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私、桜川紫音、学生❗
ある日、登校中に異世界へ転移しちゃた❗
なんやかんやあって、シオ・ルドーシュと名前を変えてリシオ・ルドーシュの娘として学園に通うことになっちゃった〜
私、これからいったいどうなっちゃうの〜
とまぁ、痛いあらすじはさておいて、
私がここ〔ルスベニア王国〕に転移してから2日が経った。ある程度この世界ことを学び、今日が転校当日である。
「服よし、髪よし、肌よし」
鏡の前で服や髪型を整える。
ヒロインと同じ、ウェーブのかかった桃色髪のツインテール。赤いリボンを両側につけて、前髪の一部をピンで留める。
(ヒロインの見た目は良いものにしなくちゃ)
「そろそろいいかーい?!馬車がついたんだ!!」
下の階からリシオ・ルドーシュ、私の父親となる人の声が聞こえた。
「分かりました!!すぐ行きます!!」
バックをとって、階段を駆け下る。
「来たね。馬車には乗ってるだけでいいから!寄り道なんて、絶対にしないでね!」
「もちろん!分かってますよ。それじゃ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
馬車に乗り込み、扉が閉まる。
リシオさんは、馬車が見えなくなるまでてらを振ってくれていた。
「ここまでです。」
どうやら目的地についたようだ。
「ありがとうございました。」
そう言って、馬車から降りて一礼する。
体を前に向け直すと、そこにあったのは
「校門…ついに来たんだ、 〔魔法学園リリステラ〕」
ここをくぐれば、ゲームのシナリオが始まるかもしれない。そんな期待に胸を膨らませながら、門をくぐった。
今、私は教室の前にいる。門をくぐってからの描写がないところからお察しの通り
攻略対象者と出会わず、それどころか学生とすら、一度も会っていない。
おかしい…ここが本当にゲームの世界なら門をくぐったら話が始まり、攻略対象者が続々とヒロインの前に姿を現して、名乗りイベントが始まるはずなのだ。しかし、似通った全く異なる別世界の可能性がかき消せない以上、期待するのはあまりやめておいた方が良いという結論にすぐに至っていた。
(それに、期待してない時に出会った方が嬉しさは大きくなるだろうしね)
そして、私が今何をやっているのかといえば、「学園生活初めの自己紹介の練習」だ。ヒロインのしていた自己紹介を、一言一句間違えずかつ、ヒロインらしくいわなければならない。と勝手に制限をつけている。
正直、自己満でしかないのだが、やると決めた以上、やり遂げる他ない。
「よし!」
そう言って覚悟を決める。先生もちょうど来たようだ。
ドアを開け、先生が先に教室へ入る。
「皆さん、静かに。今日は、転校生が来ています。さぁ、入ってください。 」
私の学園生活始まりのチャイムが鳴った。