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鳴らない電話を待っていた
名前を呼ぶみたいに、画面を見つめて。
触れれば届くのに何処か遠い存在だった 。
送信欄に打ちかけた言葉は結局消した。
重たいって思われたくなくて。
踏み込みすぎると壊れてしまうんじゃないかと思って。
太陽が沈んでも 、連絡は来ないまま。
静かすぎる部屋で、時計の音だけがやけに響いた。
時間だけが 、私を置いておくように只々進んでいく 。
何度目かの溜息を吐いた。
その時 、不意に着信音が鳴った 。
『 きこえる ? … 』
やっと繋がったと思うと、
風の音だけがきこえる。
「 ..
友達が電話をかけてきてさ 。 」
私の呼びかけには応じず、
掠れた声で 、淡々と話していった 。
『 “ 消えたい ” って 。
私は引き止めることも肯定することも出来なかった。 』
嗚呼 、わかっていた 。
わかっていたのに 。
私じゃ君を救えない 。
「 私が止めてたらきっと 、 .. 」
自分を責める彼女の言葉を 、これ以上聞きたくなかった 。
『 …私じゃだめなの 』
震えた声で呟いた 。
この言葉が彼女の耳に届いたかどうかは僕には知る由もない 。
違和感を感じたのは 、 ここ最近じゃなかった 。
既読がまる一週間つかなかったこと 。
夏なのに長袖を着ていたこと 。
待って 、待ってよ 。
「 君は私みたいにならないでね 。 」
『 置いていかないで 、 .. ─ 』
絶望に溢れながら振り絞った言葉も 、
掠れながらも精一杯に出した声も 、
きっと彼女には届かなかった 。
「 すべての罪を償って 、いつかまた貴方と巡り会うことが
許されるのなら … 迎えに来てくれる ? 」
『 罪なんかじゃない 、 .. 』
きっと私じゃ彼女の一番になんかなれやしなかった 。
赤く腫れていた彼女の目に気づけていなかった私が 、
彼女を助けられることなんて不可能に近かった 。
少しの期待も 、とっくのとうに無くなっている 。
頬を涙が伝った気がしたのは 、きっと気の所為だ 。
…
やけに月が明るい夜 、彼女はこの世から幕を閉じた 。
煌めく星に手を伸ばして呟く 。
『 … 月が 、綺麗だ 』
手を伸ばしても、もう届かない場所にいることを、知っているのに
コメント
1件
んんんんんほんまにどいつもこいつも文才の塊すぎるな分けろよマジでえええええええ