テラーノベル
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「ッ、、いだっ、い、、」
激しい音を立てて廊下の床に倒れ込んだイギリスは、床にぶつけた膝や腕の痛みに、思わず小さく声を漏らした。右目のモノクルが床に当たり、薔薇と長方形の飾りが冷たい金属音を立てて跳ねる。
普通なら、ここで痛みに顔をしかめてうずくまるはずだった。
「イギリス!」
後ろから迫るフランスの焦った声が聞こえた瞬間、イギリスの身体に弾かれたような緊張が走る。
追いつかれる。見られる。弱りきって、無様に転んだ自分を。
「……っ!」
イギリスは痛む身体を無理やり奮い立たせ、床に手をついて必死に立ち上がった。シルクハットが深く目深にズレ、近視の視界はさらにぼやけていたが、そんなことはお構いなしだ。
「知りません……っ、来ないでください……!」
引きずるような足取りから、再び無理やり速度を上げて走り出す。
黒いタキシードの背中は、痛みのせいで心なしか小さく縮こまって見えた。
「おい、バカ! 立ち上がるな、待ちってば……!」
フランスの声に、明確な焦りと怒りが混じる。
昔からよく知っている。あいつは一度こうして意地に入ると、自分の身体が壊れるまで止まらない。植民地の親として君臨し、常に気高くあろうとしてきたプライドが、今のイギリスを無理に突き動かしているのだ。
(あんなに足をもつれさせて、これ以上走ったら本当に大怪我する……!)
フランスは右利きの足を力強く踏み込み、廊下の床を蹴った。
限界を超えてなお逃げようとするイギリスの背中に向かって、フランスの手が伸ばされる。
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コメント
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第4話、読み終わりました……! イギリスが痛みを押してまで逃げる姿と、それを追うフランスの焦りが交錯するシーン、すごく胸が締め付けられました。「知りません……っ、来ないでください……!」の台詞、あの必死さが伝わってきて、もう片方の手が伸びたところで終わるラストの余韻がたまりません。二人の関係性の奥深さがじわじわ効いてくる回でした……! 続きが気になります🌷