夕方の公園ヨージローはベンチに腰かけて 片手にホットドック もう片方でコーヒー持って ゆっくり一息ついてた
忙しい毎日がちょっとだけ止まった気がして ほんの少し気が抜けてた
「お兄さん 一人?そのホットドック美味しそうだね」
声をかけてきたのは 見知らぬ男
見た目はそこそこ整ってて 調子のいい笑みを浮かべて近づいてくる
「よかったらさ 俺ともう一本食べに行かない?近くにうまいとこあるんだ」
ヨージローはホットドックのケチャップを親指で拭いながら
「……奢りなら行ってもいいけど」と冗談混じりに返した
その時だった
「店長」
低く落ち着いた声が背後から響く
ケインオーが ゆっくりとした足取りで近づいてきて
けどその目はどこか鋭く 男を真っ直ぐに見据えていた
「誰ですか その男は」
「ん?ナンパされてたとこ」
「ついて行くつもりだったんですか」
「さぁ…ちょっとヒマだったし?」
その瞬間 ケインオーの瞳にかすかな焦りと それ以上の何かが揺れた
「……あなたは そんな軽い人じゃないと信じてました」
男が苦笑しながら言った
「え もしかして彼氏さん?めっちゃ怒ってない?」
ケインオーは男の言葉に返事せず 一歩前に出てヨージローの前に立った
「行かないでください」
声は低くて真剣だった
公園の喧騒が遠のいて 空気が止まったみたいに感じた
「なんで」
ヨージローが目を細めて言うと ケインオーは言葉を選ぶように 少しだけ視線を落とした
「知らない誰かに連れていかれるくらいなら 私の方がいいでしょう」
「……お前 嫉妬してんの?」
ケインオーはどう答えたらいいか悩んでいた
「ふーん」
ヨージローはホットドックを最後まで食べきってから ケインオーの肩を軽く叩いた
「ついてく気なかったけど お前のその顔見るの たまに悪くねぇな」
ケインオーは黙ってヨージローの手を見下ろしてから 一言だけ
「……本気で連れていかれたら 殺してました」
コメント
2件
ブチギレ🤖✕悪い📡最高ううぅ!