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「私は…
あの子の、幼馴染なの。
といっても、小学校に上がる頃に私が引っ越しちゃって、会えなくなっちゃったんだけど、連絡は取ってたの」
やっぱり、悲しそうな顔…
『なんでそんな悲しそうな顔してるの?』
思わず、口から出た質問に彼女は少し微笑んだ。
「話の続き、してもいいかな?」
俺は静かに頷いた。
「少女はね、毎日男の子に話しかけた。
お弁当を作ってあげたり、勉強を教えたり、おすすめの本をプレゼントしたり、
少し、不器用よね
でも、彼はそんな少女に少しずつ心惹かれていったの。
ある日、彼に呼び出された少女は家を飛び出し、彼のもとへ向かった、
そこで、彼に告白された少女は、彼と付き合うことになった。
晴れて恋人同士になった二人だけど、少女には、秘密があったの。」
彼女から話される内容に聞き覚えがあった。
日記に書かれている内容にそっくりだったから。
確実にそうだと言えなかったのは、
日記の中の彼女の誕生日は9月3日。
ダイアルの数字の謎が解けなかったから。
『その秘密って?』
「それは…言えない。あの子の為を思うなら、聞かないで。
時が来たら教えるから…」
『じゃあ、代わりに教えて?二人の記念日はいつ?』
「10月11日」
俺の頭の中で、ピースが音を立ててはまった感じがした。
彼女に日記の話をすると、彼女は俺を信じてくれた。
疑ってもおかしくない内容なのに、
「あの子、いたずら好きだったから。」
あれは、少女のいたずらなのだろうか。
だったらなぜ、いたずら相手に俺を選んだのだろうか。
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