ美 ーーー?
楽山 ーー!ーーーーーーー
猿山 ーーーー
話が長いので要約すると
まず初めにこの空間に来たのは青井らだおらしい
それでここを彷徨っていたらラディに会ったとか
その後2人は結構歩いた
それで1人でいる楽山を発見
3人で状況を話していると空かららだ美が降ってきた
らだ美とも状況を確認し終えた4人は再び歩き始めラッダァを発見
またもや状況を確認しているとどこからか猿山が歩いてきたらしい
それで6人合流
猿山は5人に俺の存在を伝えてもしかしたら俺がどこかにいるかもしれないと言い
ラッダァ、猿山
らだ美、楽山
らだお、ラディ
この三手に分かれて俺の捜索を始めた
そして俺が倒れているのをラッダァと猿山で発見し合流してこちらに向かって来ていた4人と合流し合計7名となった今現状を伝え合っているわけらしい
猿山 つまり俺たちはこのオリジナルの派生した人格
楽山 だとしたら俺たちがここで出会ったのも今話せているのもおかしくない?
猿山 そうだ
猿山 つまりここは少なくとも現実じゃない
らだ美 じゃあアタイ達はここに迷い込んだ…じゃなくて迷い込まさせたの方があってそうだね
猿山 あぁそうなんだろうけど……どうして俺たちを集めたのか
猿山 理由がわからない
らだお なにかしたかったことがある?
らだお それともさせたかった…?
らっだぁ 何を?
らだお さぁ?
ラディ …
ラディ じゃあ1つ仮説を立てるぞ
ラディ ここに俺たちを集めて何かをさせたかったとしよう
ラディ させたかったことはなんだ?
らだ美 んー……?
猿山 …
その時だった
頭に鋭く突き刺さるような痛みを感じる俺は悶えた
らっだぁ っ…
らだ美 ?
らだお 大丈夫?
俺はだんだんと呼吸が乱れていく
楽山 ちょっとこれやばくない…?
ラディ おい!
俺は顔を歪めながらも上げる
猿山も俺と同じく頭を押さえて苦しんでいた
何秒経っただろうか
猿山が笑った
猿山 はは…
全員が猿山を見る
猿山 そう言うことかよ
どこか吹っ切れたような雰囲気を漂わせる彼に俺は悪寒を抱く
ラッダァ 猿山…?
猿山は無言で鎌を構えた
楽山 おいっお前何してんだ!?
俺は頭を押さえながら言った
らっだぁ 猿山…
らっだぁ やめよう…?
猿山 お前はわかったんだろ
猿山 なら受け入れてくれよ
らっだぁ そんなことっ…できる……訳ないだろ
俺がそう言うと「そうか」と猿山は答えて襲ってきた
俺は気がついてしまった
なぜ俺たちがここに集められたのかを
俺はあいつらのような仲間がいなかった
いつも独り……
孤独だった
いつからだっただろうか
大きな桜の木の下に俺は寄りかかり座っていて猿の偶像を抱えている
風が吹き桜の花びらが舞う
俺の髪は揺れず桜の花弁だけが舞い落ちていく
空は青く澄み渡っていて俺の足が沈む程度の浅い水が地面に膜を張っている
体を動かそうとしたが動かせなかった
俺は天を仰いだ
すると別の世界の俺が幻覚のようにだけどはっきりと見えた
一つ
青井らだお
警察官になった俺
後輩に頼られ尊敬される
ギャング、市民、半グレ…誰にでも等しく対応し好かれている
「羨ましいな
その人生……」
二つ
青井ラディ
闇医者になり誰彼問わず助ける医者
兄の事をずいぶん慕っているようだった
そう兄とは警察の俺らしい
「いいよな頼れる奴がいるのは」
三つ
楽山大吾
警備員の俺
警察にはなれなかったようだが夢を諦めきれず頑張った結果らしい
だが金にはうるさい
金さえもらえればなんでもするようだ
それでいいのか…?
「俺とは違うな
夢を諦めなかったなんて俺には考えられないな」
四つ
らだ美
JKの俺…?
