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次の日の朝も、俺は金塊を産んだ。その次の日も、そのまた次の日も。こうして3日分貯まった金を、また例の買取屋に持って行く。
「査定額は20万円になります」
前と同じ担当者の男が淡々という。こんなに簡単にお金を稼げるなんて、夢みたいだ。あまりにも現実からかけ離れている。
札束は財布には入りきらないので、もらった封筒に入れて鞄にしまっているとき、査定担当者がこう切り出してきた。
「それにしても、不思議なかたちの純金ですね。バナナみたいな形のもあれば、大きな枝豆みたいな形のものまで。どこで生産されたんでしょうかね」
独り言のような口振りだが、こちらを怪しんでいる様子だ。俺が黙り込んでいると、向こうはこう切り出してきた。
「失礼ですが、我々も犯罪性のある商品は取り扱えないのですよ。盗品なんかだと、警察が絡んできて厄介な目にあう。いや、警察の厄介で済むくらいならまだいい方。付き合いがあると知られただけで商売を辞めざるをえないような組織だってこの世にはありますからね」
査定者は、ここで俺の目をじっと見すえた。
「こんな大量の金、若い貴方がどこから仕入れてきたんですか?お答えの内容によっては、通報しますよ」