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最終話「回復と衰え」.
ー注意ーー
第一話参照の為割愛させていただきます。
苦手な方は予めご了承ください。
回復の兆し、そして新たな影 、
rbrが基地の医務室に運ばれてから、数週間が経った。
彼の身体的な回復は順調だったが、精神的なダメージは深く、依然として意識は朦朧としていた。
shpによって与えられた精神安定剤の影響もあり、彼は時折、意味不明な言葉を呟いたり、天井のシミを指差して笑ったりした。
しかし、時間を追うごとに、その虚ろな瞳に微かな光が戻り始める。
「rbr、今日の調子はどうだ?」
毎日のように見舞いに来るknが、rbrの手を握る。
rbrはゆっくりと顔を向け、微かに頷いた。
「…kn…」
掠れた声だったが、それは確かにknの名を呼ぶrbrの声だった。
tnやzm、sho、utも交代でrbr の世話を焼き、彼が現実に戻れるよう、根気強く語りかけた。
仲間たちの献身的な支えが、rbrの閉ざされた心に少しずつ光を灯し始めたのだ。
一方、shpは隔離部屋に収容されていた。
rbrを連れ去り、精神を崩壊させた彼の行動は、幹部たちの間で大きな議論を呼んだ。
しかし、shp自身は、rbrが倒れた瞬間の絶望から立ち直ったかのように、どこか冷静だった。
彼の瞳の奥には、以前にも増して冷たい、しかし確固たる輝きが宿っていた。
「俺が、rbrさんを完全に理解できなかったからだ…」
彼は独り言のようにつぶやいていた。
「これまでの計画は、甘すぎた。もっと、もっと深く…ワイがrbrさんの『全て』になればいいんだ。」
shpは、隔離部屋の壁に、びっしりと数式や図形、そしてrbrの行動パターンを示すグラフなどを書き殴っていた。
彼の頭の中では、次の「完璧な計画」が綿密に練られている。
それは、rbrの肉体と精神、その全てを完全に支配し、彼自身の分身とするような、恐るべき計画だった。
二つの「愛」の激突数ヶ月後、rbrは奇跡的な回復を見せていた。
まだ記憶に曖昧な部分はあるものの、会話もできるようになり、自力で歩くことも可能になった。
しかし、shpに対する恐怖心は根強く、彼の名前を聞くだけで身体が震え、過呼吸の発作を起こすこともあった。
その頃、shpは隔離部屋から姿を消した。
彼の部屋に残されていたのは、びっしりと書き込まれた計画書と、どこから手に入れたのか、特殊な薬品の空き瓶だけだった。
「shpが…脱走した!?」
grの声が司令室に響き渡る。
tnは、残された計画書を読み込み、顔色を失った。
「これは…rbrの脳波パターンを解析し、それを自身の意識に同期させる…!?そして、肉体も改造して…」
zmが震える声で叫んだ。
「あいつ…rbrを、自分自身にしようとしとるんか!?」
その頃、基地の中枢にあるメインサーバー室で、異常な電力消費が検知された。
警報が鳴り響く中、rbrは医務室のベッドで、唐突に激しい頭痛に襲われた。
「うっ…頭が…!」
脳内に、shpの声が直接響いてくるような感覚。
それは、shpが密かに開発していた、rbrの意識に干渉するシステムだった。
「rbrさん…これで、俺たちは一つになれます…永遠に…」
shpの声が、rbrの脳内で繰り返される。rbrは苦痛にもがきながら、必死に抵抗した。
その時、メインサーバー室の扉が爆音と共に吹き飛ばされた。
飛び込んできたのは、激怒したzm、sho、kn。その後ろには、冷静ながらも鋭い眼光を放つtnと、grの姿があった。
「shp!!そこまでや!!」
zmが叫び、shpに突進する。
shpは、rbrの脳波と自身の意識を同期させる装置に手を伸ばしながら、振り返った。
その顔には、狂気的な笑みが浮かんでいる。
「遅いですよ…これで、ワイはrbrさんの『全て』になれる…」
しかし、その瞬間、knの拳がshpの顔面を捉えた。
shpの身体が大きく揺らぎ、装置から手が離れる。
「そんな歪んだ愛、rbrは望んでへんのや!!」
knの怒号が響き渡る。
その隙に、zmとshoが装置を破壊しようと動いた。
「やめろ!!!」
shpが叫び、必死に装置を守ろうとするが、zmとsho の連携攻撃により、装置は火花を散らし、機能停止した。
同時刻、医務室のrbrは、激しい頭痛から解放されたかのように、再び意識を失った。
しかし、彼の顔には、苦痛の表情ではなく、安堵のような、穏やかな表情が浮かんでいた。
shpは、壊れた装置と、倒れたrbrを交互に見た。
彼の瞳に宿っていた狂気の輝きは、ゆっくりと消え失せ、代わりに深い虚無感が広がった。
彼の「完璧な計画」は、完全に打ち砕かれたのだ。
数日後、rbrは再び医務室のベッドで目を覚ました。
彼の目は、以前よりもはっきりと現実を捉えていた。
仲間たちの顔を見て、彼は微かに微笑んだ。
「…みんな…ありがとう…っ 」
震える声だったが、その言葉には確かな意識と感謝が込められていた。
彼の記憶は完全に戻ったわけではなかったが、shpの歪んだ愛から解放されたことで、彼はゆっくりと、しかし着実に回復の道を歩み始めていた。
一方、shpは再び厳重に隔離され、専門家によるカウンセリングを受けることになった。
彼の「愛」は、もはや制御不能な執着となり、rbrを、そして彼自身をも傷つけた。
しかし、彼の心の中には、まだrbrへの複雑な感情が渦巻いている。
rbrとshpの関係は、元に戻ることはないだろう。
しかし、rbrは仲間たちの支えを受け、自身のペースで未来へと歩み始める。そして、shpもまた、自らの歪んだ愛と向き合い、新たな道を模索していくことになる。
この一件は、メンバーたちにとって、一つの愛の形と、それを取り巻く人間の心の闇について、深く考えさせられる出来事となった。
この物語はここで終わりですが、rbrとshp、そして他のメンバーたちの関係は、今後どのように変化していくのでしょうか__
end .
コメント
5件
連載 お疲れ様でした 、!! 一話 ゝ が とっても 面白くて とにかく 凄かったです 、!!!
素晴らしい作品をありがとうございました これからも応援しています 頑張ってください
〜 読者の皆様へ 〜 最終話までご覧いただき、本当にありがとうございます!皆様のおかげでモチベーションが向上し、思っていた以上に素敵な作品を書くことができたと思っています! 改めて、ご愛読ありがとうございました🍀*゜ また次の作品でお会いしましょう!👋🏻