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ゆり組です
 好きな人の幸せを願えるのが愛
どっかで聞いたことのある言葉
だから、知らない彼女と歩く翔太を
ただ、黙って見ていたんだ
 そして
それを隠すように
自分も彼女と歩いて行く
 高校の同級生の翔太に恋をしたのは
入学してすぐ
新入生代表の挨拶をした翔太に一瞬で
心を奪われた
 彼女→また明日ね
 彼女には悪いのだが、一緒にいると気を使って
疲れてしまって、早く帰りたいとなってしまう
 疲れているのに、頭の中は
今日の翔太でいっばいになる
 家に帰る途中に小さな川が流れる
そこの土手に見慣れた姿があった
 涼→翔太?
呼びかけると振り向いたのは
まちがいなく翔太だった
翔太のほっぺが赤く腫れていることに気づいた
 涼→どうした!
 しばらくの沈黙のあと翔太が口を開く
 翔→振られた
 涼→仲よさそうだったけど
 この言葉が精一杯だった
目の前の翔太を引き寄せて抱きしめて
しまいたい気持ちが溢れそうで
隠そうと思えば思うほど言葉がでない
 翔→なぁ涼太?
涼→ん?
夕陽のあたる翔太はとてもキレイで思わず
見惚れる
 翔→オレがホントに好きな人が涼太だって
わかったって言ったらお前どうする?
 その言葉に抑えていたものが崩壊した
 翔→!?りょーた?
 翔太の声で我にかえった
気付いたら抱きしめていた
 あまり背は変わらないけど
愛しくて愛しくて何度も何度も
頭の中で抱きしめた翔太の身体を
これでもか!というくらい抱きしめた
 涼→オレもだっていったらどうする?
 その言葉に翔太がギュっと腕をまわして
くれる
 涼→とりあえずほっぺ冷やそう?
 翔太の手を握り家へ帰る
部屋に入り顔を冷やす
 そんな時にメールが届いた
 翔→いいのか?彼女だろ?
 翔太の言葉に携帯を閉じる
 涼→いいんだ こっちも終わったから
 翔→は?
 彼女は元彼に浮気されその腹いせに
自分と付き合って、元彼のところに戻る
というメールだったことを翔太に伝える
 涼→翔太の幸せを願いながら生きようと思って
いたんだ
 翔太は目を見開いた
 涼→翔太?
翔→ん?
 翔太の返事も聞かず、翔太の唇を奪う
 翔→!!んっ
涼→オレの大切な人でいてよ
翔太が小さく頷く
夕陽の沈みそうな部屋で
もう一度翔太を抱きしめた