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高杉side
『いや、なんでもねぇすまないな』
俺はヅラが吃驚している最中に言う。横で正気になったヅラが耳打ちをしてくる。
『なんでもなくないだろ!もしかしてあいつ記憶が無いのか?』
不思議そうに坂本(仮)が見ている。
『今世と前世チゲぇんだぞ?記憶が無ければ俺たちはもう関係の無いただの赤の他人だ』
俺はヅラに冷たく言い放つ。ヅラはまだ俺に反論したいようだったが、俺の意見に一理あったのだろう黙り込んでいる。
『すまない、友人に似ていたからな。間違えてしまった……ところで名前はなんて言うんだ?』
ヅラは顔の向きを変え俺ではなく坂本(仮)を見ながら言う。
『わしは坂本辰馬ちゅーます。おまんらたちは?』
どうやら今世と前世同じ名前のようだった。
坂本が問いかけてきた質問に俺は答える。
『高杉だ。』
どうして答えてしまったのだろう。前世と今世では違う。赤の他人になろうとしているのに。このまま辰馬と関わりを持ってしまったら、記憶を思い出してしまうかもしれないのに。
『俺は桂小太郎だ。』
ヅラがよろしくと言うと坂本もよろしくぜよ!と大きな声で帰ってくる。
『右腕はなんともねぇのか?』
自然と声が出てしまった。
『よくわかったのぉ!わし生まれつき右手にほとんど握力がないんじゃだから、何も握れなくてのぉ!』
辰馬がケロッと返事をするとまた後ろのドアから誰か入ってくる。辰馬が振り向くとそこにはかつての悪友(友)坂田銀時がいた。
『あ、金時ぃ!』
辰馬は銀時に反応し迎えに行こうとしたが坂田は全力ダッシュで逃げていった。
『ち、あいつ』
俺は迷わずに銀時を追いかけってた。
入学初日に廊下を走るのはいかがなもんだが今は仕方がないと自分に言い聞かせ銀時を追いかける。
銀時は曲がろうとし壁にぶつかりコケた。尻もちを着いている銀時の前に仁王立ちする。
『なんでてめぇ逃げやがる。記憶あるだろお前』
高杉は銀時を凝視し、異彩を放っている。
『ち、バレたならいいわあるけど?』
銀時ははいはいと呆れたように返事をする。