テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
集合時間になっても集合場所に現れない一階の執事たちと茉白。
時間を忘れるような性格でないことは他の階の執事たちは良く分かっている。
「何かあったのかも知れないね…」
ルカスが深刻そうに眉を寄せた。
「この辺って裏通り結構危ないってルカス様言ってましたもんね〜…。人攫いとかもいるんでしょ〜?」
「まさか全員攫われた、なんて間抜けなことはない…と思うのですが、そうも言っていられなくなってきました」
ナックは手持ちの武器で襲撃に行っても大丈夫かどうか頭の中で計算を始める。
「ラト君、何か気になる音はしないかな?」
「ふむ……。そうですね……」
ラトが耳を澄ませて音を探っていると、茉白の悲鳴をとらえた。
「主様の悲鳴のような声が……、こっちです」
ラトが声のした方向に向かって駆け出すのを皆が追いかけた。
裏路地をクネクネと曲がり、塀をよじ登り、屋根を飛び越えた先に見えたのは一階の執事たちが3人ともボロ雑巾にされて転がっている姿だった。
「一体何が…!?」
「主様は?」
「主様がいないっす!」
「相手は束だったってことだな?」
気絶している3人を2階の執事たちが助け起こす。
「…ぅ…」
「ベリアンさん!」
「ベリアンさん!!主様は?」
「ぁ…皆さん…主様が、主様が攫われてっ…ぅ…」
意識を取り戻したベリアンから茉白が攫われたことを聞き出すと、ラトが捉えた茉白の悲鳴にも合点がいく。
「まずい、早く主様を助けないと…!」
ミヤジが焦ったようにラトを見る。
ラトはナイフを両手に装備して頷いた。
今回ばかりは油断ができない。喧嘩に強いはずのロノですらリンチされていたことを考えると相手は素人ではない可能性も高い。
腕っぷしに自信のないフルーレや武器的に不利であろうベレン、医療者として怪我をするわけにはいかないルカスの3人は一階の執事たちと共に待機することにした。
ラトを先頭にその他の執事たちが武器を持って襲撃に向かう。
「ここです」
辿り着いたボロ家の前に立てば、男たちが笑う声とぐちゃぐちゃという水音、か細い悲鳴が混ざり合っていた。
何があったかを悟った執事たちは般若のように怒りを顕にし、誰からともなくボロ家の扉を破壊した。
「なっ、なんだ!?」
「悪魔執事っ!まだいやがったのか!?」
茉白を囲んで楽しんでいた男たちは急な来客に驚き、服装を整える間もなくラトのナイフの錆となった。
「ひいっ」
「バケモノ!」
あっさりと数人が切り捨てられ、男たちは慌てて武器を取った。
しかし、ユーハンとハナマルに背中を取られて即座に胸と首を刺されて崩れ落ちた。
「うおおお!」
ヤケになって殴りかかろうとしてきた男にシロが足をかけて転ばせ、スパッと首を跳ねた。
誰一人逃さずに始末すると、縛られて色々な体液に塗れた茉白の縄を切った。
「汚らわしいっ」
シロは男たちの精液が溢れてくる前後の穴を見て更に怒りを燃やしたらしい。
死体蹴りならぬ死体刺しを始めた。
ユーハンは茉白の手を取ろうとして悲鳴を上げた。
全ての爪が剥がされた上、殆どの指があらぬ方向に曲がっていたのだ。
執事たちは上着をかけてとりあえず裸体を隠し、とにかくルカスに助けを求めようと茉白を抱えて駆け出したのだった…。
天樹
298