※attention
こちらの作品は、
作詞作曲カンザキイオリ様の作品である
『あの夏が飽和する。』の
類司パロディです。
死ネタ、個人解釈、クズ代、闇司等有り
進級前です。
ある蒸し暑い夜。もう何年も、誰にも使われなくなった山小屋で僕達は身を寄せて野宿をしていた。
外から見れば分かる通り見た目は、ボロボロだから壁の板は隙間だらけで、風が吹くたびにかすかな音を立てる。
入ったばかりの時は、蜘蛛やゴキ、………Gがいて君が久しぶりに耳に響く声を真隣で上げた。
外は、真っ暗で何時か分からないくらい漆黒の闇に包まれていた。
星の方向で大体10時くらいだろう。
それにしても小屋の中は、暗過ぎるのと万が一君に虫が付いた時に対処が出来ないのは、困るから。
申し訳程度に小さい火を焚いた。
焚いた火は小さく影だけがゆらゆらと揺れていた。
それから僕は、天井の暗がりを見つめながらぽつりと口を開いた。
「……ねぇ、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
君は、あの日僕の家に来た時以来旅の中では余り喋ってくれなかったね。
今でも隣にいる僕に対して沈黙を貫き通していた。
僕は、返事を待たずに、続ける。
「いつかさ、……」
言葉を選ぶみたいにしばらく、一拍置いてから、ショーの語り役みたいに読む。
「夢見た、優しくて……」
「……誰にも好かれる主人公なら、…」
焚いた炎が、ぱちりと弾けた。
「……汚くなった僕たちのことも、見捨てずに、……」
「ちゃんと、救ってくれるのかな…」
僕の発した声は、とても静かだった。
祈りとも、独り言ともつかない。
それでも、 に問うような言葉では無く。
しばらくお互いの沈黙のあと、
君が、低く息を吐いて。
「……そんな夢なら」
俯いていた君がゆっくりと顔を上げで焚き火の光が、君の横顔を冷たく照らす。
「とっくに、捨てた」
少しも迷いのない低く落ちた声だった。
「……だって、……」
「……現実を、見てみろ、…」
ボロボロの小屋の隙間から、夜の生温い空気が流れ込む。
「……シアワセ、なんて四文字」
「……無かったじゃないか、…」
「……今までの人生で、嫌ってほど思い知っただろ……?」
僕は、何も言えなかった。
何故なら、 の言葉は、妙に信憑性があったしシアワセの四文字なんて、僕の人生にも無かったから。
は、潤んだ琥珀糖の瞳を僕に見せ続ける。
「……自分は、何も悪く無いって、…」
「……誰もが、きっと、そう思ってるんだ、…」
君のそれは、誰かを責める言葉じゃなかった。
自分自身に向けた、静かな断罪だった。
火が段々と小さくなっていく。
君と僕の夢の話はそこで静かに終わった。
夏の夜は深く二人を包んで離さなかった。
つづく………1500