女…?なのか?
まぁいい
隣にぺいんとがいた
この世界でも俺とぺいんとは仲が良いようだ
叫んで走って昔の俺たちのようだった
「懐かしいな
あの頃に戻りたい…」
五つ
ラッダァ
教師の俺だった
教師といっても悪魔だ
あぁ比喩じゃないぞ
本当に悪魔だ
頭からツノ生えてるし尻尾もある
人間じゃないな
でも面白おかしく楽しんでる
「いいよなぁそういうの」
七つ
らっだぁ
配信者の俺だった
リスナー達や運営と呼ばれる仲間と共に遊んでいる
時に笑い合い時に喧嘩し時には嘲笑う
今まで見てきた中で一番面白そうだ
楽しそうだ
羨ましいな
俺だったらよかったのに
俺の人生はもう……疲れたよ………
「そんな仲間が……
俺にも欲しかったっ…」
いつから俺は間違ったのだろうか
世界の輪郭がぼやけて崩れていく
俺はこのまま消えるのだろうか
それともこのまま誰の記憶にも残らず忘れられていくのだろうか
孤独と恐怖に呑まれた俺の頬に温かいものが伝った
ふと懐かしい声が聞こえた気がした
声を主を探すべくぼやける視界を世界に向けた
「らっだぁ!」
名前を呼ばれて視界がはっきりと鮮明になっていく
いつから立っていたのだろうか
ぺいんとが俺の前に立って笑っていた
猿山 なんで…お前がここにいるんだよ
俺の声は今震えているだろうか
絵斗 お前の事を置いていけるわけないだろ?
そう言っていつも通り俺に笑いかけてくる
やっぱりお前は
俺のヒーローだ
絵斗 ほらこっち来いって
俺にやさしくぺいんとが手を差し伸べる
俺はまだなんとか動く上半身を最大限使いぺいんとの手を取った
その瞬間辺りが光に包まれ俺は立っていた
ぺいんとの姿はなくただただ真っ白い空間に俺は立っていた
体は軽くなっていて久々に自由に動く事ができた
俺は自由になった体でぺいんとを探した
歩いて
歩いて
歩いた
すると数人の人影が見え始め俺はそこへ向かって歩いた
5人の男性が立っていた
幻覚で見た別の世界の俺たちがそこには集まっていた
待て1人いない
そうだ“らっだぁ”がいない
俺を見た瞬間彼らは状況を俺に伝えてくれた
俺はもう1人いるかもしれないと伝え捜索を始めた
らっだぁはすぐに見つかった
そして彼を見た瞬間俺の中にあった黒いドロドロした感情がどろりどろりと少しずつ溢れていった
最終的に俺は自分の気持ちを理解した
俺はあいつのようになりたかった
「ならば入れ替わって仕舞えばいいじゃないか」
どうせ俺に変わりはないんだ
だた人生が違っただけ
本質は変わらない
なら入れ替わってもよくないか?
俺の中にあったものが全て爆発し俺は暴走した
酷い頭痛の最中俺は猿山の記憶を見てしまった
オリジナルとしての宿命か
それとも運命かわからないが
俺には猿山の心がよくわかった
なぜなら俺だって猿山のように辛い時期が幾度となくあったからだ
猿山を演じていて思った事がいくつもあった
だがその時の俺には到底理解できなかった
それが今やっと理解する事ができた
猿山は封印されてからずっと心残りがあり成仏しきれていなかった
そしてその桜の木の空間……俺たちの世界を垣間見て自分と比較し悔やんで過去を呪って苦しんだ
辛かったよな
俺にだってわかる
俺もお前だから
俺は泣いていた
猿山は無慈悲にも俺に鎌を振りかざす
俺は避ける
そして猿山の胸ぐらを掴み怒鳴りつけるように感情をぶつけた
らっだぁ お前はよくやったよ
らっだぁ 俺だってお前のことはわかる
らっだぁ 俺もお前だからっ…
らっだぁ 苦しかったよな
らっだぁ 辛かったよなっ
らっだぁ もういいんだよ
らっだぁ それ以上自分を責めるな猿山!
