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ーときは少し遡るー

ドサッ

最後の忍びが倒れるのを横目でみた八左ヱ門は肩で息をしながら頬を拭った。

見渡すと死体、死体、死体。

何も感じなかった。

頭がグラグラして、今にも倒れそうだった。

身体中傷だらけだった。深い傷もあるからか、出血が止まらなかった。

「ゴホッ。ヒューヒュー」

身体はボロボロで今にも倒れそうなのに、頭の中はスッキリしていた。

「流石の私も、これはきつかったか。」

ゆっくりと深呼吸をした八左ヱ門は、獲物をかる獣のように城をにらみ、

「あとはお前だけだ。夕立氷樹郎。」

一人怯えているであろう城の城主を思い浮かべ地面を蹴った。


城の中は静まり返っており、不気味だった。

「っ!」

城内にいる忍びたちを上手くまき、周りを気にしながら廊下を進んでいると、後ろから気配を感じた。相手が何かを投げたのを確認し避けると、

ドカーン!

何かが爆発した。壁には大穴ができていた。

驚きそちらを見ていると、いつの間にか後ろにまわっていた忍びが私を蹴り飛ばした。

私は屋根に着地し、忍びを相手する。

が、広場での戦いでボロボロの体では攻撃を受け流すことしかできない。

「っ!」

私の苦無が彈かれた。忍びの苦無が私の腹めがけて入ってくる。

何とか避け、体制を立て直した。

私は懐からボロボロの微塵を取り出して忍びの頭に思いきり叩き込む。

「グッ!」

微塵は忍びの腕に激打した。忍びが顔を歪めたのを視界に捉えたが、お構いなしに蹴りを入れた。

「うわァァァ!」

忍びはバランスを崩して屋根から落ちていった。

「‥‥!」

後ろからの気配に振り向くと、見覚えのある忍びが苦無を振り下ろしてきた。咄嗟に微塵で受け止めて後ろに飛ぶ。

「はっ!そんなボロボロなのによく受け止めたな!」

「‥‥‥組頭。」

苦無を振り下ろしてきた忍びは、学園を襲う前に話していた忍びだった。

「お前はいつか裏切ると思ってたんだよ。」

「‥‥‥‥。」

「殿のところへは行かせないぞ。ここで死んでもらう。」

私は苦無を両手に構えこちらに走ってくる組頭から逃げるように、飛び上がり状態を整えた。

「逃げんなよ?竹谷。お前がまいた忍びたちもじきに来る。これでお前も終わりだ!」

苦無をもち、腰を低く構えた。

「そいつらが来るまでに終わらせる!」

苦無と苦無が交わり火花が散った。

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