注意
そちらに了承した方のみこのお話をお読みください。
おぼつかない足取りで私は部屋に向かった。
部屋の前まで来た途端。
ーーーーーーーーー 意識を失った。
朝になり、窓からは日光が差し込む。陽の光が当たり、視界は真っ白なる。
Girei
「 私は部屋の目の前で倒れたのでは…? 」
昨日の出来事を思い出そうとするが、思い出せない。
??
「 お…目が覚めたか? 」
「 昨日俺と離れたあと、部屋の前でお前が倒れていたからな。俺がこの部屋まで運んできたわけだが… 」
私の隣には、昨日エントランスでぶつかってしまった人が居た。
Girei
「 私の部屋までわざわざ…ありがとうございます。 」
「 長旅で疲れていたのもあったのでしょう。 」
「 …そういえば…。あなたの名前を伺っていませんでしたね。お名前は…? 」
??
「 そういえば言ってなかったな。 」
ナワーブ
「 俺の名前は、ナワーブ。ナワーブ.サベダー。よろしくな。 」
彼は、朝ごはんを食べていないらしく、食堂に一緒に向かおうと言ってくれた。彼と食堂に向かっているときに、この荘園の構造について説明してくれた。
ナワーブ
「 ここは礼拝堂らしい。 」
Girei
「 礼拝堂まであるのですね…。 」
Girei
「 …そういえば、ナワーブさん。失礼かもしれませんが…年齢をお聞きしてもよろしいでしょうか…? 」
声を聞いたときから、何歳なのだろうかと気になってしょうがなかったので、思い切って聞いてみようと思った。
彼はその問いに驚きながらも、答えてくれた。
ナワーブ
「 …27 」
Girei
「 ひとつ下でしたか…。 」
ナワーブ
「 なんだよ!!いきなり聞いてきてその反応は! 」
Girei
「 声を聞いたときから、疑問を持っていたのです。 」
「 私。人の声を聞くのが好きなんです。歌声や話をしているときの声…それぞれ違いがあって…。 」
ナワーブ
「 …分からなくはないな。俺の友人も…そうだった。 」
少しうつむきながらだったがうなずいていた。昔のことを思い出させてしまっただろうか。
彼の昔の姿を知らないが、少し申し訳ないと思ってしまった。
他愛のない事を話していたら、食堂にたどり着いた。
大きめの長テーブルに大きめの椅子。彼は小さかったので、この大きな椅子に座れるのだろうかと心配になったが、慣れた手付きで椅子に座っていった。案外力はあるのかと感心してしまった。
私の座ったテーブルの前には、コーヒーとコーヒーポーション。食パン一枚とバターといちごのジャム。少し離れたところには、煙草(タバコ)が置いてあった。
彼の座ったテーブルの前には、食パン二枚とバター。牛乳がおいてあった。
その他にも人が来るのだろうか。私の隣の席には、新聞とコーヒー。丸いパンとサラダが置かれていた。
私はすべて食べ終えると、執事がこちらへやってきた。
執事
「 少ないようでしたら、追加することもできますが? 」
私には食パン一枚だけでは足りないというのが見えているのだろうか。
まあ実際足りなかったわけなのだが。
Girei
「 丸いパンを一つお願いしてもよろしいでしょうか? 」
執事
「 承知しました。 」
執事は食堂から出ていった。
ナワーブ
「 お前の隣の席の奴…来ねぇな…? 」
Girei
「 そうですね。まだこちら「荘園」に来ていないのでしょうか…? 」
執事
「 パンをお持ち致しました。あとこちらの方が…。 」
??
「 おはようございます。「ナワーブさん」と「Gireiさん」 」
執事と一緒に食堂に新しい人が入ってきた。
靴の音が食堂に響く。その人はフードを深く被っており、顔が視認できない。声は男性だろうか?女性の声にも聞こえなくはない。アルト…いや、テノールだろうか?
ナワーブ
「 あんた…誰だ…?初対面なはず…だよな…? 」
??
「 えぇ…。初対面ですよ? 」
Girei
「 初対面なのも確かです。あなたの正体を明かしてください。 」
??
「 まだ正体は明かしたくはないのですけど…。 」
少しうつむき、考え込んでいる様子だった。この角度から口元が少し見えた。
口元を見る限り、女性に見えた。微笑んでいる姿を想像してみると、明らかに女性にしかみえなくなった。
??