猿山 ……
今の俺にできることはこれくらいしかなかった
周りでラッダァ、楽山、らだお、ラディ、らだ美が俺たちを心配そうに見つめている
らっだぁ もう……疲れたよな
俺は怒鳴りながらも泣いていた
らっだぁ もういい…お前はよく頑張ったよっ
らっだぁ だからやめよう…
らっだぁ お前がそんなに…傷つくのをもう………
らっだぁ 俺は見たくない……
らっだぁ お前が恨むなら俺を恨め
らっだぁ お前を生み出したのは俺だから
猿山は震えていた
次の瞬間だった
俺は真っ赤に染まった
体の力が抜け倒れる
猿山は泣いていた
猿山 俺はお前らが羨ましかった
猿山 幸せで
猿山 楽しんで
猿山 悔いなく生きているお前らが
猿山 俺だって昔はその輝きがあった
猿山 でももう戻ってこない
猿山 だから俺は決めたんだよ
猿山 オリジナル…お前になってしまえば俺は全てを手に入れられる
猿山 恨むならお前を恨めだって?
猿山 ならお前を殺してやるよっ!!
そう言って俺に鎌を振り下ろす
楽山とラッダァがそれを阻止した
らだ美とラディ、らだおは俺の怪我を見てラディが治してくれている
ラディ クソっ…あいつ急にどうしたんだよ………
らっだぁ 孤独な俺…自身
らっだぁ 一生報われる事がなく死んだ怨霊…
らっだぁ 俺の心残り
らだお じゃあアイツはもうこの世にはいないって事なのか…?
らっだぁ ……
らっだぁ うん…
らだ美 じゃあ成仏させてあげないといけない…ね……
らっだぁ それは俺の使命だよ
ラディ 使命って……馬鹿かお前はそんな体でどうやってアイツを止めるんだよっ!
らっだぁ 大丈夫だよw
俺はラディの治療を無視してtpした
戦っているラッダァと楽山の前に出た俺は猿山に言った
らっだぁ 俺を殺したいなら殺せ
らっだぁ お前にはそれをする権利がある
俺はそう言った
猿山は俺の首目掛けて鎌を振るった
だがその刃が俺の首を切り落とすことはなかった
猿山 っ…
俺は猿山に近づく
らっだぁ 猿山お前はもう頑張らなくていい
らっだぁ ほらぺいんとが呼んでるよ
俺は猿山の背後に立っている俺と猿山にしか見えていないぺいんとを指差した
猿山は振り返り声を漏らした
猿山 ぺいんと……
らっだぁ いってらっしゃい
次に瞼を開いた時には既に猿山はいなかった
ラディ 消えた…?
楽山 ふぅっっ…これで一旦落ち着いたね
らだお はぁぁ…一時はどうなるかと思ったけど別にそんな事なかったか
らだ美 終わったぁぁ
ラッダァ お疲れ様オリジナル
俺はそう言われて肩に手を添えられる
らっだぁ ふぅ…なんとかなったぁ……
ラディ あれは成仏できって事でいいんだよな?
らっだぁ んーっと正確にはまだ生きてるけどね
ラッダァ それは大丈夫なやつ?
らっだぁ うん大丈夫
らっだぁ きっとこれからも物語は続くはずだから
そこから俺たちは気が抜けその場にそれぞれ座り雑談タイムとなった
ピコンッ
ピコンッピコンッ
機械音で俺は目覚めていく
? __________
リスナー 大丈夫ー?
らっだぁ あーごめんごめんっ
らっだぁ ちょっとぼーっとしてたわw
らっだぁ って青鬼来てんじゃんっ!?やべぇぇぇ!!!!!
リスナー 鼓膜破壊神w
リスナー うっさ
リスナー 耳があぁぁ……
こうして夜が更けていく
今日は長い1日だった気がする
何をしてたのかって聞かれてもいつも通りの配信してただけとしかこ答えられないけどね
なんでって?
