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「最も永く続く愛とは、
決して報われない愛のことです。」
- サンセット・モーム
多分俺は罪を犯した。体の表面を包みこむ柔らかな感覚…それに反するように平常通りに活動していた思考が電源を落とされた機械の如く、硬直した。これを言葉としてどう表すべきか、もしそんな言葉があるのなら今すぐにでも知りたいものだ。
そんな状態の思考を無理やり起動させ、今自分に起きていることを把握しよう。
……あぁ、そうだ俺は恐ろしいことをした、してしまった。
同性の友人に恋をした。
「たった」それだけ、それでも俺…俺達にとってはあったらダメなんだ。きっと。
俺のエゴなんかに付き合わせたらダメなんだ。
「京蔵《きょうぞう》おはよ」
ニコニコとした顔が癖毛な黒髪頭を傾げる際に一緒に揺れる。轟 莞爾《とどろき かんじ》は 日本人の学生にしては背が高く、体全体の骨格ががっしりしているためか、人混みの中でよく目立つ。名前や容姿含め、よく海外の人間と間違われやすい。
そんな彼が嬉しそうに呼ぶ相手、問いかけに対し、ん…と一言。入南 京蔵《いるみ きょうぞう》は気だるげながらも応答はする。莞爾とは対照的に髪は肩まであり、彼なりのこだわりのありそうなヘアアレンジ。軽くアイラインやシャドウ等のメイクも見受けられる。一般的な男子高校生とでも言える体格なため、莞爾と横並びに歩いてるととどうしても小さい扱いを受けることがそれなりの頻度であった。
「莞爾よぉ〜……毎回毎回朝っぱらに出す声量じゃねぇだろうが」
「別に世界に迷惑かけてねんだからいいでしょ」
「今、ここで、俺が、迷惑だっつってんだよ」
2人は出会いは高校1年のグループ活動の際。互いが読んでいるマニアックな漫画が好きだということを知り、クラスメイトから漫画友達へ、漫画友達から登下校まで共に過ごす仲になった。友、というべきか。親友と胸を張るほど親友らしいことは互いに何をすればいいのかわからないので「友」で一区切りをつけることにした。
そんな 男子高校生らしい当たり障りのない会話の中、京蔵が先ほどの気だるげのある顔と打って変わって真面目な顔つきになり、話を切り出す。
寺育ちのK