「 …そうですね…。私だけお二人のことを知っているのもなんですし…。正体を明かしましょう…。 」
イライ
「 私は占い師。名前はイライクラークです。 」
イライは席に向かって歩き出した。
イライ
「 お隣失礼。 」
イライが隣に来たとき、ふわっと香水の匂いがした。なんの匂いの香水だろう。
イライが座ったとき、ようやく顔がはっきりと見えた。黒い布になにかの文様が描かれている。黒い布のせいで素顔ははっきりとは見えなかったが、傷のようなものだろうか。目の下辺りにうっすら線が見えた。
Girei
「 …新聞…読まれるのですか…? 」
イライ
「 うん。新聞の記事を見るのが好きなんだ。例えばこの記事とか。 」
イライは動物に関する記事に指を指して言った。
イライ
「 私にはフクロウが居てね。そのフクロウは怪我をしてしまっていたんだ。怪我を治したから懐いてしまったんだ。そこから動物に興味を持ってしまってね…。 」
イライは動物が好きらしい。しかもフクロウという動物がいるらしい。私はそのフクロウとやらを見たことがない。
見たいという気持ちを抑えながら、私はイライに質問をした。
Girei
「 君は…女性かい…? 」
イライ
「 …いやまさか。私は男性さ。 」
まさかの返答に私は言葉が出てこなかった。
イライ
「 驚かせてしまったかな…?よく間違われるんだ。 」
よく間違われる…。すごく申し訳ない気持ちになってしまった。
ナワーブ
「 Girei。食べ終わったか? 」
Girei
「 はい。食べ終わりました…けど…? 」
ナワーブ
「 部屋に来てくれ。話したいことがある。 」
Girei
「 わかりました。 」
「 ではイライさん。また会えるときまで。 」
イライ
「 あぁ…。 」
私達は食堂を後にして、ナワーブの部屋に向かった。
ナワーブの部屋は私の隣の部屋だった。
部屋に入ると、目の前には机と椅子、隣に大きな本棚。本棚の横には高いものを取るための台が置いてあった。
ナワーブ
「 この本を見てほしくてな…。 」
ナワーブは背伸びをして、一番高いところにある本を取ろうとする。
背が小さいのに、あんな高いところにある本は取れるのだろうかと思っていた。
やはり取れない。
仕方なく、私は高いところにある本に手を伸ばすと、余裕で届いた。
Girei
「 はい。ナワーブさん。これですよね?取りたかった本は。 」
ナワーブ
「 身長アピールすんじゃねぇ。 」
Girei
「 ナワーブさん。あなた取れなかったじゃないですか。しょうがなく「 私が 」取ってあげたんですよ? 」
ナワーブは怒っていた様子だったが、私は面白がっていた。
ナワーブ
「 この内容を見たとき、俺はびっくりしたよ。 」
彼が私に見せてきたのは、「 Tag 」という題名が書かれてた小説。
私が内容を軽く見てみると
Girei
「 うっ… 」
内容は鬼ごっこの様子が書かれた小説だ。ハンターとサバイバーの2つに別れ、ハンターから逃げるといった話。
私が軽く内容を見たところは
ーーーー サバイバーがハンターに殺られてしまったところだった。
言葉で書いているのにも関わらず、嗚咽(おえつ)や人の叫び声、人の感情の動きまで忠実に書かれている。とても怖い。
ナワーブ
「 俺も最初に見たときはびっくりしたよ。…確か、「 Tag 」って訳は「 鬼ごっこ 」だったよな…? 」
Girei
「 あぁ。そうだったはずだ。 …「 鬼ごっこ 」か…。 」
私が次のページを開こうとすると、本から紙が落ちてきた。
Girei
「 …? なんだこれは…? 」
その紙を私が拾うと、その紙にはこう書いてあった
「 その一 この荘園からは二度と出られない
その二 恐ろしいハンターを相手にした特別な遊戯「 ゲーム 」が毎日開催されている
その三 遊戯「 ゲーム 」への招待状が届いたら参加は決定。逃げられない。 」
Girei
「 恐ろしい…。 」
Girei
「 …ウッ……!!? 」
喉の奥から何かが込み上げてくる。対応しようと口元を抑えようとした。
だが、間に合わずに涙と一緒に口から大量の吐瀉物(としゃぶつ)が出てくる。
私は彼の部屋で吐いてしまったらしい。
ナワーブ
「 おい…!?Girei!!? 」
??
「 いきなり失礼します。部屋入りますよ。 」
ナワーブが私に駆け寄ろうとしたとき、いきなり人が入ってきた。
ナワーブ
「 お前は…!さっきの占い師!? 」
イライ
「 Gireiさんが倒れると「 視た 」ので。大丈夫ですか? 」
Girei
「 ウエッ… 」
イライ
「 大丈夫じゃなさそうですね…。ナワーブさん。水を持ってきてください! 」
ナワーブ
「 お…おう…!! 」
私はそこで意識が薄れて倒れてしまった。
〜 人物紹介 〜
ナワーブサベダー
27歳 男性 164cm
出身階級 グルカ傭兵村
声 テノール
性格 極度の負けず嫌い 感受性豊か 分析力が高い
好きなもの マシェット 月光の夜
嫌いなもの イノシシ 面倒な客
一人称 俺
イライクラーク
21歳 男性 170cm
出身階級 中産階級
声 テノール寄りのアルト
性格 情報収集力が高い 周りをよく見る 冷静
好きなもの 鳥類
嫌いなもの 商人
一人称 私
「 pixiv辞典からの引用 」
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