テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
重苦しい沈黙が続く中、ちぐさがポンっと自分の頬を叩き、あえていつもの眩しい笑顔を作って声を張り上げた。
ちぐさ 「よしっ! この部屋じゃちょっと暗いし、寒気もするし! みんなでリビング行こ! ねっ! ぷりちゃんも広いところの方がいいでしょー!」
その声に込めたちぐさの想いを、メンバーはすぐに察した。
いつまでも重い空気のままじゃ、ぷりっつの心も沈んだままだ。
けちゃ 「いいね! 僕、あったかいお茶淹れ直すよ! 甘いものもあったかなぁ~」
あっと 「じゃあ俺はリビングのクッション集めてふかふかの席つくるわ。まぜ、手伝え」
まぜ太 「おう! 任せろ! 最高の特等席つくってやるからな!」
みんなが努めて明るく振る舞い、リビングへと動き出す。
あっきぃはぷりっつの目線に合わせてしゃがみ込むと、優しく頭を撫でながら問いかけた。
あっきぃ 「ぷりちゃん、リビング行くけど……歩けそう?」
ぷりっつは光のない瞳のまま、あっきぃの言葉の意味を理解しようと、時間をかけてゆっくり思考を巡らせる。
立てるのか、歩けるのか――今の自分にはそれすら分からなくなっていた。
しばらくして、ぷりっつはこてんと首を小さく傾げた。
『わからない』とでも言うように。
あっきぃ 「ん、そっか。じゃあ!タクシーあっきぃが出動しまーす!」
ぷりっつ 「……!?」
次の瞬間、あっきぃの手が背中と膝裏に滑り込み、ふわりと身体が宙に浮いた。
あっきぃが迷いなく、ぷりっつをお姫様抱っこで持ち上げたのだ。
(あ……俺……重いのに……また迷惑……)
感情を閉ざした頭の中でも、無意識に「自分は迷惑なんじゃないか」という思考が過り、ぷりっつは申し訳なさそうに身体を縮こまらせようとする。
すると、隣を歩いていたまぜ太が、ぷりっつのそんな企みにすぐ気づいた。
まぜ太 「……おい、ぷりちゃん。また『迷惑かも』とかくだらねぇこと考えただろ」
まぜ太の大きな手が、ポンポンとぷりっつの頭を優しく撫でる。
まぜ太 「迷惑なんかじゃないから。そんなこと1ミリも考えんな。俺たちはな、お前を抱っこできるだけで嬉しいんだよ」
あっきぃ 「そうだよー! ぷりちゃん軽すぎてびっくり! もっとご飯食べさせないと! はい、出発しまーす!」
まぜ太の温かい言葉と手のひらの温度。
ぷりっつは抱え込んだぬいぐるみを強く胸に押し当てながら、コクッと小さく首を縦に振った。
いぬまる
704
優莉
302
コメント
1件
ちぐさの「よしっ!」であえて場の空気を切り替える優しさ、そこにすぐ乗っかるメンバーたちのチームワークが素敵でした。特にあっきぃのお姫様抱っこ、ぷりっつが「重いのに…迷惑」と縮こまろうとする気持ち、すごく分かります。それをまぜ太が「くだらねぇこと考えた」って優しく叱る温かさに、じんと来ました。抱っこされるだけで嬉しいという言葉、ぷりっつの心にゆっくり染みていきそうですね🌷