テラーノベル
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#2..星空
風が吹く
駅前の花壇の花が揺れる
今日はやたらと涼し気な日だ
いつものように電車を降り、10分かけて学校へ向かう
いつもなら無心なこの時間も、一刻も早く教室へ着きたいと思うようになった
君が待っているから
がらがらと教室の扉を開ける
この時間は私以外いない
一人静かな教室で、君と話す
まるで本当にこの場にいて、一緒に向かい合って話をしているかのようだ
【学校ついたよ】
〔お疲れ様!〕
この言葉だけでも嬉しかった
「さてと…」
荷物を整理して、屋上へ向かう
今日の空はなんだか曇り空
こういう日は気持ちが沈むものだ
帰りに自分にご褒美でも買っていくか
なんて思いつつ、寝そべる
一ノ瀬は学校に行ったらしい
先程から音沙汰ない
ここから、午後の17時くらいまで会話ができない
話せない時間が寂しいと思えてしまう程、親密な関係になっていたらしい
「…私もいつか秘密言わなきゃいけないな、」
親密になったからこそ、秘密にするには無理がある
いずれはばれてしまう
それで糾弾されるよりかは、自分で話したほうがいいと思っている
だが、それができないのだ
わかってはいる、ただこの関係が崩れてしまうのではないかと心配なだけだ
〈……り…わ〉
〈あ……わ〉
〈有川!!〉
はっと我に返る
どうやら寝ていたらしい
〈やっと起きた…〉
〈どれだけ体揺すっても起きなかったんだぜ?〉
〈死んじまったのかと思ったわ〉
そんなわけないだろと、心の中で突っ込む
「…どうして榎本がまたここに?」
〈いやお前を探しに来たんだろーが〉
ああそうかと、納得する
「どうせまた先生に雑用任されたんでしょ?」
「どんまい」
〈いや雑用じゃねーし!!〉
こいつは重度のお人好しだ
困っている人がいたら手を差し伸べてしまうタイプの
善意でやったことが敵意を向けることもあると知らないくせに
「さ、戻るよ」
〈わかってるっつーの!〉
強がりなこいつは、他のやつの前でもこんなんなんだろうか
普段の榎本を知らないから変な感じだ
[えー、では3限目の授業を終わります]
ありがとうございましたと、お辞儀をする
〈っあぁぁ、疲れたぁ〉
〘なんちゅう声出してんねん、榎本〙
あいつは榎本のいつめんと言ったところだろうか
いつも一緒にいるやつだ
「お腹すいた…」
隣の席のいつも一緒にいる友達と机を並べる
少し彩りの偏ったお弁当をいつものように頬張る
あっという間に時間は過ぎ、やっとの思いで駅へ着く
早いようで長い一日は、いつもここで終わる
たくさんの人が行き交う都市の中心駅
初めはさすが都会だと何度も思ったものだ
今では慣れてしまったが
少し背の低い銀の時計の下で待ち合わせをしている人達の間を通り抜け、自分の帰り路線へ
4番線の直通で帰れるものに乗る
とても便利で行きも帰りも乗り換えはなしだ
今日も座席の一番端へ座る
イヤホンを取り出し、曲を再生する
少し爆音で流れる音は周りの音を消し去り、一人だけの空間になったかのように感じさせてくれる
それが好きだ
目を瞑り、出発した電車の中で軽い眠りに落ちる
寝過ごしてしまっては意味がないので、一駅一駅着くごとに確認するのが習慣となっていた
それに数本の電車の時間帯や番線も覚えてしまった
これは高校に通っているから覚えた芸当だろう
《次は__》
ふと目が覚めたら、知らない駅名
いつの間にか本格的に寝てしまっていたらしい
終わったと頭を抱え、最寄り駅からさらに南に行った駅で降りる
「寝過ごして半田まで来たのか…」
心配すると思われる母へ連絡を入れる
時刻表を見れば、次の電車は30分後
今日に限り、生徒会があり遅くなってしまっていた
すでに18時を過ぎた時計の音がかちかちと鳴る
「はあぁぁ…、」
大きなため息は誰もいない薄暗い駅の中で響く
ピコンっと、スマホに着信
一ノ瀬からだ
先程、【終わった…】というメッセージを送ったからそれの返事だろう
〔え大丈夫?〕
〔どうしたの?〕
心配のメッセージにほっとしてしまう
【寝過ごして、真っ暗な駅にひとりぼっちです】
〔は!?やばくね〕
〔周りに人いないの〕
【いないね】
先程までは怖さもあったが、今ではすっかり怖さはなくなっていた
【おれは大丈夫だから、それより一ノ瀬】
【今外って見れそう?】
〔外?何かあるの?〕
【うん】
私は駅のホームから見える夜空を見上げる
もうすっかり真っ暗になってしまった
時刻は18:40分
【多分そっちでも見えるから】
【今日は星が綺麗だよ】
ここが田舎のおかげなのか、街灯もなく、月明かりだけが照らしてくれる
そのおかげで遠くの空に輝く星々が見える
〔えっ、本当だ綺麗!〕
恐らく窓から見てくれたんだろう
〔なんだか、同じ時間に同じ空を見上げてるのっていいね〕
【たしかに】
今この日本の何処かで君も同じ空を見上げているんだろう
いつか君の隣で見上げられる日が来ますようにと、心の中で密かに願った
〘〙
名前↪原田
性別↪男子
年齢↪高1
その他↪榎本のいつめん
次回➸#3
コメント
2件
なんか 最初の頃思い出す 、
#溺愛
桜咲かな
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18
#先生
なべたろう
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