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ここは、どこだ?見慣れた天井だ。窓の外を見てみればすっかり日は暮れていて、壁にかけられている時計を見てみれば、時刻は夜の8時だった。そして、隣を見てみれば何やら美形な男子が…。
「これ…鈴助じゃん…。」
あぁ〜?何やら記憶が蘇ってきたぞぉ?
-遡ること4時間前-
「おい…鈴助。こんな格好で帰れるか…。早く…、下ろせ。」
「何言っちゃってんの綾。流石にお姫様抱っこで帰るのは嫌だと思っておんぶにしてあげたのに、今ここで下ろすなんてことこそ綾の一番の恥だよ。」
「はぁ…?何言って…。」
「…綾の綾が当たってるんだけど?」
「うぇっ?…は!?」
この一瞬で俺の顔から蒸気が吹き出したんじゃないと思うほど、顔が熱くなった。な、なんで?てか、鈴助はなんでそんな冷静なんだよ?
「まぁ、責任はとるって言ったからね。」
「な、何言って…???」
そんな俺の問いには答えることなく鈴助は帰路に着いていく。
「今俺の家に行ったところで、親が依頼した清掃業者がいるんだよね。」
「な、なんで急にそんなこと言って…」
そして何十分か歩いた末に、俺の家が見えてきた。
「綾、鍵もってる?」
「え、?あ、あぁ。持ってる」
とりあえず鈴助に家の鍵を渡し、鈴助は俺の部屋へと直行して行った。鈴助は俺をベッドの上におろすと、衝撃的な一言を発してきた。
「じゃあとりあえず、綾、ズボン脱いで?」
「は??????」
言われていることの意味がまるで理解できない。ズボンを脱げ??なぜそのようなことをするんだ??
と、そのようなことを考えているうちに俺のズボンは鈴助にとっぱられていた。
「は??おま、何してっ?」
「いや、何って…、責任取るって言ったじゃん。綾の綾をこんなにしちゃったわけだし?」
そう言うと鈴助はおもむろに視線をしたに下ろす。こんな自分が恥ずかしい。ま、まさか、こいつは自分がヌいてやるとでも言っているのか??責任とはそういう…?!
「い、いやいや!こんなん自分でできるし?鈴助はもう帰ってもらって大丈夫って言うか?」
「いーや?俺は帰らないね。責任は責任だし、正直こんな綾見れんの今のうちだしね、だからさっ!」
鈴助がそう言うと同時に、俺の体は向きを変えられ鈴助と向かい合う形で座らせられる。体は鈴助にガッチリと固定され、非力な自分では抜け出せそうにない。向かい合い、鈴助と視線が合うと、顔がとても熱くなった。なんなんだこの感情は。この感情は俺が感じてはいけないものだ。
「綾」
鈴助の声が部屋に響く。誰もいないこの家で、鈴助と自分2人きり。鈴助のいつもより少し低い声が耳を刺激する。
「綾、じゃあキス…していい?」
「な、なんでだよ…また、恥ずかしい…。」
「こういうのは気分からだよ、ほら俺に任せて…?」
その声はいつもより近くで聞こえた。囁いているのだ。途端に耳が熱くなる。その声が耳に響く度、体がビクつく。体に力が入らなくなる。耳から口へ、攻められる。口の中に鈴助の舌が入ってくる。このキスのせいで何回も変な気分にされて、その度に”気持ちいい”と感じてしまう。そう、感じてしまった。
「んっぅ、くちゅ、はっ、あッ、んぁっ」
1度そう感じてしまえばもうダメだ。それに頭が一気に支配される。求めてしまう。求めれば求めるほどそのキスは激しくなり、熱を帯びていく。そんなキスをしているというのに、鈴助の手は下へと伸びていって、俺の俺に触れ、手を動かす。
「ひっぅ、あっ、いやっ、ちょっ…まッぁ」
自分の口から出る声は鈴助の舌で絡め取られるように消えていく。ただでさえ向き合っている状況で、目の前に鈴助の顔がある。恥ずかしい、そう思っているはずなのに、俺の体は抵抗しようとしない。できない。絶え間なく身体を巡る快楽は、まるで毒が巡ったかのように体の自由を奪っていく。目の前が涙で滲んで見えなくなってきた。鈴助は、どんな顔をしていたんだろう。俺をこんなにしておいて。今はもはや顔を確認するすべはない。今も尚口の中を掻き回し続ける舌は、俺を刺激する。下半身は鈴助の手で絶え間なく快感を与えられ続けている。 口から発せられる声は甘く、とろとろに溶かされていく。
「あっ、鈴ッ…助…イっ、ちゃう…って」
「…いいよ。綾のイってるところ見せて?」
「あっぅ、イッ…」
そして、俺はついにイってしまった。それも、幼馴染の手で。太ももから膝下まで体液が伝っていく。鈴助の手は俺の体液で濡れていた。
「はぁっ、はっぁ…」
「うん、頑張ったね」
その声はいつの間にか耳元で聞こえていて、それと同時に向き合っていたことに対して恥ずかしくなってきた。途端にまた全身が熱を帯び始める。
「鈴…助、」
「どうしたの?」
「ちょっ、と…は、恥ずかし…い」
自分が発した声はか細すぎて聞こえたか怪しかったが、鈴助はちゃんと聞き取れたようだ。すぐに体勢を変え、目を逸らした。その隙にサッとズボンやらを履き、また鈴助に向き直った。
「ご、ごめん、綾。調子乗った。嫌だった…よね…?ほんとごめん…。」
こいつ、さっきの威勢はどこに行ったんだ。さっきまでの男前はどこにッ!さっきのが狼だったら今は子犬だな。
「別にいい。こっちこそお前に迷惑かけたな、家まで送ってもらったわけだし…。まぁ、こんなふうにされるとは思ってもみなかったけどな…」
そう言うとしばらく沈黙が訪れた。とても気まずい。お互いあんなことをした後では少し冷静になる。冷静になって考えてみれば、あの時の俺はどうかしてた。幼馴染のあいつに、あ、あんな感情を抱くなんて…。この感情は犬飼さんにも感じたことの無い感情だ。でも、あいつにあんなことをされても不思議と嫌ではなかったというか…、いや、これはどうかしてるかもな。
「本当に、ごめん…なさい。き、嫌いになった…?」
なんだかそんな様子のこいつを見ていると少しムカついてきた。あっちからあんなことをしてきたというのに、今じゃこんな下手に出ている。それに腹が立った俺は鈴助の口に自分の口を押し当てた。もちろんノーマルキッスだ。
「綾っ、んむ…」
あいつからまた舌を入れてくることはなかった。だが、そのキスを拒む様子はない。なんなら俺のキスを受け入れているようにも感じる。それは俺も同じで、ずっとこの状態で至っても構わないとも感じる程だった。
あぁ、この関係をなんと言葉で表そうか…
でも今は、純粋にこの関係が続いて欲しいと思った。
まだこの気持ちには気づきたくなかった。
to be continued…_