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良き
どれくらいの時間が経ったんだろう。お兄ちゃんたち、怒られてないかな。なにか隠してるって、尋問されてないかな。
「……元貴」
え?今の声は、お兄ちゃん?でも、お兄ちゃんは、ここにいないはず。また、さっきみたいな幻かな。
「……元貴!いるんだろ、そこに」
いや、これは幻じゃない。本物のお兄ちゃんの声だ。どうして、ここが分かったの?そんなに声を張り上げてたら、お父様にバレちゃうよ。
「もう、隠れなくて良いんだよ。正々堂々、戦うことにしたから」
どういうこと?僕のことを、お父様に教えたの?怒られなかったの?お仕置きされなかったの?
「元貴、出てきてくれ。お父様が会いたいと言ってるんだ」
そんなのダメだよ。お父様は、僕を見てないから、まだ猶予をくれてるんだ。だから、僕が姿を見せたら、こんなやつが家族だなんて許さない、って言って、みんなお仕置きされちゃう。
「元貴にはぜってぇ罰なんて受けさせねぇ。俺が守るから」
でも、それでも、僕が行ったら。きっと迷惑かけるから、上手にできないから。
「迷惑なんかじゃねぇ!おまえは俺の弟だろ、俺が迷惑だなんて思うわけがない!」
そうなの?本当に?僕が行って、上手にできなくて、お兄ちゃんたちが怒られても、僕を嫌わないでくれる?僕のこと、捨てないでいてくれる?
「あぁ、約束する。絶対に、おまえを捨てないし、嫌いになんてならない。たとえ罰を受けることになっても、俺たちが……俺が守る」
それなら……出てみようかな。怖いよ、怖いのは怖いからね。でも、お兄ちゃんがそこまで言ってくれるなら、少しだけ、頑張ってみようかな。
「……元貴。ありがとう、ごめんな怖い思いさせて」
大丈夫、お兄ちゃんがいるから。お兄ちゃんたちが頑張ってくれたなら、今度は僕が頑張る番なんでしょ?
「なにか聞かれたら、素直に答えれば良いからな。俺らがどうこうは一切考えなくて良いから」
すなおに、ってどうしたら良いの?お兄ちゃんたちのこと考えないなんて、できないよ。お父様、どんな人なんだろう。怖いのかな、すっごく大きいのかな。
「行こうか、涼兄ぃが待ってる」
お兄ちゃん……やっぱり怖い。僕、追い出されないよね?お兄ちゃん、怒られないよね?……でも、行くって決めたから。
お兄ちゃん、1回だけ、今日だけで良いから、ギュってしてほしい。
「……大丈夫、俺がいるから」
温かい……お兄ちゃん、温かいね。うん、大丈夫、お兄ちゃんがいるから。僕、頑張るね。
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