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ゴシゴシゴシ……


『お兄さん、かゆいところはありませんか?』


「……ない」


弔くんの頭を洗ってあげてます。



女の子みたいに長い髪。


ウェーブがかかった綺麗な水色の髪も濡れるとストレートになり背中ぐらいまでになる。


『弔くんの髪、綺麗だね』


だなんて言うと


「そんな事ない」


とキッパリと言われる。


私と一緒。


弔くんも____



一緒なのかな……?


私と同じ事……





________________



チャポン



弔くんの体も洗い終わり、一緒にお風呂に浸かってる。



弔くんが後ろから抱きしめるように入ってる。


緊張もするけれど、なんだか今は安心していて____




「……」


『……』



無言の時間が続く。


余計緊張して自分の心臓の音が聞こえてくる。


なにか……なにか話題を。



『……弔くんは何歳なの?』


なんてたわいもなさすぎる会話だろうか。


「……確か、20」


『20?!?!?』


思わず、大声を出してしまった。


「そんなにびっくりする?笑」


そうやってフ……と笑う、


濡れた髪でオールバックの弔くんは

とても20歳の青年のような幼さはなくて____


『弔くん、両親は?』


この質問で私は____


「両親?



俺が殺した」




『え?』



「俺が、殺したよ」



そう、言う弔くんは口元は笑っていたけれどその表情の奥からは辛く____寂しそうな


小さな子供のようなものを感じた。



私は



後ろを向いて



弔くんの頬に手を触れる。


「ん?どうしたの?」


弔くんは言う。



『弔くんの個性、なんだっけ』



「……崩壊だけど」


私の個性、


無効化。



もし、もっと早く出会えていたら____


あなたはこんなに悲しそうな辛そうな顔をせずに居られただろうか。



両親を自分の手で、幼い頃に殺めてしまった。



あなたは自分を、この個性を

許せるのだろうか____




「やっと出会えた」


弔くんは私に出会った時にそう言った。


なんの事かと思ったし

全て捨てて

なんでこんな所に連れてこられたんだと

最初は腹が立つしかなかった。



けれど


分かった気がする。



弔くんが言ってくれた言葉。



『やっと、出会えたんだね』



そう言って、


私は弔くんにキスをした____






とむらくんといっしょ。

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コメント

2

ユーザー

キャー!!(*ノωノ)(?)

ユーザー

初コメ失礼……… 墓、作ってきます、(?)

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