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『無気力組、共同生活中。』④――それぞれの「気づき」
「そろそろ体育館行くぞー!」
廊下から先生の声が聞こえた。
「……もう?」
研磨がベッドからゆっくり起き上がる。
「時間経つの早すぎ……」
角名も身体を起こす。
「まだ寝たい」
「僕も」
国見が小さく呟きながら靴を履く。
「……行くか」
白布が立ち上がる。
その瞬間――
「……」
少しだけ身体が揺れた。
「白布?」
赤葦がすぐに見る。
「大丈夫」
「本当に?」
「……大丈夫」
赤葦は少し心配そうにしながらも頷いた。
「じゃあ、ゆっくり行こう」
6人で体育館へ向かった。
体育館。
「よろしくお願いします!」
大勢の声が響く。
久しぶりに会う選手たちも多い。
「おー!国見ちゃん!」
聞き覚えのある声。
国見が顔を上げる。
「……及川さん」
及川がニコニコしながら近づいてくる。
「久しぶりじゃん!元気?」
「……普通です」
「相変わらず冷たっ!」
その後ろから岩泉が来る。
「及川、邪魔すんな」
「岩ちゃんひどい!」
岩泉は国見を見る。
「……お前、顔色悪くね?」
「え?」
国見が自分の頬に触れる。
「そうですか?」
「そうだよ」
及川もじっと国見を見る。
「ほんとだ。いつもの『めんどくさい』って顔より元気ない」
「それ褒めてます?」
「褒めてない!」
岩泉が及川の頭を軽く小突く。
「国見、無理してねぇだろうな」
「……してないです」
「ならいいけど」
岩泉はそう言ったものの、国見から目を離さなかった。
練習が始まる。
最初は軽いアップ。
国見もみんなについていく。
けれど――
少しずつ、動きが遅くなっていく。
及川がそれに気づいた。
「……国見ちゃん?」
国見が振り返る。
「何ですか」
「ちょっと止まって」
「?」
「岩ちゃん」
「分かってる」
岩泉が近づく。
「国見」
「……はい」
「座れ」
「まだ大丈夫です」
「いいから」
低い声。
国見は少し黙ってから、
「……はい」
ベンチに向かおうとする。
しかし――
「……っ」
足が止まった。
身体がふらつく。
「国見!」
岩泉がすぐに支える。
「……すみません」
「謝んな」
及川もすぐ横にしゃがむ。
「国見ちゃん、今日はもう休も?」
「……でも」
「でもじゃない」
岩泉が言う。
「倒れるまでやる必要ねぇだろ」
国見はしばらく黙っていた。
「……分かりました」
及川がほっとする。
「よし。いい子!」
「子供じゃないです」
「そこは元気じゃん!」
「……うるさい」
少しだけ、いつもの国見に戻った。
その頃。
「研磨」
黒尾が声をかける。
「ん……?」
「お前、さっきから動き遅くね?」
「……疲れた」
「疲れたって顔じゃねぇぞ」
研磨がボールを拾おうとする。
そして立ち上がった瞬間――
「……」
身体がぐらつく。
「おい!」
黒尾が肩を支える。
「研磨、大丈夫か?」
「……ちょっとフラフラする」
「最初から言えよ」
「言うのめんどくさかった」
「そこはめんどくさがるな!」
黒尾は研磨をベンチへ連れていく。
「今日は休みな」
「……うん」
一方、月島。
「ツッキー」
山口が声をかける。
「何?」
「なんか今日、動き遅くない?」
「……そう?」
「うん」
月島は少し黙る。
「……ちょっと体調悪いだけ」
「やっぱり!」
山口が心配そうにする。
「休もうよ」
「大丈夫だから」
「でも――」
月島が一歩動いた。
「……」
そのまま少し立ち止まる。
「ツッキー?」
「……ちょっと、休む」
「うん!」
山口がすぐにベンチまで付き添う。
「無理しないでね」
「……ありがと、山口」
山口が少し驚く。
「えっ」
「何」
「いや……ツッキーが素直だから」
「うるさい」
そして角名。
「角名!」
宮侑が声をかける。
「何?」
「お前さっきから壁にもたれすぎやろ」
「ちょっとフラフラするだけ」
「それをフラフラする言うんや」
侑が角名の顔を覗き込む。
「顔色悪いで」
「そう?」
「そうや」
「……じゃあ休む」
「最初からそうせぇ!」
角名はベンチに座る。
「侑、うるさい」
「心配しとんねん!」
「はいはい」
「なんやその態度!」
角名が少し笑った。
その頃、白布も一人でベンチに座っていた。
「白布?」
赤葦が声をかける。
「……少し休んでる」
「大丈夫?」
「大丈夫」
「本当に?」
「……」
白布は少し考える。
「正直、ちょっとしんどい」
「じゃあ今日は無理しないで」
「分かった」
赤葦が隣に座る。
そして体育館を見渡す。
国見のところには岩泉と及川。
研磨のところには黒尾。
月島のところには山口。
角名のところには宮侑。
白布の隣には赤葦。
「……」
6人とも、それぞれ誰かに気づいてもらっていた。
赤葦が小さく笑う。
「みんな、ちゃんと見てくれてるね」
白布が体育館を見る。
「……そうだな」
国見のところでは、及川が何か話している。
「国見ちゃん、今日の午後は絶対休むこと!」
「……分かりました」
「返事ちっちゃ!」
「うるさいです」
岩泉が笑う。
「少し元気出てきたな」
黒尾は研磨に水を渡している。
「ほら、ゆっくり飲め」
「ありがと」
山口は月島の荷物を持っている。
「ツッキー、これ僕持つよ」
「……ありがと」
侑は角名の隣でまだ何か喋っている。
「だからな、体調悪いときは――」
「侑」
「なんや」
「静かにして」
「なんでや!」
体育館に笑い声が広がる。
体調が悪い5人は、まだ本調子ではない。
それでも――
一人じゃなかった。
赤葦と白布だけじゃない。
それぞれを気にかけてくれる仲間が、ちゃんとここにいた。
そして、その日の練習は――
5人の体調を見ながら、無理のない範囲で進められることになった。
私の夢小説は全部かけてから一気にだす派?
なので投稿が遅れたり物語が途中できれたりはないと思います!
一応小説はここで終わります!
続き見たい人はコメントしてください
!!
74
桜空

1,852
#ハイキュー
もちもちうさぎ@限界生命
2,419
komu
コメント
1件
第4話、読み終えました!それぞれの“気づかれ方”がすごく丁寧で、じんと来ましたね。国見の冷たい返しや研磨の「めんどくさい」が本調子じゃないからこそ心配になるし、岩泉さんや黒尾さんたちが無理をさせないように支える距離感が、本当に優しい。赤葦の「みんな、ちゃんと見てくれてるね」という言葉が、この話のすべてを優しく包んでいて、とても好きな一文です。体調が悪い中でも一人じゃない、それがちゃんと伝わってくる温かい回でした。続き、ぜひ読みたいです!