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モンダイジ団 執着編

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モンダイジ団 執着編

4 - 第3話 サイド レン

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2022年08月18日

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サイド レン


オレは足を止めて、思わずふり返った。

「……僕は出来れば会いたくなかったよ」

ぞっとするような、冷ややかな声だった。本当にトキさんかと疑いたくなるような無表情の顔もあり、……オレは、初めてトキさんを“恐ろしい”と感じた。

やっぱり、アイツとトキさんが、知り合い?でもこのただならぬ雰囲気は……。

「で?なんでお前がここにいる?」

「あんたが母さんに何したか、忘れるわけがない。……助けに来て何かおかしいことでも?」

トキさんの、お母さん……?虐待していた人は捕まったはずじゃ?……あ、まさか、捕まった人以外にも虐待をした人がいたのか?!

オレの思考を中断させるかのように、辺りに汚い笑い声が響き渡った。思わずオレもユズも、トキさんも顔を顰(しか)める。

「助けに?っはは、後ろにいるのにか?!」

そう言って、ソイツはオレを指差した。それにつられて、トキさんがこっちをふり返った。

オレと目があって絶望の表情を浮かべる。

「!!なんで、まだここに──ッ、ゔぁ」

トキさんが後頭部を殴られてバランスを崩す。ガシャンとトキさんのスマホが落ちる音で我に返った。

そうだ、オレたち逃げないと。クソッ、ゆっくりしてる場合じゃなかった……!

間一髪でソイツの拳を避けた。

「大人しくしていろよ……ん?」

「……っ、させ……ない」

トキさんが、よろけながらも男の腕を掴む。男は面倒臭そうにため息を吐いたあと、トキさんに言葉の刃を放った。

「おいおい、抵抗していいのか?お前がそうしてどうなったか分かるだろ?」

「───!!ヒュッ、ングッ……!」

「トキさん?!トキさん!!」

なんで?!アイツはトキさんに何もしていなかったのに!なんで、トキさんが倒れたんだ?!

「ヒヒッ」

「しまっ──!」

気付くのがやや遅れたから、今度は避けられなかった。

いや、気づいたとしてもこの状況じゃどうしようもない。

鳩尾に強い衝撃を感じ、オレの意識は抗う間もなく沈んでいった。

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