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既に上半身が裸にされた逃げられない状況の中、橋本は密着するように正座している宮本に跨り、下半身をすりすり擦りつけながら抱きしめた。
「なぁ雅輝」
「はいぃっ!」
吐息と一緒に、耳元で甘く囁かれる自分の名前を聞いて、宮本は背筋をぴんと伸ばして姿勢を正した。間髪おかずに空気を吸い込む音が聞こえたと思ったら、橋本の顔が正面に移動するなり、宮本をぎろりと鋭く睨みつけた瞬間――。
「ごちゃごちゃうるせえんだよ、このクソガキがっ! こっちは覚悟ができてんだ、つべこべ言わずにさっさと抱け!」
焦れまくった読者の感想を代弁するセリフを、吐き捨てるように怒鳴った橋本に、宮本は恐れおののくしかない。
「ヒイイッ! ごめんなさいです、抱かせていただきます!」
甘く囁かれたあとに、ぎゃんぎゃん怒鳴られるなんて思いもしなかったせいで、宮本は両目をぎゅっとつぶって、反射的に元気よく返事をした。
「怯えてるくせに、しっかり勃起してるなんて、おまえってば、やっぱりおかしすぎる」
怒ったと思ったのに、すぐさま笑いかけた橋本を目の当たりにして、ますますどうしていいかわからなくなる。
橋本は宮本の躰から腰をあげて立ち上がり、さっさとベッドに横たわると、空中に両腕を差し出した。
「美味しくいただいてくれ、ほら」
「は、はぃ」
宮本は正座で適度に痺れた足をそのままに、よろけながらなんとか立ち上がり、いそいそとベッドにあがり込むと、待っていましたといった感じで、橋本の腕が宮本を引き寄せた。
「俺は後悔なんてしない。絶対にだ」
リビングの明かりが、真剣な表情の橋本を綺麗に照らし出す。
「陽さん――」
「おまえに抱かれたいと願ったから、後悔なんてありえないんだ。それくらい理解しろよ……」
他にも何か言いかけた唇を、宮本は迷うことなく塞いだ。橋本とキスをするのは、これで3度目――しかもベッドの上で橋本に跨った状況下で、興奮せずにはいられない。
キスしながら、左手を首筋から鎖骨に滑らせる。橋本の肌の質感をてのひらに感じて、先ほどの緊張が戻ってきてしまった。