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零番線特急

零番線特急

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11 新たな乗客

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2021年11月18日

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「いた。会社の駅には変な虫がいた。俺の腕くらいには長くて、電気コードくらいの太さの虫だ。先端だが尻だかに針みたいなもんをもってて、壁を 這(は)ってた」

「襲ってはこなかったのか」

「エントランスではな。その先では多分」

「多分?」

 金髪は視線をそらした。

「多分ってどういうことだ」

「知らねえよ。俺はエントランスから出てねえ。出て行ったのはスーツとおっさんとおっぱいだけだ」

 三人が、エントランスよりも先へと進んだ。

「出発 間際(まぎわ)にスーツが戻って来た」

「なんでスーツはそんな危ない所に行ったんだ」

 やっぱり前の駅でも情報がどうのこうのと言ってたのだろうか。金髪はちらりと俺の顔を見あげてから再び視線をそらす。その態度に思わず声を荒げようとしたとき、さっちゃんが「頭痛がするって言ってね」と声を出した。

 振り返ると、 *****************

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