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枯れた花

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枯れた花

11 - 第11話

♥

108

2024年07月27日

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俺は気づいてしまった。


照はもう、俺を好きじゃないことに。


〈目黒side〉

昨日、初めて照が帰ってこなかった。

今までは、

どれだけ遅くなって終電を逃しても、

タクシーで家に帰ってきていたのに。

心配性な照は、

財布にも携帯にも、

いつも大量にお金を入れている。

タクシー代が無いことなんてなかった。

会社で話した時も、

すぐに嘘をついていると分かった。

信じたくはなかったけど、

照は誰かと2人で一夜を共にしたんだろう。

自らそれを選んで。


目 “ひかるっ、”

岩 “…お、どうした?”

目 “今日は早く帰って来れる?”

岩 “あー…、多分。

  すぐに仕事終わらせるから、

  一緒に帰れると思う。”

目 “分かった、待ってる。”

どこかよそよそしさを感じた。

俺に後ろめたいことがある証拠だ。


帰り道も、

俺たちはどこか気まずさを感じ、

暗い雰囲気のまま家に着いた。

目 “よし、ご飯作ろっか。”

岩 “……なぁ、蓮。”

目 “…なに……?”

嫌な予感がした。

岩 “その……俺たちさ_”

咄嗟に俺は照にキスをした。

話の続きを聞きたくなかった。

別れ話な気がしたからだ。

目 “早く作ろ?

  お腹すいちゃった。”

岩 “……そうだな。”

“別れよう。”

その一言を聞くのが怖かった。


本当は気づいていた。

このままじゃいけない事を。

俺は勇気を振り絞って、

照に聞いた。

目 “照。

  昨日、ほんとは誰かと一緒にいたの?”

岩 “…ごめん、

  一緒にいた。”

気持ちが暗くなった気がした。

目 “深澤さん、とか?”

岩 “そう。

  ふっかが潰れてたんだ。

  終電もなくなってて、

置いてくわけには いかなかった。”

目 “そう、なんだ。”


これ以上踏み込めば、

自分が傷つくのは分かっていた。

分かっていたのに。

目 “俺、この間見ちゃったんだよね。

  照と深澤さんが抱き合ってるの。

  2人、付き合ってたんだね。”

岩 “……ごめん、

  言ってなくて_”

目 “深澤さんは、

  今でも照が好きなんでしょ?

  照は、、どうなの、?”

岩 “どういう……意味、?”

目 “照は今、

  誰のことが好きなの?”

岩 “……、それは…。”

照は口をつぐんだ。

照は変わってしまった。

今までなら、

すぐに俺だと言ってくれたのに。

照をこんな風に変えたのは、

深澤さんだ。

あの人のせいで、照は。

俺は家を飛び出した。

岩 “蓮……!!”

あの人の家へと走って向かった。

このまま照を失うぐらいなら。

とことん悪い奴になってやる。


ピーンポーン……

渡 “はい…、?”

ドアを開けたのは、

深澤さんではない誰かだった。

目 “ここ、深澤さんの家じゃ……?”

渡 “あー、、

  ここ俺ん家なんすよ。

  ふっかは前まで居候してて。

  ふっかの、知り合いですか?”

目 “……あの人に、

  話がしたいんです_”

深 “翔太、?”

後ろを振り返ると立っていたのは、

俺が憎んだ相手だった。

深 “合鍵返しにきたんだけど……、

  …目黒さん、なんで、、”

怒りがふつふつと込み上げるのが分かった。

目 “あんたのせいで……、

  照は変わった。

  あんたがいなかったら…、!”

俺は近くにあったシャベルを握りしめ、

深澤さんに振りかざした。

深 “……!!”


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