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しばらくして、週末に舞衣が警察の1日署長をするのでヒーローにも警備の協力をという通知が事務所にきた。
「(身辺警備じゃないのか…。)」
事務作業をしながら、配布された資料に目を通す。この事務所は1日、周辺警備の予定になっている。どうにも割りきれず長いため息を吐く。らしくないぞと先輩に肩を叩かれ、巡回の時間だと言われる。
「(そうだぞ自分。切り替えていくぞ。)」
今日は何事もなく、1日を終えた。その日の夜、舞衣の身辺警備は緑谷や爆豪がいる事務所が担当するという連絡が上鳴からきた。
「(緑谷達の事務所かぁ。さすが優等生組…。)」
スタンプだけ返し、ゲームに集中するが。
「寝る…。」
まったくクリアできず。いつもより早めに就寝したのだった。
舞衣の1日警察署長当日。流れはこうだ。午前中は白バイ隊員たちとの走行演舞、午後は交通安全啓発を兼ねたパトロールである。
「あーあ。生で見たかったなぁ。」
上鳴所属の事務所も、同じく身辺警備担当なので、2人でバイクの音や歓声を聞きながら巡回を行う。そこに先輩から休憩の指示がイヤホンから伝わる。
「ネットニュースでもチェックしますか。」
「おう。」
「午後も気合いいれていこうぜ!!」
上鳴に肩を組まれ、バックヤードに下がった。午後のパトロールも滞りなく行われ、無事に舞衣の1日警察署長は終了した。事務所で軽く報告書をまとめて、帰る準備をしていると、上鳴からの着信が。
「おう電気、どうした??」
「いつもの店でさ、舞衣ちゃんと…」
「すぐ行くっ!!」
他の同期も驚くほどのスピードで荷物をまとめ、事務所を飛び出した。
「おーい。こっち!!」
呼吸と服装・髪型を整え入店すると、上鳴が手を振っている。席に近づくにつれ、緑谷・麗日・爆豪・八百万が確認できる。そしてベリーショートが目を引く、鋼舞衣の姿が。
「わりぃ。待たせた??」
「全っ然、そんなことないぜ??ささっ、どうぞどうぞ。」
と上鳴に舞衣の向かいの席に誘導され、緊張の面持ちで座る。
「鋼さん、こちらがパトロールの合間に話した切島君だよ。」
緑谷が丁寧に紹介してくれる。
「あの時は、協力してくれてほんとありがとうな。改めまして、オレ、切島鋭次郎です。」
「切島君、よろしくね。私は鋼舞衣です。あの時は力なれて良かったよ。」
微笑む舞衣に、思わず顔が赤らむ。
「さて、お互いの自己紹介が終わったところで、何飲むー??」
上鳴が進んで、打ち上げの火蓋を開く。鋼は徐々に皆と打ち解けていく。特に八百万とはスポンサー契約の話で盛り上がり、皆に仕事の話になってるとツッコミを入れられ、笑いを誘った。
「舞衣ちゃんは、休みの日何してんの??もちろん、言える範囲で!!」
なかなか自分から話にいかない切島にしびれを切らし、上鳴が舞衣に質問する。
「ゲームしたりアニメ観たり…かな。」
「意外だな。どんなゲームしてるんだ??」
良いぞもっと聞けと舞衣以外の全員の視線が切島に注がれる。
「◯ンハン・◯ーストリコン・◯ークソウル・◯UBG。」
「マジか!!それ全部、オレもやってる!!」
思わず笑顔がこぼれる切島。
「せっかくだからさ、今度オンラインでやってみたら??」
「そうだな。鋼、良かったらやってみねぇか??」
「いいよ。いつがいいか連絡できるように、連絡先交換しよ??」
とスマホを取り出したので、お互いの連絡先を交換する。5人は良くやった!!と言わんばかりに親指を立てた。ここでお開きの時間。舞衣はタクシーで帰るとのこと。
「じゃあ切島君。一応、さっき決めた日で良いけど、何かあったらまた連絡するね。」
「わかった。気をつけてな。」
鋼は皆にお礼の頭をさげ、タクシーに乗った。それを皆で見送った。
「やったな鋭ちゃん!!」
「やりましたわね!!」
「切島君、グッジョブ!!」
「切島君なら出きると思ってた!!」
「まどろっこしくて、見てらんねーかったけどな。」
それぞれに祝福の声をもらい解散する。
「(あの鋼舞衣の連絡先が…夢じゃないよな??)」
緊張のせいか、いつもより飲んだお酒の酔いが今回ってくる。
「(飲み過ぎた。でも…鋼と飲めて楽しかった。)」
酔いが完全に回らぬうちに、夜の街をあとにした。