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紀行文

3 - 第3話 憶測の真相

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2025年05月28日

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紀行文を読み終えた二人の中にしばらくの間、沈黙が流れた。そんな時、波島が口を開いた。

「彼は凄い人間になっただろう」

「ん?」

金子はそれに対し、疑問をいだいた。

「どうしてそういう結果に?」

「秋庭さん。筆跡鑑定できますか?」

金子の質問を無視し、波島は秋庭に声をかける。

「は…はい。可能です」

「ではお願いします」

「無視しないでくださいって!」

金子は声を張り、波島に向かって言った。

「お前が苦しい思いをしてもいいのなら真相を話そう」

金子は固唾をのむ。そして、少し経った後こう言った。

「理由はわかりませんがはい」

波島はそれに対し、「ふっ」と笑う。しかし、すぐにその表情は強張り、真相について話し始めた。

「この紀行文。違和感がある。まあありすぎだがな。まずその前に金子。お前は佐藤のファンと言ったな?だが、遺体を見た時、冷たかったが?」

「あ〜いや〜……」

「ふっ。まあ話を戻し、紀行文。まず俺が違和感を持ったのは一番最初だ。佐藤は全国旅を始めた=やりたいことはなるべくやる。ばずだろう?しかし、彼は奇妙だ。人力車を見た際、彼はこう言っている。“時間があれば人力車に乗ろうと思う”時間があれば。そこに俺は引っかかった。そこでまあ憶測に過ぎないが彼は調べ物をするため全国旅という名であることを調べ始めたまたは探し始めた。その旅途中、彼は持病が悪化し、不幸なことに亡くなった。その後の記録の仕方が全く違うからな。〇〇をした。次回はどこどこへ行く。最初と比べればよくわかるでしょう?俺が着目したのはここだ。そこで紀行文を秋庭さん達に筆跡鑑定してもらいたいと思っている。」

「…」

「では秋庭さんお願いします。俺は少し、調べ物をしたいと思いまして」

そういい波島は外へ、秋庭も紀行文を持って部屋を出た。一人残された金子はこの部屋の中央で立ち尽くしていた。


誰も入ってこないこの部屋の中央で金子は下を向きながら立っていた。

「僕は…僕は…」

彼はスーツのポケットに入っていた一つの小さなノートを取り出す。そして、ノートの紙をビリビリと破りだした。

「佐藤さん…」


波島は署を出て、とある家の玄関前にいた。

「藤澤さん」

この家はとても古く、インターホンがないため、出入り口のドアをひたすらノックするしかない。波島は先程の苗字を言いながら何回も家主が現れるまでドアを「コンコン」とノックし続ける。

「へえ〜」

そう家の中から声が聞こえると波島はノックをやめ、ドアが開くまで待っていた。

「お〜波島さんじゃあありませんか!どうぞこちらに」

中から出てきたのは気のいい60〜70代ほどの小太りの男性だった。彼が藤澤という人なのだろう。彼は波島の事を見ると自宅の居間へ案内した。

「へえへえ。いや〜波島さんでしたか。強張った表情の刑事がいたもんでしたから何事かとね。え〜どうぞそちらにお座りください」

居間のちゃぶ台の近くに波島が座るよう、藤澤が言うと波島は言われるがままそこに座った。

「ちょっとおまちください」

そういい、藤澤はキッチンと思われる部屋へ入っていった。

居間のそこかしこにある棚の上にはいくつもの年季の入った置物のようなものが置いてある。しかしどれも錆びていたり、欠けていたりしていた。

「どうぞ」

藤澤がちゃぶ台の上に麦茶の入ったガラスの透明なコップを置く。

「ありがとうございます」

波島がそういうと藤澤は波島の反対側にあぐらをかいて座った。

「こんなときにすみません。藤澤さん」

「いえいえ構いませんよ。まあでも、子が亡くなるのは悲しいですね。これからあっしはどうなってしまうのか…」

「それでその子に関して話が聞きたいんですがいいでしょうか?」

「へえ。佐藤明久琉ですよね?」

「ええ」

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