黒木夫人が幻覚寺にやって来た。「この間の袋モモンガちゃんのオス、良かったら私が育てて見ようと思いますの。」亜漕は伊師井夫人から頼まれた話しを思い出し、「ああ、良かった!うちのエリザベスと双子なんだけど、2匹育てるのは難しいから。こんど夫人から預かってお届けするわ。」と言った。
「ところで、ちょっと見て…」スマホを差し出し写真を見せた。「あ、これは!」黒木夫人のオトコ妾のアンドレと夫人が写っていた。「彼が日本に来ていて、しばらく私のマンションに居るのよ。それでね、今度こそ変な女がつかない様に満腹寺で交換留学生と一緒に預かって貰え無いかしら?」「でもそうすると僧侶の修行だから…良いのかしら?」「もちろんよ。あたくしも尼僧になってしまえば、ここの宗派は結婚を認めるんでしょ?」「そりゃそうだけど…」「あたくしも身寄りが無いし、良いんじゃ無いかしら?」夫人は積極的で有る。しかしいわば亜漕達のパトロンで有る夫人に一緒に修行はさせられ無い。「わかったわ。金隠と良く相談して、私が伺ってお作法をお教えしましょう。」黒木夫人は喜んで帰って行った。
さてどうしようと、亜漕は黒木夫人に貰ったトルコ菓子を開けながら考えた。菓子はエキゾチックな包み紙を包装紙に使った、イチジクとチョコレートのクッキーだった。
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