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蒼依
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夕暮れ時のリビングは、いつも通り賑やかだった。
ここは高校生6人が暮らすシェアハウス。学校も学年もバラバラな彼らだが、一つだけ共通していることがあった。それは、同じ屋根の下で、それぞれ「特別な相手」と内緒の恋を育んでいるということだ。
〜なつこさ〜(リビングの特等席)
「ねえ、なつくーん。ここ、数学の課題なんだけど全然わかんない。教えて?」
ソファでノートを広げたこさめが、隣に座るなつの袖をくいっと引っ張った。うるうるとした上目遣いは、計算なのか天然なのか、いつもなつの心を狂わせる。
「…どこ? あー、ここな。公式の使い方が逆」
なつは溜息をつきながらも、こさめの手元に顔を近づけた。自然と2人の距離がゼロになる。なつがシャープペンを握るこさめの手に自分の手を重ね、優しく動かした。
「ひゃっ、なつくんっ、手、重い…っ」
「静かにしろ。みんなに見つかったら面倒だろ」
なつが耳元で低く囁くと、こさめの顔が一気に真っ赤に染まる。なつは誰も見ていない隙を見計らって、こさめの赤くなった耳たぶに、ちゅっと小さくリップ音を響かせた。
「っ…! ばか、なつくんの意地悪っ…」
ノートで顔を隠すこさめを、なつは満足そうに目を細めて見つめていた。
〜すち みこ〜(キッチンでの秘密)
「すちー、今日のご飯なに? 僕、手伝うよ!」
キッチンでエプロン姿のすちに声をかけたのはみことだ。料理上手なすちの後ろから、ひょっこりと覗き込む。
「今日はハンバーグ。あ、みことはそこに置いてある野菜洗ってくれる?」
「はーい!」
嬉しそうに蛇口をひねるみことの背中を、すちは愛おしそうに見つめた。いつも一生懸命で、どこか放っておけない存在。
みことがレタスを洗い終え、「できた!」と振り返った瞬間、すちがその行く手を阻むようにキッチンのシンクに両手を突いた。いわゆる、キッチン壁ドンだ。
「わ、わっ!? すち、急にどうしたの…?」
「んー、みことが可愛すぎて、ご飯作る集中力切れちゃった」
すちはふにゃりと柔らかく笑いながら、みことの頬に触れる。
「みんな、リビングで騒いでるから気づかないよ」
そう言って、すちはみことの唇にそっと自分の唇を重ねた。優しくて、どこか強引なキス。みことは驚いて目を丸くしたものの、すぐにトロンとした目でそれを受け入れた。
「…ん、すちのご飯、もっと美味しくなっちゃうね」
はにかむみことの頭を、すちは愛おしそうに何度も撫でた。
〜いるらん〜(静かな夜のベランダ)
夜も更け、他の4人がリビングでゲームに熱中している頃。
いるまは一人、夜風に当たろうとベランダへ出た。缶コーヒーを一口飲んだところで、背後のカーテンが開き、リーダーのらんが姿を現した。
「やっぱりここにいた。いるま、お疲れ」
「らん。お前も夜更かしだな」
らんはいるまの隣に並び、手すりに寄りかかる。昼間はみんなをまとめるしっかり者のらんだが、いるまの前で見せる顔は少し違う。
「ねえ、いるま。今日、全然話せなかった」
らんが少し寂しそうに、いるまのブレザーの裾を掴んだ。普段の男らしい姿からは想像もつかない、甘えたような声。
「…しょうがねぇだろ。学校じゃクラス違うし、家じゃアイツらがうるせぇし」
いるまは不愛想に答えながらも、持っていた缶コーヒーを置いて、らんの腰をぐっと引き寄せた。
「わ、ちょっと、いるま…っ」
「誰も見てねぇよ。…寂しがらせて悪かったな」
いるまはらんの顎をくいっと持ち上げると、深く、熱いキスを交わした。らんの手がいるまの首に回り、お互いの体温を確かめ合うように強く抱きしめ合う。
離れたとき、らんの瞳は潤んでいて、普段の「しっかり者」の面影はどこにもなかった。
「…明日も、ちゃんと構ってよね」
「あぁ。覚悟しとけよ」
いるまはニヤリと笑い、らんの髪を優しくくしゃくしゃにかき混ぜた。
6人の笑い声が響くこのシェアハウスでは、明日もまた、誰にも言えない甘い秘密が生まれていく。
コメント
5件
え、天才じゃん! めっちゃ好きなんだけど!
柚さん、こんにちは!読みました〜😭💕 甘すぎて胸がもげそう…!なつくんの耳元囁き&ちゅっ、反則すぎるでしょ!すちのキッチン壁ドンにもギャン泣きしたし、らんがいるまの前でだけ見せる甘えた顔、そのギャップやばくないすか…?!3カップルそれぞれ違う雰囲気の秘密感が良すぎて、続きが待ちきれないよ〜🌸 柚さんの紡ぐ甘々世界にドはまり確定です!!次の話も楽しみにしてますね⋆♡