【恋愛反則ダーリン】
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早朝。
カーテンから差し込む光で目を覚ます。
結局せっかくの土日だと言うのにあの時視た
未来が頭から離れず、まともに休めなかった。
彼女から別れを告げられたが、
泉のことで頭がいっぱいすぎて悲しむ余裕もない。
そして今日は仕事。
朝来「仕事……行きたくねぇ、」
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朝来「…………」
浮見「朝来くんおはよ………って、どうした
の? この前より死んでない?」
会社に着くと、先輩達に囲まれる。
なんだかんだこの2人が1番話しやすい。
朝来「浮見さん……おはようございます。
ちょーーーっとだけ、疲れてるだけなんで
大丈夫ですよ……」
石火矢「だいぶ疲れてんなぁ。
ほれコーヒーやるよ」
朝来「マジですか!ありがとうございます」
コーヒーを手に取ると、
なぜか2人が俺の方にポンと手をやる。
朝来「、?」
石火矢「なんかあったらすぐ言いなさいよ」
浮見「いつでも話聞くからね」
朝来「………ありがとうございます、」
ちょっと照れ臭くなって顔を逸らすと、
「可愛いやつだなぁー」とかなんとか言って
頭をわしゃわしゃされた。
やっぱり1番話しにくい人たちかもしれない。
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いつまでも泉の事で悩んでいるのも嫌だし、
でーきるだけ泉とは接触しないで仕事しよう。
そして忘れよう。
アレのことは。
………アレのことは、
やばい、忘れようと思うと余計思い出す。
「朝来くーん!!」
名前を呼ばれて軽く肩が跳ねる。
びっくりしたぁ……考えすぎたな、
仕事しないと…
書類に向かっているうちは頭が仕事でいっぱいになるので、アレのことは忘れられる気がした。
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というのも束の間。
泉「朝来、この書類だけど」
本人きたし、!!!
まぁ同じ会社で同期で今同じプロジェクトしてるし完全に近づかないとかむりだけど、!!
……なるべく平常心、平常心…
朝来「どうした?泉?」
泉「……?お前今日なんか変じゃないか?」
朝来「な、なにが!!??」
泉「いや、いつもなら俺がきたら嫌そうな顔
すんのに今日は普通だから。」
いつもが平常心じゃないから逆に疑われてるし、!!なんなんだよ!!?じゃあどうすればいいんだよ!!?
泉「、?どうすればいいってなにが?」
朝来「……!!いや、なんでも……」
浮見「朝来くーんちょっといいー??」
朝来「、!!はい!!
ごめんちょっと行ってくる」
泉「、わかった。」
……焦ったーー、
アイツ心読んでくんのずるいだろ…
やばい、汗えぐい、アツい、
朝来「浮見さんどうしたんすか…」
浮見「いや、 汗すごいし体調悪そうだから、
あれだったら部長に私から言っとくよ?」
朝来「い、いや全然大丈夫 ですよ!平気です」
浮見「…本当になんかあったら言ってよー?」
朝来「はい!ありがとうございます、!」
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朝来「はぁ〜、疲れたぁ、」
仕事が終わり、タイムカードをきって先輩達に挨拶をする。
今日はもう早く帰って寝よ。
朝来「あ、!!浮見さん石火矢さん!
お疲れ様です」
石火矢「おつかれ〜」
浮見「おつかれー!顔色だいぶ良くなったね」
石火矢「?体調わるかったの?大丈夫?」
朝来「はい!大丈夫です!
今日は家でゆっくり休むんで!!」
浮見「そっかー、あんま無理しないでね?」
朝来「大丈夫っすよ!
じゃあ俺お先に失礼しますね」
そうして会社を後にしようと一階まで降り、
いつも通る公園を歩いていると、たまたま自販
で飲み物を買っている泉に遭遇してしまった。
泉「、!朝来!今帰りか?」
なんでいんだよ!!?
タイミング悪すぎか!?
気づかなかった俺も悪いけど……!
今は顔見たくねぇのに、
朝来「そう!今帰り! って事で急いでるから
じゃあ………」
そう言って足早に泉の横を通り過ぎようとする
と腕を掴まれて引き止められた。
泉「……話あんだけどいい?」
朝来「いや、俺急いでんだけど……」
泉「なんか用事?」
朝来「た、体調悪いから早く帰ろうと………」
お前のせいで体調悪いのにお前と話してたら
もっと悪くなるじゃねぇか!!!
泉「……!、俺のせいって何?」
朝来「え、は、?」
まさか、心読まれた、!?
朝来「あ、いや、お前のせい……だけど、
お前のせいじゃないっつうか、なんてい
うか、」
泉「……つまりどういう事?」
朝来「………」
どうしよ、説明するっつっても、
アレ説明すんの……?超気まずくない?
てかコイツ心読んでくんのほんとずるいだろ、
こっちは心落ち着かせようと必死なのに、
泉「……話したくないなら無理に話さなくても
いいけど、ただ……」
……ただ?
泉の方に目をやると、
泉は苦しそうな、
悲しそうな顔をして俺を見てた。
泉「……前みたいに話してくれよ。」
なんで、そんな顔すんだよ。
俺だって
避けたくて避けてるわけじゃないのに、
泉「………?」
でも、コイツを見てると、
心臓苦しくて、頭ん中めちゃくちゃで、
あの時の未来が脳をめぐって、
逃げ出したくてたまんないんだ。
泉「……!?え、あ、朝来?なんで泣いて…」
言われて初めて気づいたけど、
俺の目からは何故か涙が溢れていて、
止めたくても止められなかった。
泉「、!朝来!!待てよ!!」
そんな言葉無視して走ってた。
早く、早く帰ろう。
多分きっと疲れてるんだ。
人混みをかき分けて進む。
いつもならうるさいくらい聞こえる街の声は、
今は自分の心音と荒い息でほとんど聞こえない。
……なんか、頭痛いな、
足取りも悪くなってきて、
重い体を動かしてなんとか家路についた。
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