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やぁまた会ったね。僕はココ。ピエロさ。

僕は今、ステージに立っている。

とは言っても、ただの観客席の人達に“おもてなし”?をするだけなのだけれど。

「わー!まま!すごいよー!」

「そうねぇ、」

「ばあさん、これはすごいのう、」

「ねぇ、じいさん」

「きゃー!象だー!!すっごーい!」

わいわいと賑わう観客席。

僕はここが一番大好きだ。

そして僕は一人観客に目を向ける。

(…あ、)

その観客は、夏菜みたいな素敵な子だった。

(わ、綺麗な子だな…、夏菜みたい…♡)

僕はじっと見る。するとその子は気付いたようで、手を振ってくれた。

僕も手を振る。するときゃー!と歓声があがる。

なんか五月蝿いなぁ。

そう思いながら、もう1回その子を見てから、

(…今日はこの子にしようかな…♥)

僕はその子を頭の中に記憶した。

え?浮気だって!?僕はそんなことはしないよ!僕が好きなのは夏菜だけなんだ!

じゃあなんでこの子にしようかななんて、って、そんなの、決まっているだろう?



「いやっ、嫌だ、近寄らないで…いやぁああぁぁぁ!」

「ふふ、夏菜…♡嫌がらないでよ…寂しいじゃないか…♡♡」

「な、なにを言っているの!?私はなつなじゃ…!」

スパンッと、僕の包丁がこの子を切り裂く。

切り裂いたら血が僕の顔や服に飛び散った。

(…うーん、なにか違うなぁ)

僕は汚れた顔や服を洗おうと、外へ出ようとした。すると、

「おい、ちょっと待てよ。血だらけで行ったらビックリしちまうだろうが」

「おや」

急に男性に、いや、ここの管理人と言った方がいいかな。

「どうしたんだい?」

「いや『どうしたんだい?』じゃねぇーよ。つかまず死体置いていくな馬鹿野郎。」

この人はサーカスの管理人の、“井藤晴生”(いとうはるお)さん。

皆からは井藤さんと呼ばれている。僕を招待したのもその人だ。

見た目?見た目は…センター分けでちょっとイケメンみたいな感じかな。君たちの言葉から言うと、

やさお?かな。よく分からないよ。

「あぁ、ごめんね。片付けるから」

「あぁ、いやいいよ、それよか顔と服、洗ってこいよ」

そう言って、僕がさっき“愛した”子を抱き抱えた。

え?なんで愛したって言い方を?それはその方が愛があるじゃないか

あ、言っておくけれど、浮気では無いからね!

「あぁ、井藤さん、いつもありがとね。おかげで助かっているよ。」

僕は何気にそう言った。

「ははっ、お前ってちゃんとありがとうって言えるんだな!」

井藤さんはニヒっと元気な笑みを浮かべている。

僕はその言葉を聞き逃さない

「なんだって?僕だってありがとうぐらい言えるさ。馬鹿にしないでもらいたいね」

そして井藤さんはまたもや笑って悪かったよと言って、

「だってさ、他のメンバーはありがとうなんて言わねぇからさぁ。ちょっと不思議に思っただけ。」

すると井藤さんはさっき愛した子を持って行った。

「…ふぅ、疲れたなぁ。でも楽しかった。」

あ、そう言えば僕以外にもメンバーはいるよ。

だって、そうじゃないとサーカスは成り立たないからね。

まぁ他のメンバーとは話したことは無いけれど。

いい人たちなんじゃない?

その人たちも人を殺めているけれど

そうして僕の一日は終わるのだ。

その後、何があるかも知らずに。



「…みーつっけた♪」

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