雪山の頂上に近づくにつれ、試練はますます厳しくなっていた。吹雪の中、足元がしっかりと確保できない中で、萌香たちは一歩一歩を慎重に踏みしめて進んでいた。しかし、ついにその時が来た。
アーティファクトを無事に手に入れ、あと少しで山を下りようとしていたその瞬間、萌香が手に持っていたアーティファクトを地面に落としてしまった。
「うわっ!だ、大丈夫!?」
いさなが驚き、駆け寄ると、アーティファクトは雪の中に埋もれてしまった。しかし、それだけでは済まなかった。アーティファクトが落ちた衝撃で、内部構造が崩れ、割れてしまっていた。
「え、ええ!?これ、壊れた!?」
萌香は信じられない様子で、アーティファクトの壊れた部分を見つめる。たった今まで手にしていたはずのものが、今や完全に壊れてしまっている。
「なんで、どうして…」
彼女は自分を責め、涙を浮かべながら頭を抱える。これが終われば、神様の導きで帰れるはずだった。しかし、壊れたアーティファクトがその希望を絶ってしまったように思えた。
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