テラーノベル
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『ただいまより、サバイバルゲームを開始いたします』
その音声と同時にモニターに表示されたのは恐らくルールと思われるもの。モニターはタッチパネル式で自由に動かしてみることができた。座間と一緒に見ていく。
1:本ゲームは基本的に二人一組で行うものとなります。政令指定都市および中核市、それに移行予定の皆様に1つ市を挙げていただき、その市を相方としてお呼びいたしました。また、政令指定都市が中核市を指名した場合は政令指定都市の意向が採用されます。他、ある中核市が他の中核市を指名し、指名された側の中核市が一般都市を指名していた場合はある中核市側の意向が採用されます。
本ゲームにおいて東京都特別区の参加は許可されています。東京都特別区においてのみ、個人での参加となります。
貴方の所為じゃん、と言いたげに座間は僕の方を見てくる。やっぱりあの紙がそうだったか。その視線に耐え切れなくなって、市の名前を書いたときは知らなかったんだよ…と明かした。座間はふぅんと返してくれたが、納得はしていないような、そんな雰囲気を感じた。
「というか、ゲームって何するんだろうね。サバゲーとかFPSとかかな」
僕もそうだったらいいと思った。座間の疑問に対しての答えは次のルールに記載されていた。その文言を見て、僕は絶句した。
2:本ゲームで行っていただくのは生き残りをかけた選別です。最後の一組になるまで本ゲームが終了することはありません。
「…つまるところ、殺し合い…?」
そうなるね、と彼女は即答した。あまり驚いていないような、心のどこかでは納得したような表情だったのが気になった。先ほどの疑問も、もしかしたらこんなのだったらいいなという希望的観測から出た微塵も思っていないことだったのかもしれない。どこかで、覚悟していたのだろうか。
「なんで相模原が驚いてるの…?」
「いやいや、え、驚くでしょ?!殺し合いだよ?!無理だけど?!嫌だよ?!」
「嫌なのは座間もだけど、何平和ボケしてr…あ、そっか、相模原って昭和の生まれだったね」
座間はそういうと、なら仕方ないよね、と言った。昔って、怖いかもしれない。次を見ようと座間が催促したことでようやく次のルールに進んだ。
3:政令指定都市の区を利用することはできません。その他ルールによる縛りはありません。
「つまり、政令指定都市じゃない限り、制限らしい制限はないってことだね」
「あぁ…僕個人の責任が重くなる…」
嘆きながら次々とルールを読み込む。他は細々とした規則とインカムの説明だけだった。どうやらこの空間ではスマホが使えないらしい。そういえば、スマホがなかった。それに気が付いてなかった僕に、僕は驚いたけど。
離れたときの連絡手段とゲーム運営からの情報通達も兼ねているインカムのようで、メニューを押すと目の前にブルースクリーンが現れる。近未来的な代物だ。
最後に、すべて読み終えましたか?という問いがモニターに映し出された。はい、と、まだ読み終えていないという選択肢を選ぶ必要があるようで、座間に許可を取ってはいの方を押した。…まぁ、座間曰くインカムのメニューからルールを見ることはできるようなので、忘れた場合後から確認することも可能だろう。
しばらくの間、二人でインカムの機能をいろいろと試していた。特に参加都市の確認。少なくとも現在見ることができる限りでは政令指定都市と中核市を見せている都市たちを見ることができた。明かされているところ同士が組んでいる場合は公開されるようで、現に横浜と横須賀のペアを見つけた。ただ、所謂座間のように中核市や政令指定都市が指名した都市の情報も明かされてはいなかったうえ、恐らく中核市移行予定都市も見ることができないだろう。何処がいたか、なんて覚えてないが、政令指定都市と中核市以外の都市が見えないから、そう考えるのが妥当だ。ルールの方を見るに、明かされるのは相対したときのようだ。
あとは、座間と作戦会議をして――。そう考えていた時だった。
ウィーンと機械的な音がして、白い部屋に扉が現れる。そしてモニターから機械音声の案内放送がかかった。
『全参加グループのルール確認が完了いたしました。扉を抜けた先が会場となっておりますので、お早めに扉の奥へ参られるようお願い申し上げます』
「…あ…」
「んまぁ、作戦とかどうこうよりも、相模原が同類を殺すことへの覚悟の方が座間は大事だと思うけどね」
接敵したときのこととかは心配しなくて大丈夫だよ、と座間は微笑んだ。
「相模原に合わせるのが、座間の役目だからね」
相模原の好きにやればいいの。逃げたっていいし、戦ったっていい。わかった?そういうと座間は扉の方に向かって歩いていく。
「わ、わかったからちょっと待ってよぉぉぉぉ」
僕も慌てて座間の後を追って駆け出した。…ねぇ、これ僕がお前に振り回されてない?僕がお前に合わせてない?気のせい?
『サバイバルゲームを開始いたします。参加72ペア、1■■個体。ただいまより、ゲームをロード中。しばらくお待ちください――。』
『warning warning システムに異常発生。■■削除要請。――削除要請を許可。■■を削除――完了。』
『Error。データの不足箇所があります。そのまま実行しますか。 →はい いいえ』
『データを取得時、新たに組み込みますか。 →はい いいえ』
『因子を発見。■■■を削除要請。――削除要請を拒否。■■■を削除要請。――削除要請を拒否。■■■を削除要請。――削除要請を拒否。■■を削除要請。――削除要請を拒否。■■■を削除要請。――削除要請を拒否。■を削除要請。――削除要請を拒否。■■■を削除要請。――削除要請を拒否。』
『重大な破損が起こる場合があります。データを削除しますか。 はい →いいえ』
『破損により復元不可能になる恐れがあります。バックアップを作成しますか。 はい →いいえ』
『システム動作確認。――完了。ただいまより、ゲームを起動します。』
『 warning warning warning warning 』
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