テラーノベル
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その一文を見た瞬間、頭の奥で何かが弾けたみたいな痛みが走った。
私は思わずスマホを落としそうになり、壁に手をついた。息が苦しい。足が震える。
「あの日って、何……」
声に出したつもりだったけれど、ほとんど息みたいにしか聞こえなかった。
あおいは心配そうに私を見た。
でも私は、その視線さえ怖くなっていた。
あの日、自分が何をしたのか、本当は知っている気がしたからだ。
放課後、私はひとりで図書室に向かった。
昔の文化祭の記録や学校新聞なら、何か残っているかもしれないと思った。
古いファイルをめくっていると、一枚の写真が机から滑り落ちた。
文化祭前日の写真。
教室の後ろで、真白がスマホを見ている。困ったような顔をしていて、その少し離れた場所に私が立っていた。
そして写真の端には、視聴覚室の札が見えていた。
私は指先が冷たくなるのを感じた。
写真の裏には、手書きで短くこう書かれていた。
午後五時十二分の前
そのとき、スマホが震えた。
真白からだった。
送れなかった。
続けて、画面にもう一つ表示される。
でもあなたは見てた。
私はその場に立ち尽くした。
見ていた。
何を。
次の瞬間、頭の中に、途切れていた記憶が一気によみがえった。
夕方の廊下。
視聴覚室の中から、何度も鳴る通知音。
スマホを握りしめた真白の顔。
そして私のスマホに届いていた、一件のメッセージ。
助けて
私は、そのメッセージを読んでいた。
でも、返さなかった。
怖かったから。
面倒に巻き込まれたくなかったから。
見なかったことにして、そのまま帰ったのだ。
息が止まりそうになった。
手の中のスマホが、また震えた。
やっと思い出したね。
コメント
1件
ああっ、第6話、重かった……。 「助けて」ってメッセージ、読んでたのに返さなかった過去。 その”見なかったふり”が今になって真白さんから追ってくる構成、じわじわ怖い。 写真の裏の「午後五時十二分の前」って一文も気になるし、記憶が一気に戻るラストの「やっと思い出したね。」で心臓止まるかと思ったわ。 罪悪感と後悔の描き方がエグい。続きが待てない🔥