よく覚えていないから
でも一瞬だけはっきりと聞こえた声があった
?の声……
きっとあれは猿山だろう
「お前のおかげで救われたよ」
意味がわからなかったがその時俺は笑っていた気がする
六つ
狂ってしまった教師
猿山は呪われてしまった
大切な友も失い、居場所も失い
挙げ句の果てには怪物になった哀れな俺自身
「おやすみ猿山」
ここからは別エンド分岐
バッドエンド(?)人によってはハッピーかも
なので見たい人のみお進みください。
酷い頭痛の最中俺は猿山の記憶を見てしまった
オリジナルとしての宿命か
それとも運命かわからないが
俺には猿山の心がよくわかった
なぜなら俺だって猿山のように辛い時期が幾度となくあったからだ
猿山を演じていて思った事がいくつもあった
だがその時の俺には到底理解できなかった
それが今やっと理解する事ができた
猿山は封印されてからずっと心残りがあり成仏しきれていなかった
そしてその桜の木の空間……俺たちの世界を垣間見て自分と比較し悔やんで過去を呪って苦しんだ
辛かったよな
俺にだってわかる
俺もお前だから
俺は泣いていた
猿山は無慈悲にも俺に鎌を振りかざす
俺は避ける事ができなかった
俺の腹部に鎌は深く刺さり
俺は血反吐を吐いた
猿山 なぁ
猿山 わかってくれたんなら
猿山 俺を救ってくれよ
猿山 もうこんな人生は嫌なんだ
猿山 お前は全て持ってる
猿山 俺にないものの…全てを
俺の体内で鎌が荒れ狂う
俺は気がついた時には倒れていたらしい
地面に伏せて指先一つでさえ動かせない
らだ美 らっだぁ!
俺の名前を呼んで走ってくる彼ら
俺は猿山に胸ぐらを掴まれ持ち上げられた
脱力し切った俺の腕はブラブラと空を切るだけで動かせない
喋ろうにも腹が痛くて声すら出せない
猿山は俺の首に手を添えた
だんだんと視界が悪くなってきて意識が遠のく
走馬灯のように運営、リスナー、コラボした数々の友人たちが現れては消えていく
金豚きょー らっだぁお前なにしとんねんっww
レウクラウド らっだぁ助けっ________いたばぁぁぁぁぁ!!!
緑色 ラダオ絶対コロス
コンタミ ちょっらっだぁwww
なんで緑だけ俺を殺そうとしてんだよ…w
あぁ俺は死ぬのかな
まだ死にたくない
俺にだってやることが……
ある…の……に…………
俺の視界はブラックアウトした
ゴキッ
猿山は物言わぬ肉塊となった何かを見つめていた
果たして彼は
彼なのだろうか…?
俺は肉塊から衣類一式を交換した
肉塊は存在していなかったかのように砂となり風にさらわれた
らだ美 ちょっアンタ急に走ってってびっくりしたんだけどー
らだ美 なんかあった?
? いや?何もなかったよ
らだ美 ふぅーん?
らだ美 じゃあはやくここから抜け出すよ?
らだ美 出口見つかったっぽいから
? うん
彼らはそれぞれの世界へ旅立った
彼も例外ではない
ピコンッ
ピコンッピコンッ
機械音で俺は目覚めていく
? __________
リスナー 大丈夫ー?
? あー悪い悪いw
? ちょっとぼーっとしてたww
? って青鬼来てんるし!?やば
リスナー 冷静すぎワロタ
リスナー 急に冷静なるやん…
リスナー 切り替えエグい
こうして夜が更けていく
今日は短かったな
これからが楽しみでしかたない
なんでかって?
さぁ
なんでだろうね?
もういないあいつの声が聞こえた気がした
きっとあれは俺だったものだろう
「お前は__________」
そんな言い方をしたって俺は戻らないさ
六つ
消えてしまった哀れな生贄
彼は消えてしまったその世界の誰の記憶にも残らずに
全てを失い、消え、滅んだ
その結果彼は消えても尚生き続ける呪いとなった
「じゃあな“らっだぁ“」